【ダイソー】使える?500円の「USB カップウォーマー」で飲み物の保温はどこまでできるのか?実際にやってみた

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筆者はデスクワークの合間に飲み物が冷めていくようすから、季節の推移を感じます。とはいえ、作業に集中しているときには、冷めた飲み物を台所に行って入れ直したり温め直すのはおっくうです。温かさをもう少し保つことができる道具はないかと思っていて見つけたのが、ダイソー「USBカップウォーマー」。そこでカップに入れたお茶を30分間放置したときの温度の推移を、本製品の有無でどう変わるか試してみました。デスクワークのパートナーになりえるのかどうか、以下で見ていきましょう。

執筆者のプロフィール

千秋(ちあき)

インドアな仕事をしながら、最近になってアウトドア・レジャーもいいなと思い始めたものの、本格的な登山をするほどではない「やわらかアウトドア」派。どちらかというとやや陰キャ。カメラ、コンピューター、デジタルガジェットも好きで、ネットショップ、ホームセンターあるいは百円ショップでも「安いけどお得な感じ」なものはないかと考えるのが好き。

ダイソー「USBカップウォーマー」とは

仕事中の飲み物の保温に使えるかな

ダイソー「USBカップウォーマー」。カップを本体に置くだけでスイッチが入り保温されます。

冬が始まりつつありますね。季節の推移を感じさせるひとつの目安だと筆者が感じているのは、飲み物や食べ物が冷めてしまう時間が短くなること。たとえば、筆者はこうした原稿書きのあいまのちょっとしたブレイクとしてコーヒーやお茶を入れます。

そうして入れた飲み物をデスクに置き忘れて作業をしていると、冬の夜などはあっという間に冷めてしまいます。冬の足音が聞こえてくるかのようだ、とにわかに詩的な気持ちになります。

詩的な表現を使いつつも、仕事中に飲み物を温め直したり、再度入れ直すのはおっくうだなあ、散文的に思うのですけどね。

157mm×125mm×35mmと公称値がパッケージに記載されているのですが、幅は約115mmであるように思えます。ケーブルの長さは約80mm。重さは約120g。キッチンスケールにサイズ感が似ています。

ダイソー「USBカップウォーマー」は、そんな冬の夜長の夜なべ仕事に役立つかもしれない。そう思って店頭で手に取りました。本製品はUSBから給電して飲み物を保温するためのもので、500円(税込550円)の商品です。

上面(ヒーター面)に描かれている円のなかに保温したい飲み物を置きます。「Caution Hot」(高温につき注意)と書かれているように使用後に円の部分はかなり熱くなるので、やけどに注意してください。

カップを置くと裏面にあるスイッチが入る仕組みになっています。色は白のみですが、デスクトップに置いていちばん無難な色です。筆者はMacintoshユーザーで白と銀色のパソコンとキーボードに囲まれていますので、筆者の環境に外観はうまく馴染みます。

本体裏面にスイッチがあります(赤丸の部分)。デスクに設置してカップを置くと重みでスイッチが押されて作動します。したがって、カップにはある程度の重さが必要です。

本製品は飲み物を保温して冷めにくくするための道具であり、加熱や沸騰させることを目的とはしていません。それでも、実際に使うとどのくらい保温できるのでしょう。

飲み物を入れるときとおいしく感じる「適温」とは

香りの強いものは100℃で飲むときは70℃前後か

ところで、この「USBカップウォーマー」を手にとってふと思いました。ふだん意識したことがなかったのですが、コーヒーやお茶を入れるときの適温や、おいしく飲むことができる温度をみなさんはご存知でしょうか。そこでまずは、「USBカップウォーマー」の実力を試すまえに、いろいろと調べてみました。

パソコンデスクに設置したところです。ケーブルは約80mmの長さがあるので、正面にUSB端子の設けられていないパソコンにも、たいていは使えるでしょう。

どうもさまざまな「流儀」があるようで門外漢の筆者は面食らうのですが、筆者が検索をかけてみると、コーヒーを入れるときの適温は、ペーパーフィルターでドリップするときには沸騰させたお湯を用いて、90℃〜95℃程度になるように。紅茶も沸騰させて、100℃に近い90℃から98℃で入れるなどという数字を見ます。ほうじ茶、玄米茶、番茶、あるいは紅茶の香りの濃いお茶は高温で、煎茶の場合は70〜80℃前後、玉露は50℃でじっくりと入れるのだそうです。

こうした入れるときの適温の話は飲み物の種類と好みにもよりますし、細かく調べるとそれだけで記事が成立しそうなほど奥が深いので、本稿ではこれ以上は触れません。興味のある方は時間のあるときに温度計で測ってみると、いろいろな発見がありそうです。

カップを置くと電源が入り、LEDが青く光って作動します。電源が自動的にオフになる仕組みなどはないので、使用するときのみUSB端子にさして使うのがいいでしょう。

いっぽう、飲むときにおいしさを感じる温度はどうでしょう。

これもいろいろと検索をかけた結果をまとめると、コーヒーは68〜70℃、紅茶もやはり70℃前後とみてよさそうです。

いっぽう、自動販売機のホット缶飲料は55℃前後に設定されているそうです。取り出すときや飲むときにやけどをしない温度ということでしょう。

これらを念頭に置いて実際に計測してみました。

温度の推移を「USBカップウォーマー」の有無で調べてみた

15分くらいから差が出る

30分間の飲み物の温度変化を確かめます。デジタル温度計をカップに入れ、iPhoneのストップウォッチで時間を測りながら温度をメモしていきました。まずは「USBカップウォーマー」を使わない場合。コースターなどの保温しそうなものも使わないようにしました。

ケトルでお湯を沸かしてティーサーバーに注いで3分程度待って紅茶を入れて、カップに注ぐ。その後30分間のあいだにどうやって紅茶が冷めていくか、そして「USBカップウォーマー」のありなしでどの程度の差がつくのかを、それぞれ3回ずつ試してみました。

室温は21℃〜23℃と温度計に表示されていましたが、パソコンのすぐ前に置いたのでその影響があったようです。すべてダイソーで購入した同一のマグカップを使っています。毎回使用後に水で洗ってカップの温度も冷ましています。

30分間も飲み物を放置することはふつうはしないとは思いますが、作業のあいまに入れたお茶を飲み忘れて「うっかり放置」することは、仕事中ならばあるのではないでしょうか。

20分台までは50℃あったのですが、30分を指したころには45.3℃に。

後述の表にあるように、どれもスタート時点の温度が70℃台後半から始まるのは、ティーサーバーとカップを事前に温めていないからです。来客用ではないと筆者はティーサーバーやカップが冷たいままでもいいや……と、手を抜くことをここでカミングアウトしてしまいました。

むしろ、沸騰したお湯の温度が数分でここまで下がることを、筆者としては興味深く思いました。

「USBカップウォーマー」を使った場合の温度変化を記録しているところ。

ふだんはここでさらに、紅茶でもコーヒーでも冷蔵庫から取り出して加温しないで冷たいままの牛乳を入れるので、温度はさらに冷えているはずです。意識したことはありませんが、筆者はプロフィール写真のように猫舌なのかな。

今回は写真の色合いにメリハリを求めたことと、温度を下げないために牛乳は入れず、ストレートティーのまま。ちなみに茶葉はティーパックのアールグレイです。

30分経過したときの温度は49.6℃と、50℃未満ではあっても50℃近い温度で保たれています。

カップに入れたデジタル温度計の温度の推移を5分ごとにグラフに記したのが以下です。

「USBカップウォーマー」を使わない場合の温度の推移。20分経過するあたりで50℃程度になり、それ以降は40℃台まで下がっていきます。
「USBカップウォーマー」を使用した場合。15分すぎまでは使用しない場合とあまり変わりませんが、20分経過しても50℃以上に保温され、30分後でも50℃近いままです。

20分放置した状態で50℃台まで温度が下がっていく過程は、「USBカップウォーマー」の有無にかかわらず同傾向にありますが、そのあとの冷め方がおだやかになるかどうかに差が現れています。

25分が経過すると「USBカップウォーマー」を使わない場合は40℃台まで冷めていますが、「USBカップウォーマー」を使うと30分後でも50℃程度に保たれています。

ここで前述の自動販売機でのホット缶飲料の話を思い出しました。55℃を基準に保温されているという件です。「USBカップウォーマー」には温度調節機能などはいっさいありませんが、缶飲料の保温の温度くらいをめざして設定されているのかな、などと想像しました。

また、飲んだ感じを確かめるための検温も別途行いました。それぞれの温度で飲んでみたところの筆者の感想が以下です。

70℃では確かにおいしく飲むことができますが、 カップ本体は熱く持ち手以外は握れません。65℃以上でもカップからはまだ熱さを感じます。飲みやすいのは筆者には65℃程度かも。65℃未満になると「冷めかけた」感じがしますが、60℃台ならばおいしく飲める。50℃台では「温かい」という感じで、やけどを心配することなく飲めます。そして50℃未満になるとはっきり「冷めている」感じです。

30分後にも50℃程度に保温してくれる「USBカップウォーマー」は、飲み物を保温する役割をりっぱに果たしているといっていいでしょう。

使用する電源とカップの材質や形状に注意

保温用とはいえかなりの熱を持つ

「2A以上のACアダプター」「底面が平らなもの」という注意書きがあります。

いままで見てきたように、本製品は飲み物の保温にはじゅうぶんに役立ちます。

ただし、いくつかの使用上の注意点があると筆者は思いました。

古い有線式のアップルMagic KeyboardにあるUSB端子に接続したところ、「USBアクセサリが無効です」という警告が出ました。電力消費量が原因だと書かれていますね。

まず、パッケージにもあるように2A以上の出力が可能な端子に接続すること。2Aという数字では大半の方にはわかりにくいと思いますが、たとえばモバイルバッテリーなら2Aの出力を持つものは「高出力」という分類になります。スマートフォンの急速充電ができるくらいのアンペア数が必要と理解すればわかりやすいでしょうか。

パソコンのUSB端子を利用するならば、パソコン本体の端子に直接つなげること。また、使用中はケーブルを束ねてはいけません。

本製品はパソコンにつないで使用することになると思いますが、そのさいにはパソコン本体のUSB端子に直接つなげることをおすすめします。ケーブルの長さは約80mmもありますから、USB端子が本体正面に設けられていないパソコンでも、よほど大きなケースを持つパソコンをデスクの下に設置しているというような状況ではなければ、足りるはず。

AC電源のある給電式(セルフパワー)のUSBハブに接続したところ。USBハブを利用するならば給電式のものを選びましょう。

もしUSBハブを利用するならば、ハブ自体にAC電源を用いる給電式(セルフパワー)の製品を選びましょう。なおかつ充電用の端子があるならばそれを利用すべきです。パソコンから給電されるバスパワーのUSBハブでは、おそらく電力容量不足になるはず。外付けHDDドライブなどと分岐させるのはHDDの動作が不安定になることが予想されるので、よろしくありません。

モバイルバッテリーで使うならば2A以上の製品が必要です。写真のモデルは2014年に購入した古い製品で1.5Aとあるので、十分には保温できないはずです。

モバイルバッテリーに接続する場合も、上記のように出力容量が2Aのものに。スマホ用の充電器でも同様です。

陶磁器で底面が平らなカップというのはそうとうめずらしい気がするのですが、どうでしょうか。写真はごくふつうに底面が凹んでいるマグカップ。

そして、もうひとつ重要なのが使用するカップの形状です。できるだけ底面が平らであるほうがいいでしょう。厚みがあり底面が大きく凹んでいるものでは、保温しづらいと思われます。ただ、底面が平らなカップは陶磁器製ではあまり見かけない気はします。

さらに、使用後の本体上面は触れられないほど熱くなっています。しばらくは素手で触れてはいけません。小さいお子さんのいるご家庭などでは、使用するときだけ机の上に出してかならず目を離さずにいること。そして、使い終わったら本体を冷まして、お子さんの手の届かないところにしまっておくほうがいいでしょう。

まとめ

冬の夜のデスクワークには便利に使えそう

今回は口の広いマグカップを使いましたが、口のもう少し狭いカップや厚みの薄いカップであれば、また結果はことなるかもしれません。

冷めてしまった飲み物を本格的に温め直すならば、台所に再び立って電子レンジを使うか、お湯を沸かすところから始めます。ただ、仕事中に作業にノッているときに台所に立つのは、ちょっとおっくうです。飲み物の「それほどの熱さがほしいわけではないけれど、もう少し温かいといいな」と思うことはありますよね。とくに冬の夜には。

「USBカップウォーマー」のパッケージには「デスクワークのパートナー」とうたわれています。冬の夜なべ仕事には本製品があると、冷めた飲み物を温め直すために台所に立って作業を中断することなく済むでしょう。デスクワークには、手元にあると便利そうです。

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千秋(編集ライター)

アウトドア・レジャーに興味を持ちつつも、本格的な登山をするほどではない「やわらかアウトドア」派。どちらかというとやや陰キャ。カメラ、コンピューター、デジタルガジェットも得意分野。ネットショップ、ホームセンターあるいは100円ショップでは「安くてお得な感じ」なモノはないかと考えるのが好き。

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