メガバンクや地方銀行などの従来の銀行では、新たな手数料を徴収する動きが出てきました。低金利で預金に利息がつかないのに手数料を徴収されれば、預け入れているお金を減らすことになりかねません。そんな今だからこそ、「ネット銀行」のお得さが際立ちます。
ネット銀行は口座維持などの手数料が不要
メガバンクや地方銀行などの従来の銀行では、収益構造の変化を受けて新たな手数料の導入を進めつつあります。
新設される手数料ですが、「紙の通帳を発行することに対する手数料」と「一定期間利用されていない口座に対する手数料」の2種類です。
前者は印紙税の支払い、後者は口座の維持コストが銀行の大きな負担となっており、これらを利用者に転換することによって収益を確保するのがねらいです。実際、海外の銀行では口座維持手数料の徴収が当たり前になってきており、国内で未導入の銀行も手数料徴収の方向に舵を切ってもおかしくないでしょう。
しかし、低金利で預金に利息がつかないのに手数料を徴収されれば、預け入れているお金を減らすことになりかねません。
ネット銀行は、通帳を発行しませんし、支店なども持たない低コストな運営体質ですので、通帳発行手数料や口座維持手数料がかかりません。そのうえ、金利が高く、その他の手数料も安価なネット銀行は、従来の銀行と比較してお得さが際立っているといえるでしょう。
■大手銀行で手数料が発生する理由
・休眠口座の維持費がかかる
・通帳を発行すると印紙税が発生する
➡︎ 手数料徴収により、これらの負担を軽減させる
■ネット銀行で手数料が発生しない理由
・運営が低コスト体質
・通帳を発行しないので印紙税が発生しない
➡︎ 通帳を発行しないので印紙税が発生しない
大手銀行で発生する主な手数料
三井住友銀行 | |
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対象口座 | 2021年4月1日以降に新規開設の口座。なお、名義人が18歳未満または75歳以上の場合は免除 |
通帳発行 手数料 |
紙の通帳を利用する場合に発生。550円/年(税込) |
口座維持 手数料 |
ネットバンキング未利用で、2年以上入出金がなく、残高が1万円未満の場合に発生。1100円/年(税込) |
みずほ銀行 | |
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対象口座 | 2021年1月18日以降に新規開設の口座。なお、名義人が70歳以上の場合は免除 |
通帳発行 手数料 |
紙の通帳を発行(繰越含む)した場合に発生。1100円/1冊(税込) |
口座維持 手数料 |
予定なし |
りそな銀行 | |
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対象口座 | 2004年4月以降に新規開設の口座 |
通帳発行 手数料 |
予定なし |
口座維持 手数料 |
2年以上入出金がなく、残高が1万円未満の場合に発生。1320円/年(税込)。なお、同行で定期/積立/財形預金、投資信託、外貨預金、国債、生命保険などの利用、借入がある場合は免除 |
三菱UFJ銀行 | |
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対象口座 | 2021年7月以降に新規開設の口座 |
通帳発行 手数料 |
2022年4月以降、紙の通帳を利用する場合に発生 |
口座維持 手数料 |
2年以上入出金がない場合に発生。1320円/年(税込)。なお、定期預金、投資信託、外貨預金などの利用がある場合は免除 |
大手銀行で導入されている手数料は上のとおり。最近では、三菱UFJ銀行や地方銀行も手数料徴収の方向に舵を切っており、この流れは加速するだろう。
◆この記事は2022年3月12日発行の「絶対得する!ネット銀行の賢い選び方&使い方」(マキノ出版)から掲載しています。記事内の情報は発行日のものです。最新の情報は各銀行の公式サイト等をご確認ください。