お酢と野菜のパワーで、高い血圧や血糖値を下げたり、余分な脂肪を減らしたり、疲れを取り除いたりする効果が期待できる『野菜の酢漬け』。今回はちょっと作るのが大変かなと思う人のために、「切り干し大根」を使用した簡単な作り方とレシピを紹介します!
「野菜の酢漬け」とは? 9大メリットを解説~生活習慣病、肥満を撃退!便秘や肌トラブルを一掃!
イシハラクリニック副院長◎石原新菜(いしはら にいな)2006年3月: 帝京大学医学部卒業、同大学病院で2年間研修医を務めた後、父である石原結實氏のクリニックで診療を開始。内科医。漢方医学、自然療法、食事療法を用いた治療にあたり、著書も多数あり。クリニックでの診療の他、テレビやラジオ出演、講演、執筆活動など、幅広く活躍。
メリット①生活習慣病を予防・改善

酢には血糖値や中性脂肪値を下げたり、血液をサラサラにしたりする作用があります。ですから、糖尿病や高血圧といった生活習慣病の予防・改善が期待できます。食物繊維が豊富な野菜と酢の相乗効果が得られます。
メリット②脂肪燃焼&食べすぎ防止でやせる

酢の酢酸(さくさん)には内臓脂肪の燃焼を促し、脂肪の蓄積を抑える作用があります。野菜の食物繊維をいっしょにとることで、「やせ菌」と呼ばれる腸内細菌も増加。野菜をかむと脳の満腹中枢が刺激され、食べすぎ防止にも役立ちます。
メリット③腸内環境を整え スッキリ便通

メリット④肌トラブルを解消し 美肌になる

血液がサラサラになると、血流がよくなり、皮膚に栄養が行き渡ります。これにより、乾燥肌やくすみなどの肌トラブルが改善します。腸内環境が整うと、便秘が原因の吹き出物や肌荒れもきれいに治り、美肌になるでしょう。
メリット⑤免疫力を高め アレルギーを改善
腸の免疫細胞には、免疫機能をオンにする「トル様受容体(ようじゅようたい・TLR)」というスイッチがあります。乳酸菌が押せるスイッチは一つですが、酢の酢酸菌は2つのスイッチを押せるので、免疫力を高める効果大。アレルギー症状も和らげてくれます。
メリット⑥疲労が速やかに回復し 夏バテを防ぐ
酢のクエン酸は、食事でとった栄養をエネルギーに変換する「クエン酸回路」を活性化して、疲労を速やかに回復させます。また、胃酸の分泌を促し、消化吸収を助ける作用もあるので、夏バテなどで食欲がないときにもお勧めです。
メリット⑦野菜の栄養が 効率よくとれる

大量の生野菜を食べるのは大変ですが、酢に漬ければ野菜のカサが減って食べやすくなります。カサは減っているのに栄養価は同じなので、食が細い人や高齢者でも効率よく栄養が補給できます。
メリット⑧野菜を長く保存でき 節約になる

野菜価格の高騰が続いている今だからこそ、食材を大切に使い切りたいもの。生のままで保存すると傷みやすい野菜も、酢漬けにすれば長く保存できます。安いときに酢漬けにすれば、家計の節約にもなるでしょう。
メリット⑨スパイスやハーブを入れれば 味に飽きない

【ひと晩でできる野菜の酢漬け】「切り干し大根の酢漬け」の作り方
料理研究家◎野口真紀料理研究家。料理雑誌の編集者を経て現職。作りやすくておいしい、栄養や健康に配慮したレシピが人気。大のお酢好きであり、家族で外食をする際はテーブルに置いてある酢のおかわりが必要になることも。著書『毎日食べて体すっきり 野菜の酢漬けと展開レシピ』(エムディエヌコーポレーション)では、28の簡単な酢漬けと76の展開レシピを紹介している。
胃腸スッキリ! 骨の強化にも◎
切り干し大根…50g
合わせ酢(酢…1/2カップ 砂糖…大さじ3 塩…小さじ1/2)
【作り方】
1.切り干し大根は水で洗い、熱湯でサッとゆでて水気をよく切る。
2.保存容器か袋に①と合わせ酢を入れてよく混ぜる。
3.冷蔵庫でひと晩漬けて、完成。

【おすすめ簡単レシピ】カリカリ豚バラと切り干し大根の和え物
豚バラ肉(4cm幅に切る)…200g
切り干し大根の酢漬け…1カップ

野菜の酢漬け」お勧め活用術~ギョーザのタレやカレーの付け合わせにも!
今回紹介した「切り干し大根の酢漬け」の他にも、「野菜の酢漬け」は、料理にはもちろん、ふだんのごはんにちょい足ししたり、 おかず代わりにそのまま食べたりもできる便利な常備菜です。 お酢を愛する石原新菜先生と野口真紀先生が、お勧めの使い方を紹介します。
サラダや刺身にかける

暑さが続くと、サラダや刺身といったサッパリした料理が食べたくなります。そんなときに野菜の酢漬けと合わせて食べれば、酸味が効いて、はしが進みます! ドレッシングやしょうゆを使わず、低カロリー&低塩・低糖にできるのもうれしいポイント(石原)
納豆に入れる

納豆のタレ代わりに野菜の酢漬けを加えることで、おいしく減塩ができます! 朝食の定番にすれば、不足しがちな野菜も手軽に取ることができます(野口)
カレーの具材やお供にする

カレーのお供といえばラッキョウ漬けや福神漬けが一般的ですが、野菜の酢漬けも相性抜群です。具材のタマネギを紫タマネギの酢漬けにして酸味を加えるもよし、青トウガラシの酢漬けをのせて辛さをアップするもよし。カレーがさらにおいしく食べられます(野口)
冷ややっこにのせる

味がマンネリ化しがちな冷ややっこも、野菜の酢漬けを使えば食べ飽きない定番おかずに! 私のお勧めは、ショウガの酢漬け。酢の酸味が効いて、スッキリおいしく食べられます(石原)
ソースやドリンクに使う

野菜の酢漬けを漬け酢ごとフードプロセッサーやミキサーにかければ、より幅広い料理に使えるソースに大変身。舌ざわりもよくなるので、ドレッシングやつけダレに活用しやすくなります。ショウガの酢漬けは、ドリンクに入れても美味。炭酸で割れば、スッキリおいしいジンジャーエールになります(石原)
ギョーザのタレに使う

複数の野菜の酢漬けをギョーザのタレに使えば、味変が楽しめます! ギョーザの風味がパワーアップして、食べごたえがあります(野口)
おつまみにする

野菜の酢漬けを2~3品小鉢に盛るだけで、ごはんやお酒に合うおつまみに大変身。焼き魚や厚揚げの上にのせて食べれば、手間いらずで豪華な一品に仕上がります。私の場合はワインが好きなので、チーズやサラミと合わせて晩酌をしています(野口)
まとめ:普段の食事に気軽に取り入れて、健康に!
今回は「野菜の酢漬け」入門編として、健康効果や、手軽に挑戦できる「切り干し大根の酢漬け」の作り方とレシピ、「野菜の酢漬け」の活用法をご紹介しました。日々の食事に取り入れて、ぜひ快適な毎日を過ごしてください。

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