携帯電話の通信規格が「4G」から「5G」へと高速化する一方で、かつての「3G回線」はその役割を終えて停波へと向かいつつある。そこで問題となるのが、いわゆる「ガラケー」の乗り換え先だ。というのもガラケーは基本的に3G回線しか利用できないため、3Gが停波すると通話や通信ができなくなってしまうからだ。しかし、ご心配なく。各キャリアではそんなガラケー難民の受け皿として、3G停波後も使える「4Gケータイ」を用意している。今回は4Gケータイの基礎知識や疑問点などを紐解きつつ、ガラケーからの乗り換えにおすすめな最新モデルも紹介していく。

「3G」はいつまで使える?

現在、携帯電話で利用されている通信規格には複数の種類があるが、そのうちのひとつが「3Gサービス」だ。ただし、3Gサービスは携帯電話での利用を前提にした回線ということもあり、最大通信速度は最大42Mbpsとスマホが普及した今となっては力不足の感は否めない。

そこでキャリア各社が進めているのが、最大20Gbpsの通信速度を実現する「5Gサービス」の導入。だが、5Gの基地局整備には莫大なコストが掛かる。そこで利用者が減少し、もはや通信規格としては周回遅れとなった3G回線を停波させることで、そちらに掛かっていた維持費等を5Gサービスの整備&普及に当てようというわけだ。通信規格がさらなる高速化を目指すうえで、古い規格の廃止はやむを得ない措置だろう。

3G回線が使えるのは最長「2026年3月末」まで!

かくして、3G停波は国内キャリアでは既定路線となった。ドコモやau、ソフトバンク、Yモバイルといった3Gサービスを運営するキャリアすべてにおいて、すでに3G停波は告知済みだ。

ドコモ2026年3月31日
※一部エリアの2GHz帯の停波は
2022年1月より順次開始
au2022年3月31日(実施済み)
ソフトバンク2024年1月下旬
●3G停波の実施時期

大手3キャリアの3G停波の時期は上記のとおり。auは2022年3月31日に実施済みで、その翌々年となる2024年1月下旬にソフトバンク、最後に2026年3月31日にドコモが停波を実施する予定だ。

3Gサービスが停止すると、当然、3G回線しか使えないケータイやスマホは通話や通信が不可となる。つまり、3G専用ケータイ(ガラケー)や3G専用スマホのユーザーは、各キャリアの3G停波日より前に4G以降の通信方式にも対応した機種に乗り換える必要があるということだ。

3G終了でガラケーはなくなるの?

3G停波に関してよくある誤解だが、3G終了後の選択肢はスマホのみになるわけではない。現に、キャリアでは、ガラケーを踏襲した4G回線対応の携帯電話をすでに販売している。
こうした4G対応の携帯電話「4Gケータイ」は「ガラホ(ガラパゴススマートフォンの略)」とも呼称されるが、3G停波後も問題なく使うことができる。ガラケーと同じ「テンキー」もしっかり装備しているので、スマホのようなタッチパネル操作が苦手な人でも安心して利用できるはずだ。

画像: キャリアではガラケーに近い感覚で使える「4Gケータイ」を用意している。3G回線が停波して手持ちのガラケーが使えなくなったら、この4Gケータイへ乗り換えれば大丈夫だ。 jp.sharp

キャリアではガラケーに近い感覚で使える「4Gケータイ」を用意している。3G回線が停波して手持ちのガラケーが使えなくなったら、この4Gケータイへ乗り換えれば大丈夫だ。

jp.sharp

ただし、若干注意してほしいのが、4Gケータイはガラケーとまったく同じというわけではないという点だ。やや専門的な話になるが、ガラケーと4Gケータイとでは、ハードウェアを動作させるための「OS」と呼ばれる基幹ソフトウェアが異なっており、これが使い勝手や機能面での違いを生み出している。

画面構成やインターフェイスなど、全体的な操作感についてはガラケーを踏襲しているため違和感はないだろうが、機能面についてはケータイサイトやケータイアプリが使えないなど、ユーザーによっては看過できない違いもある。通話のほかにはメールやブラウザーを使えれば十分という人には支障ないだろうが、頭の片隅にでも「4Gケータイとガラケーはまったく同じではない」という認識は持っておいたほうがいいだろう。

4Gはいつまで使える?

現在、国内の携帯電話で使われている通信規格には、古い順に「3G・4G・5G」がある。3Gの次は4Gが停波すると考えるのももっともだが、とりあえず今のところは心配する必要はない。というのも、4G停波の時期はキャリアからなんのアナウンスもないからだ。

そもそも4Gは、ドコモが2010年に商用サービスを開始してからまだ12年ほどしか経過していない。3Gサービスが国内で約25年間も続いたことを考えると、すでに5Gが始まっていることを加味しても今後10年以内に停波するとは考えにくいだろう。

4Gケータイはいつまで利用できるのか?

前節でも触れたように、いまのところ4Gサービスの停波時期は未定のため、当面は4Gケータイが使えなくなることはない。

本来は4Gに加え、5Gにも対応した携帯電話があれば停波絡みの心配は減るだろうが、現状では5G回線に対応した携帯電話、すなわち「5Gケータイ」は存在しない。取り越し苦労とは思うが停波がどうしても気になるなら携帯電話は諦めて、5G回線に対応したスマホを選ぶほかない。

画像: 5G回線に対応した携帯電話は現在のところ、最新モデルのスマホのみとなる(画像はドコモ・Galaxy S22 SC-51C )。 www.docomo.ne.jp

5G回線に対応した携帯電話は現在のところ、最新モデルのスマホのみとなる(画像はドコモ・Galaxy S22 SC-51C )。

www.docomo.ne.jp

あるいは近い将来、5Gに対応した携帯電話が発売される可能性も皆無ではない。当面はそれまでのつなぎのつもりで3Gケータイや4Gケータイを使い続けて、5Gケータイが発売されたらそちらに乗り換えるのもアリだろう。



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