ここでは、Wi-Fiの知識として難しい印象を受ける「IPv6」や「IPoE」などをわかりやすく解説していく。「IPv6」とは、「IPv4」に次ぐ次世代IPのこと。アドレスが128ビットに拡張されたため、事実上無限ともいえる膨大な数のアドレスが利用できる。
「IPv6」とか「IPoE」って難しそうなんだけど、どういう意味?
「IPv6」は、「IPv4」の後継となるインターネットプロトコル(IP)のこと。IPアドレスはネット接続するすべての端末に必要だが、IPv4では約43億しか数がなく枯渇が懸念されており、対策としてIPv6が作られた。IPv6では、ほぼ無限に近いIPアドレスが用意でき、世界のあらゆるものがネットに接続されるようになったとしても数が足りるといわれている。
●IPv4とIPv6の違い
IPv4
IP(インターネットプロトコル)の第4版。1990年代後半から広く使われるようになり、約43億個のアドレスが利用できる。
IPv6
IPv4に次ぐ次世代IP。アドレスが128ビットに拡張されたため、事実上無限ともいえる膨大な数のアドレスが利用できる。
IPv6への移行で問題になったのが、ネット接続方式だ。IPv4が利用していた「PPPoE」という方式は、速度が低下しがちという弱点がある。一方、IPv6が利用する「IPoE」という方式では、混雑せずに高速な接続が実現できるが、IPv4のサイトを表示できないというデメリットがあった。
●IPoEとPPPoEの違い
同じIPv6でもPPPoE接続では、速度が遅くなりがち。IPoE接続だからこそ高速化が期待できる。
IPv6 IPoE |
IPv6 PPPoE |
|
---|---|---|
接続可能 なサイト |
IPv6のみ (※) |
IPv4/ IPv6 |
混雑度 | 比較的 空いている |
混んで いる |
速度 | 速い | 遅い (特に、深夜など) |
そこで、「IPv4 over IPv6」という技術が使われるようになった。これによりIPoE接続のままIPv4を扱えるので、速度が低下しない。ただし、プロバイダーによっては申し込みが必要なほか、使われる方式が異なっており、自分が使っている機器が対応しているかどうか確認が必要だ。
●プロバイダーによりIPoEの方式は異なる
プロバイダー | 接続方式 | 申し込み | 料金 |
---|---|---|---|
OCN | OCN バーチャル コネクト |
不要 | 無料 |
Yahoo! BB |
IPv6高速 ハイブリッド |
必要 | 無料(※) |
So-net | v6プラス | 必要 | 無料 |
ぷらら | OCNバーチャル コネクト、transix、v6コネクト |
不要 | 無料 |
BIGLOBE | IPv6 オプション |
必要 | 無料 |
@nifty | v6プラス、 OCNバーチャル コネクト |
必要 | 無料 |
主要プロバイダーのIPoEサービス。オプションとして提供されている場合もあり、プロバイダーによっては申し込みが必要になる。
■解説/小竹佑児(ライター)
※この記事は『今すぐつながる!Wi-Fi完全マスター塾』(マキノ出版)に掲載されています。