【徹底比較】価格差5倍! ダイソー vs スタンダードプロダクツの『キッチンハサミ』を両方買って比べてみた

レビュー

100均好きというよりも、すっかり100均オタクの筆者。先日もダイソーネットストアを眺めていると、税込550円の「分解式キッチンハサミ(チタンコート)」を発見。「スタンダードプロダクツ」ブランドの高級品と税込110円の通常ブランド品に差があるのか、両方買って比べてみました。

ダイソー「スタンダードプロダクツ」とは?

品質や使い勝手を追求したダイソーの新ブランド

スタンダードプロダクツの「分解式キッチンハサミ(チタンコート)」。税込550円という価格を考えると当然かもしれませんが、安っぽさはほとんどありません

最近、100均(100円ショップ)で月に1万円を超える買い物をすることに、すっかり抵抗のなくなってきた筆者。さすがに買い過ぎだとは思うのですが、仕事で記事を書いたりすることも多いので、これも仕事と思っている部分もあります。

しかし、本質的に100均のアイデアアイテムが好きであり、コストパフォーマンスの高い安くていいものが好きなのです。そんな筆者が先日ダイソーネットストアを眺めていると、税込550円というダイソーにしては、かなり高価なキッチンバサミを発見したのです。

よく行く近くの店舗で見たことのないキッチンバサミだなと思いながら、いくつかの近所のダイソーの店舗を探すものの発見できず、ダイソーのスタッフに聞いてもうちの店舗にはありませんとの回答。

「分解式キッチンハサミ(チタンコート)」のパッケージ裏面。使用方法や使用上の注意、保管方法などが詳細に解説されています

不思議に思いながら、再度ネットストアで確認すると、やっと気が付いたのです。ダイソーネットストアで検索ヒットするのですが、ブランドがスタンダードプロダクツ(Standard Products)であることに。

実は現在、イソーには3つのブランドラインがあります。みなさんお馴染みの「ダイソー(DAISO)」ブランドと、最近ダイソーと併設されていることの多い300円ショップ「スリーピー(THREEPPY)」、そして300円を中心とした価格帯でダイソーの従来の商品よりも高品質な素材でかつ環境配慮型の商品を多く取りそろえているという「スタンダードプロダクツ(Standard Products)」です。ブランドスローガンは「ちょっといいのが、ずっといい」。筆者の住む北海道には現在5店舗しかありません。

パッケージから取り出した「分解式キッチンハサミ(チタンコート)」。100均アイテムらしい安っぽさは微塵も感じられません

最近、このスタンダードプロダクツの商品もダイソーネットストアで検索・購入できるようになったといいます。そのため、筆者がダイソーネットストアでおもしろそうな商品を探している際に、スタンダードプロダクツの『分解式キッチンハサミ(チタンコート)』を発見したというわけです。

 

ダイソー・スタンダードプロダクツブランドの税込550円のキッチンバサミと、ダイソーの通常ブランドラインのキッチンバサミとどれだけ違うのか? 非常に気になります。そして、現物を確認してから購入したいという欲求を抑えられず、筆者は自宅からももっとも近いスタンダードプロダクツの実店舗まで約25km、40分ほどの距離をクルマで往復して「分解式キッチンハサミ(チタンコート)」(以下「分解式キッチンハサミ」)を購入してきたわけです。

 

ダイソー「ステンレスキッチンハサミスタンダードタイプブラック」と比較!

税込110円とは思えない、しっかりとした作り

「分解式キッチンハサミ」の比較対象として筆者が選んだのは、同じダイソーの「ステンレスキッチンハサミスタンダードタイプブラック」税込110円です

税込550円のキッチンバサミを買うために、クルマで往復50km、1時間半のお金と時間を使った筆者ですが、結果は大満足です。スタンダードプロダクツの店舗やアイテムの内容が筆者にとって、久しぶりのクリティカルヒットであったこともありますが「分解式キッチンハサミ」もかなりいい感じ。

とはいえ、単純にいい感じです、という解説では意味がありません。そこで、筆者は近所のダイソーで税込110円の「ステンレスキッチンハサミスタンダードタイプブラック」(以下「キッチンハサミスタンダード」)を購入してきました。ダイソーブランドのスタンダードモデルと比較することで「分解式キッチンハサミ」に税込550円、5倍の価値があるかを検討しようと考えたわけです。

とても税込110円とは思えない、しっかりとした作りの「キッチンハサミスタンダード」ですが、100均っぽいチープさはきっちりと感じられます

まずは手始めに、大きさと重さからチェックしていきます。「分解式キッチンハサミ」は長さが約21cm、最大幅が約8cm、重さが実測で約102gです。一方「キッチンハサミスタンダード」は長さが約21cm、最大幅が約8cm、重さは実測で約82gとなっています。

ほぼ同じ大きさのキッチンバサミですが、重さが20gほど異なるのは「分解式キッチンハサミ」がグリップ部分以外ほぼ金属製なのに対して「キッチンハサミスタンダード」は刃先の部分以外は可能な限りプラスチック製としている結果のようです。部品代の節約という意味合いも大きいのでしょう。

また、どちらも栓抜き機能を搭載していますが、「分解式キッチンハサミ」が刃先の側面に設けられたくびれを使って栓抜きを行うのに対して「キッチンハサミスタンダード」はグリップ部分の上部に用意された円形のスペースを使って栓抜きを行う構造です。

「分解式キッチンハサミ」は、その名のとおり、簡単に分解でき、丸洗いが可能です。また、刃の部分に滑り止めのギザギザが刻まれているのもわかるでしょう

さらに「分解式キッチンハサミ」は、グリップ部分の上部の用意された楕円形のギザギザ部分で殻割りやキャップ開けが可能になっています。そして、分解式の名のとおり、中央の穴のロックが外れる角度までハサミを開くと分解できる構造で、使用後にすみずみまで容易に洗浄することができます

なお「キッチンハサミスタンダード」がステンレス製なのに対して「分解式キッチンハサミ」はステンレス鋼にチタンコートを施すことで防錆効果や耐摩耗性をアップしています。刃先にも食品などが滑りづらいようにギザギザが刻印されるなど、見た目から価格の差が十分に感じられる仕上がりになっています。

 

実際に「切れ味」を比べてみた

紙を切っても、食品を切ってもしっかりと差が感じられる

単純に紙を切っても、切れ味、切り心地の違いは明確です。ただし「キッチンハサミスタンダード」で切ったからといって問題があるわけではありません

「分解式キッチンハサミ」と「キッチンハサミスタンダード」を手に持って、カチャカチャと閉じ開きするだけでも、その動きのスムーズさや感触などから、間違いなく切れ味にも差がありそうだと感じられます。

しかし、実際にどのくらい切れ味に違いがあるか、紙、油揚げ、ブロッコリー、白菜を切って差を実感してみました。キッチンバサミといえども、パッケージなど紙類を切ることもあるだろうと、まずは普通にノートの紙を切ってました。

実際に油揚げを「分解式キッチンハサミ」で切った本人は明確な違いを感じますが、切った油揚げが入ったみそ汁を飲んだ人がその違いを言い当てることはないでしょう

最近の100均の素晴らしいところですが、税込110円の「キッチンハサミスタンダード」でも、普通に紙を切ることができます。ハサミとして切れるという役割を果たせるかと聞かれれば十分以上でしょう。ですが、税込550円の「分解式キッチンハサミ」では切るのが気持ちがいいのです。チャキチャキと紙を細かく刻んでいくのが楽しくなってきます。

続いて、油揚げを切ってみます。油の染み込んだフワッとやわらかな油揚げは、どちらのハサミで切っても、当たり前ですが普通に切れます。それでも「分解式キッチンハサミ」で切っていると「もっと細く切れるのでは?」といった、切る気持ちよさと、もっと思いどおりにできるのではないかという楽しさを感じるのです。

表面が硬く太さがあるためか、力ずくで切った感が強く、今回試した食材の中ではもっとも切れ味の違いと感じなかったのがブロッコリーです

そして、ブロッコリー。実は今回切ってみた食材のなかで、もっとも切れ味に差を感じませんでした。包丁などに比べるとハサミの刃が厚いためか、力ずくで切り分けた感が強く、個人的にはペティナイフなどで切った方が気持ちよく料理ができそうです。

最後に白菜を切ってみました。白菜は、どちらのキッチンバサミでも、快適にカットできるのですが、「キッチンハサミスタンダード」では断面の細胞がかなり潰れてしまっているように感じますが「分解式キッチンハサミ」は切れ味のよさから断面の細胞があまり潰れていないように感じられます。

少量の白菜を切るときは、今後「分解式キッチンハサミ」でいいかと思うほどの切れ味でした。まな板も汚れないので、洗い物も減るのでいいことずくめです

結局、ほとんど何を切っても、切れ味の差は明確に感じられますが、「キッチンハサミスタンダード」で切ったからといって問題が発生するわけではありません。道具としての気持ちよさの違いが明確に感じられるレベルといえます。

 

ずっと「キッチンハサミスタンダード」でも問題なし。でも…

しかし「分解式キッチンハサミ」がわずか550円で手に入る現実

5倍切れる? と聞かれれば、そんなことはありません。ただし440円分以上の性能差を感じることは間違いありません

実際のところ、価格差5倍の「分解式キッチンハサミ」を購入せずに、税込110円の「キッチンハサミスタンダード」を使っていても、実生活になんの問題もないでしょう。しかも、すでにダイソーの税込110円のキッチンバサミを持っているなら、その差のために新しいキッチンバサミを買うのは資源の無駄遣いとさえいえるでしょう。

それでも筆者は、現在税込110円のキッチンバサミを使っているなら、迷うことなく買い換えます。なぜなら税込110円のキッチンバサミと、この後何年もの時間を一緒に過ごしたいとは思えないからです。

刃の部分も「キッチンハサミスタンダード」は単純な直線ですが、「分解式キッチンハサミ」は使いやすさに配慮してカーブを描いていることがみてとれます

確かに機能は十分に果たしてくれるのですが、100均の100円アイテムには、道具としての愛着がもてなかったり、使う気持ちよさが感じられなかったりすることが多いように思います。そしてキッチンバサミといったアイテムは、一体どこで買ったか、もらったかも思い出せないのに、もう10年近く使っているなんてことが起きやすいわけです。

この点を考えると、価格差5倍ではなく、440円の違いと考えたとき、筆者は自分の意思で選んだ、愛着や使う気持ちよさを感じられるアイテムに囲まれて生きていきたいので、資源の無駄遣いといわれても「分解式キッチンハサミ」に買い換えます

とはいえ、このあたりは好き好きと言えるでしょう。キッチンバサミの買い換えや買い増しなどを検討されているならダイソー・スタンダードプロダクツの「分解式キッチンハサミ」はコストパフォーマンスが非常に高く、とてもおすすめです。

 

DAISO公式サイト

Standard Products公式サイト

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。

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