〈ムサコのタワマン〉ド素人が中古マンション売買で感じたこと 駅遠でも狭くても値崩れしにくい物件とは?

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今回は、中古マンションを売買して実感した「将来売るときに値崩れしにくい、資産価値の高いマンションの選び方」をご紹介します。といっても、筆者は不動産に関してはまったくのド素人。相場も何も知らないまま住んでいたマンションを売ったり、新たな住まいとして中古マンションを買ったりするなかで、素人だからこそ「なんで駅から離れているのに、こんなに値崩れしてないの?」「すごく条件がいいのに、この物件はどうして売れ残ってるんだろう」と驚くことがたくさんありました。自分が体感したリアルな感想をお伝えします。

家を買うときに意識したい「家を売るときの資産価値」

今回売ったマンションは、筆者夫婦が結婚するにあたって初めて買ったマイホームでした。マンションを買った十数年前よりかなり高い値段で売れたのですが、それにはちょっとしたウラがあります。

マンションを買った10数年前よりかなり高い値段で売れたのには、ちょっとした裏の事情が。(写真はイメージ/photo-AC)

前回は、マイホームの購入と聞いて一般的にイメージするだろう不動産会社ではなく、投資物件を専門とする不動産会社に仲介をお願いしたのです。そのときに繰り返し言われたのは、「家を買うときには、その家を売るときの資産価値を意識してください」ということでした。

家は一生に一度の買い物…じゃない!?

投資物件を専門とする不動産会社にお世話になることにしたのは、「どうせ家を買うのなら、儲かる物件を買うぜ。わはは!」と思ったからではありません。不動産素人ゆえに一般的な不動産会社との違いも知らず、仕事で縁があった会社のご厚意で仲介をしていただくことになったのです。

そのため、「家を買うときに売るときのことを意識?」「いやいや、一生住む家を買うつもりなんですけど…」と夫婦そろってポカンとしました。私たち夫婦は漠然と子どもが2人くらいできて4人家族で住む家をイメージしていたのですが、それは不動産投資目線ではあまり得策ではないというのです。

日本の子育てスタイルでいうと、子どもに1人部屋が必要となるのは概ね小学校に入学してからになります。子どもができて、無事に妊娠期間を過ごして生まれて、順調にいっても結婚してから7、8年、通常10年弱といったところでしょうか。

例えば、ピカピカの新築マイホームを買ったとして、子どもが自分の部屋を使うようになる頃には築10年の中古になっているというわけです。「10年弱も部屋を余らせておく必要はありますか」「同じ予算で広い家を買うのであれば立地は悪くなります。10年弱も不便な思いをする必要はないのでは」と問われると、ううう、確かに…!

住み替えていくという考え方

家を買うのは一生に何度もない大きな買い物です。とはいえ、ライフスタイルや家族構成の変化によって、ベストな住まいは変わってきます。

そこで、当時の私たち夫婦は「子ども部屋の確保」という考え方を止めて、子ども部屋が必要になったときに住み替えがスムーズにできるような「値崩れしにくい物件」を買うというスタンスに切り替えることにしたのです。

結果論ですが、私たち夫婦が子ども部屋を必要とするまでに、結婚から結局十数年かかりました。子どもの数は、2人ではなく1人です。コロナ禍でリモートワークのための部屋が必要になるというのも、当時は予想できないことでした。夫の仕事の都合で引っ越しをするという事態も十分起こり得ましたし、結婚当時にいきなり一生住む家を買おう、というのは無謀だったなと今改めて感じています。

家を買うときに見るべきポイントや気にすべき点はたくさんあります。そのポイントの1つとして、「資産価値」「将来住み替えをする際に値崩れしにくい物件かどうか」など「家を売るとき」のことを意識するということも必要なのかもしれません。

中古マンションの価格を担保するための条件は、一体何なのでしょうか?

値崩れしにくい中古マンションは何より立地!

最初のマンションを買うときに言われたことは、「とにかく立地」「とにかく駅近」でした。マンションの売買は、需要と供給がうまくかみ合うことが必要です。

立地はマンションの資産価値を左右する重要ファクター(写真はイメージ/photo AC)

利便性が高いエリアの駅に近いマンションであれば、エリアの人気の流行り廃りに関係なく「買いたい」という人は必ずいるため、大きな値崩れはしないということでした。

人気のエリアではなく利便性にこだわってみる

立地というと「住みたい街ランキングで常に上位をとるような人気エリア」を思い浮かべがちです。もちろん、人気エリアのマンションは中古でも値崩れしにくく資産価値は高いのですが、購入する際の金額もそれに応じて高くなります。

また、人気が一過性となる可能性も加味しなくてはなりません。筆者は武蔵小杉でマンションを売買したのですが、「台風による浸水被害」「人口が増えすぎて駅のホームに人が入りきらない問題」などでエリアの人気は乱高下しました。

そのエリアの人気のピーク時点で家を購入してしまった場合、本来、そのエリアが評価されるべき適正価格以上の価格となってしまっている可能性は否めません。そうなると、人気が落ちてから家を売るときに大きく値崩れしてしまうことも考えられます。

実際に中古マンションを売買して感じたのは、「人気よりも利便性」です。私たち夫婦が初めてマンションを購入した当時の武蔵小杉は、実はタワーマンションが建ち始めて間もない、人気も知名度もいまひとつな街でした。ただ、横須賀線の新駅が開業間近で、利便性・都心へのアクセスは抜群ということで、投資専門不動産会社の担当者さんからも「買いです」というGOが出たのです。

エリアの人気が落ちても、利便性の高さは変わりません。武蔵小杉も人気ランキングでは急落しましたが、中古マンションの相場はいまだ上がり続けています。

駅近じゃなくても値崩れしない立地とは

今回売ったマンションは、「利便性の高いエリアの駅近物件」だったため、買った当初より値崩れするどころか、かなり高値で売ることができました。逆に、今回買った中古マンションは、同じ武蔵小杉であるため、利便性が良いエリアではあるものの、駅からはそれなりに歩きます。しかし、ここ十数年でエリアの人気が上がったというだけでは説明できないほど、新築当時よりも値段が上がっていました。

確かに、売ったマンションよりも広さはかなりあるのですが、「なんで駅から離れているのに、こんなに高いの?!」と驚く値上がりぶりです。駅近ではないのに値崩れしない理由、それは学区の良さにありました。

「公立小移民」という言葉をご存知でしょうか。子どもを教育・生活環境の良いところで育てるため、理想にそった公立小学校の学区内にわざわざ引っ越しをする人たちのことを指す言葉だそうです。確かに私たち筆者夫婦も、「今と同じ武蔵小杉エリアで、今より広く、できれば評判の良い学区にあること」を条件に、今回の物件を探しました。需要と供給のバランスでいえば、人気学区には常に一定の需要があるのです。

同じく、サーフィン移住なんていう言葉もあります。サーフィンなどマリンスポーツをする人たちにとって、海が近い物件は需要があるということです。つまり、駅近でなくとも何かしら需要の高いポイントを押さえた物件は「値崩れしにくい立地」といえるのではないでしょうか。

中古マンションを値崩れしにくくする意外な条件

立地以外にも、実際の中古マンション売買で実感した「中古マンションを値崩れしにくくする条件」はいくつもありました。

自然が感じられる立地はファミリー層に需要あり

広さ、日当たり、築年数、管理状況、眺望などはもちろん重要なのですが、ここでは「うわ、こういう条件も関係してくるんだ!?」と意外に感じた2つの条件をご紹介したいと思います。

立地から導き出される購買者に合った物件かどうか

今回マンションを売るにあたって、個人的には「物件のせまさ」はネックになると考えていました。「立地の良い駅近物件」「さしあたって子どものことは考えずに、夫婦2人が暮らしやすい環境」を優先して買ったマンションであり、家族で暮らすには手狭な物件だったからです。

そのため、いくつもの不動産会社で「ちょうど売りやすい広さですね!」と言われて驚きました。実は、通勤の利便性が高いエリアで駅近の物件を探している人は、単身や子どものいない共働きの夫婦が多いので、3LDKや4LDKの広い物件は、かえって敬遠されることがあるのだとか。

逆に、「人気学区」「自然が豊かで子育て環境が整っている」といったファミリーが好むような立地では、1LDKのような単身者向けの物件は売れにくいのだそうです。確かに、「すごく条件がいいのに、この物件はどうして売れ残ってるんだろう」と疑問に思う物件は、「これで学区さえ良ければねえ」「ちょっとせまいかあ」など、我が家のニーズからも微妙にズレていました。立地から導き出される購買ターゲットに合った物件かどうかというのが、実は重要なのです。

ライバルが多いか少ないか

中古マンションが値崩れしないかどうかは、ライバルの数も大いに関係してきます。

これも実際の売買で実感したのですが、例えばタワーマンションが乱立している武蔵小杉では「中古のタワマンを買おう!」と思ったときに、選択肢がたくさんあるわけです。買う側としてはありがたいですが、売る側としてはライバルが多いということになります。

今は武蔵小杉のタワマンは需要が高いためライバルが多くても売れていますが、いまだ新しいタワマンも建設されていますので、供給が需要を上回ったときにどうなるかはわかりません。

対して、第一種・第二種低層住居専用地域のような低層マンションしか建てられないエリアのマンションは、総戸数が少なく、新築される低層マンションもあまり多くないため、供給=ライバルは少なめです。駅近のタワマンほどの人気はなくとも希少性があるため、一定の需要がある立地であれば値崩れはしにくいといえるでしょう。

まとめ

実際に中古マンションを売買してしみじみ感じたのは「マンションが売れるかどうかドキドキするの、超しんどい!」でした。マンションを買う人は、買うも買わないも自分で決断ができます。「小学校入学までに引っ越したいから、今年中には買う!」など、ゴールを決めることもできます。

ところが、マンションを売る人は、相手の決断待ちです。明日売れるかも、1年後にも売れていないかもしれず、ゴールも見えません。少しでもドキドキと負担を減らすためにも、家を買うときに将来を見据えて、売りやすくて値崩れしにくい物件を選ぶ必要性を感じました。不動産のド素人が実体験から感じた「将来売るときに値崩れしにくい、資産価値の高いマンションの選び方」ですが、何かの参考になれば嬉しいです。

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