今回は、4月よりスタートする2022年春の新作アニメの放映リストから、チェックしておきたい注目の作品をご紹介します。豊作となった冬アニメのシーズンも終わりを迎え、今期もフレッシュなタイトルや人気シリーズの続編、待望の映像化作品などが目白押しです。
トータル68本!2022年春アニメの放映リストと注目作品
再放送のものを除けば、配信コンテンツを含めると、2022年春アニメには68本もの作品がラインナップされています。
ファミリー向けの作品から大人向けのシリアスな作品までが勢揃いし、久々のシリーズ新作なども放映開始されるなど、今期も目が離せない内容です。その中でも、特に注目を集めるタイトルをご紹介していきます。
『SPY×FAMILY』
ジャンプ+発・累計発行部数1250万部のモンスターコンテンツ
数ある今期の放映開始作の中でも、最も注目を集めていると言っても過言ではないのが、『SPY×FAMILY』でしょう。原作は、集英社の漫画アプリ「ジャンプ+」上で看板作品として既刊8巻、昨年の時点で累計発行部数1250万部を記録。Web漫画としては異例の大ヒットを成功させているモンスターコンテンツです。
作品の舞台は、東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)に分かれ、冷戦状態にある架空の国家。そんな中で、ひょんなことから<黄昏>の異名を持つ西側の凄腕スパイ・ロイド=フォージャーと、東側で最強の殺し屋<いばら姫>として暗躍するヨル・ブライアが、「フォージャー家」として偽りの家庭を築いていく、タイトル通り「スパイ」と「家族」という相反するテーマの中で起こるさまざまなドラマを描く作品です。
さらには、養子として迎え入れた超能力者の少女・アーニャにまつわるさまざまなハプニングも加わります。シリアスな方面にもコメディチックなテンションにも偏らない、幅広い展開がストーリーを大きく動かしていきます。
連載当初から期待されていた映像化が発表されたのは、昨年のこと。制作会社には冬期に『その着せ替え人形は恋をする』『明日ちゃんのセーラー服』『東京24区』の3作同時制作を手掛けた、気鋭のスタジオ・CloverWorksが携わっており、クオリティの面でも原作の魅力を十二分に再現したものになることが期待されています。
『TIGER & BUNNY 2』
11年ぶりの続編がNetflixで放映スタート!
2011年に放映され、当時人気を席巻した作品と言えば『TIGER & BUNNY』の名を挙げる方も少なくないでしょう。2作の劇場版が公開されるなど、根強い人気を誇るシリーズに、11年ぶりとなる完全新作の放映が決定しました。
「NEXT」と呼ばれる特殊能力者たちが、ヒーローとして活動する未来の世界を描いた作品で、それぞれがさまざまな企業とスポンサー契約を結ぶといった、仕事モノのような要素もある世界観。
ベテランながらも活躍が振るわない「ワイルドタイガー」こと鏑木・T・虎徹が主人公。期待の新人として躍進を遂げるも、生意気さが玉に瑕なスーパールーキー、バーナビー・ブルックスJr.。この2人が、ふとしたキッカケから凸凹コンビを結成することになる、といったストーリーです。
第二期ではそんな2人が、世界各地で定着した「ヒーローシステム」の中で誕生した新人たちと共に、さまざまなドラマを起こしていく内容になることが発表されています。
Netflixでの独占配信といったコンテンツ発信の形も、もはや珍しくはありませんが、地上波放送とはまた異なる視聴体験にも期待がかかるところです。
『かぎなど シーズン2』
「Key」ファンの間で好評を博した短編アニメの続編
昨年、老舗の美少女ゲームブランド「Key」初のクロスオーバーコンテンツとして放映された、5分枠のショートアニメ『かぎなど』。その続編が、早くも今期よりスタートします。
アニメ作品としても人気の『Kanon』『AIR』『CLANNAD』の「泣きゲー三部作」はもちろん、『リトルバスターズ!』『Rewrite』『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』など、いわゆる「鍵系」コンテンツのメインキャラクターが、さまざま形で登場するコメディ作品です。
今期からは、こちらも大人気アニメとして2010年に放映された『Angel Beats!』のキャラクターも合流することが発表されており、さらなるドタバタぶりにも期待できます。
基本的にはファン向けのコンテンツになるため、いわゆるメタ的表現やセルフパロディなどが大量に盛り込まれている作品です。ある程度は作品知識や「お約束」的な文脈の理解なども要求されはするものの、ショートアニメならではの賑やかでユーモラスな雰囲気や気軽な視聴感などから、ぜひオススメしたいタイトルです。
原作の悲喜こもごもな展開がギャグとして昇華され、どのキャラクターも幸せそうに過ごしている…そんな光景に涙する古株のファンも多いのでは?
『くノ一ツバキの胸の内』
『からかい上手の高木さん』作者・山本崇一朗の新作もアニメ化!
連載開始からアニメ化まで、大きな話題と確かな人気を集めた作品はいくつも存在します。なかでも山本崇一朗『からかい上手の高木さん』は、2010年代後半にかけての流行が印象的でした。非常に多作な漫画家としても知られ、現在「高木さん」に加え、別の2作品も連載中です。
そんな連載中作品の中から、新たに映像化がスタートするのが『くノ一(くのいち)ツバキの胸の内』。「もうひとつの山本崇一朗ワールド」というキャッチコピーのもと展開される、男子禁制のくノ一コメディです。個性豊かなくノ一が集う忍者の里・あかね組での修行の日々や、掟を超えて生まれる異性への興味などを描いたコメディです。
原作者が、より自由なテンションで伸び伸びとした作劇を行っていきたい、という意図からも読み取れるように、気楽に楽しめる雰囲気の作品になることが予想されます。日常系作品が好きな方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回は「2022年の春アニメ」をテーマに、今期の作品をご紹介しました。全体的なラインナップを確認したところ、目立つのはシリアスなトーンの作品というより、コメディやユーモアに振り切った明るい作風のアニメでした。他にも『サマータイムレンダ』などのSFサスペンス作品もクレジットされており、そちらも見逃せないところです。春の陽気に合わせて、今シーズンはまったりとした雰囲気の作品を楽しんでみてはいかがでしょうか?