(※おすすめ1~4の番号は、順位を表わすものではありません。また、中古市場での価格は、原稿執筆時の一部情報です。)
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執筆者のプロフィール

吉森信哉(よしもり・しんや)
広島県庄原市生まれ。地元の県立高校卒業後、上京して東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)に入学。卒業後は専門学校時代の仲間と渋谷に自主ギャラリーを開設し、作品の創作と発表活動を行う。カメラメーカー系ギャラリーでも個展を開催。1990年より、カメラ誌などで、撮影・執筆活動を開始。ライフワークは、暮らしの中の花景色、奈良大和路、など。公益社団法人 日本写真家協会会員。カメラグランプリ2022選考委員。
〈おすすめ1〉
キヤノン EOS 5D Mark II

新設計の視野率約98%の高性能ファインダーを採用(EOS 5Dの視野率は約96%)。3種類のAFモードを備えたライブビュー撮影機能や、レンズ周辺光量補正機能など、撮影領域を拡げる機能を豊富に搭載。
飛躍的な高画素化と、現在でも通用する機能を搭載
35mm判フルサイズセンサーをいち早く採用した、キヤノン EOS 5D(2005年9月発売)。その後継モデルが本製品「EOS 5D Marl II」です。新開発の約2110万画素・フルサイズCMOSセンサーの採用により、さらなる高画質を実現しています。また、新世代の映像エンジン「DIGIC 4」の採用で、高画素で増大したデータも高速に処理することが可能。約3.9コマ/秒の高速連写や、約310枚の連続撮影可能枚数(ラージ/ファイン、ISO100撮影時)も実現しています。
有効画素数約1280万画素の「EOS 5D」は、それまで"一部のプロのための機材"という印象の強かったフルサイズセンサーを、一気に身近な存在にしてくれたモデルです。私も発売の翌年に購入しました。しかし、画素数を一気に2000万画素台まで到達させた「EOS 5D Marl II」のインパクトは大きくて、しばらくEOS 5Dを使い続けた私も、その魅力に抗えず、結局「EOS 5D Marl II」に買い替えました。
初代の「EOS 5D」は17年以上も前に発売されたカメラです。そのため、今のデジタルカメラでは当たり前になっている、ライブビューや動画撮影機能が搭載されていません。ですが、EOS 5Dのわずか3年後に発売された「EOS 5D Marl II」には、これらの機能がしっかり搭載されています。そういった今でも十分通用しそうな仕様や機能が「EOS 5D Marl II」の魅力です。
中古市場での「EOS 5D」の動向は…
14年以上も前に発売されたカメラなので、中古市場では程度の良い商品(SランクやAランク)は少ないでしょう。しかし、多少のキズや汚れはあっても実用上問題のないもの(Bランクなど)ならば、5万円以下で買える商品が多いようです。

2010年の夏には、キヤノン EOS 5D Marl IIを持って帰省。この写真は、地元の景勝地「帝釈峡」で撮影したもの。夏を象徴するようなシーンである。
キヤノン EOS 5D Mark II EF 50mm F1.4 USM 絞り優先オート F11 1/200秒 WB:太陽光 ISO100

昔から見慣れている、実家での“お盆の光景”。EOS 5D Mark IIボディ+広角ズームレンズ17-40mm。好きな組み合わせだった。
キヤノン EOS 5D Mark II EF 17-40mm F4 L USM(17mmで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/30秒 +0.7補正 WB:白色蛍光灯 ISO800
SPECS:Canon EOS 5D Mark II
形式:デジタル一眼レフレックスAF・AEカメラ 撮像センサー/有効画素数:35mm判フルサイズCMOSセンサー/約2110万画素 記録媒体:CFカードタイプ(I、II準拠、UDMA対応) ファインダー倍率/視野率:約0.71倍/約98% モニター:3.0型/約92万ドット ISO感度(拡張含む):50~25600 連続撮影速度:最高約3.9コマ/秒 サイズ(幅×高×奥)/質量:152×113.5×75mm/約810g(本体のみ) 発売年月:2008年11月 発売時の参考価格:30万円前後
〈おすすめ2〉
ニコン D40X

他社と比べると口径が小さめなニコンFマウント。そのぶん、交換レンズの鏡筒も全体的に細くなるが、小型軽量設計のD40Xボディとのバランスは良好。ここでは大口径広角レンズの「Ai Nikkor 24mm F2S」を装着。
高画素化されたエントリー機。古いMFレンズの受皿としても推奨
「ニコン D40X」は、有効1020万画素のCCDを採用するニコンDXフォーマット(APS-Cサイズ)のデジタル一眼レフです。エントリークラスに属する製品ですが、ミドルクラスモデル「D80」と同等の1020万画素の高画素CCDや画像処理エンジンを採用しています。そして、ベースモデルD40譲りの小型軽量ボディで、2.5コマ/秒から「3コマ/秒」に高速化された連写性能などを実現しています(連続撮影可能枚数はJPEG設定で100コマ)。
D40Xが発売された2007年や前後の年には、エントリークラスでも1000万画素台のモデルが登場しています。とはいえ、2007年にはペンタックス K-100D Superのような610万画素機も発売されています。そういう時期に発売されたエントリーモデルで「有効1020万画素のCCD」というのは、結構な高画素に感じられました。また、現在でも「1000万画素あれば、まあ良し」という気になります(個人的な印象ですが)。
ニコンは、1959年発売のニコン F(カメラ史に名を残す名機!)から、現在のデジタル一眼レフ(現行機種はD6、D850、D780、D7500)まで、レンズマウントの基本構造を変えていません。そのため、デジタル一眼レフで、フィルム時代の古いMFレンズを使用することもできます。古い部類の「非Aiレンズ」だと物理的に干渉するために装着できないボディも多いのですが、D40、D40X、D60(D40Xの後継モデル)などは干渉せずに装着できます。ですから、非Aiタイプも含めた古いMFレンズを活用する目的で、D40Xのような古めのエントリークラス機を探すのも良いかもしれませんね。
中古市場での「D40X」の動向は…
前出のキヤノン EOS 5D Mark IIより古い、16年近くも前に発売されたカメラです。そのため、中古市場ではBランクの商品が多いようです。そして、元々安価な製品なので、1万円台前半で買える商品を多数見かけます。

東京都北区にある「飛鳥山公園」。そこの名物になっている(?)、人魚姫像と都電車両。焦点距離24mmのレンズは、APS-Cサイズ機のD40Xだと36mm相当の画角になる。自然な遠近描写が得られる、スナップ撮影に適した組み合わせである。
ニコン D40X AI NIKKOR 24mm f/2S 絞り優先オート F4 1/200秒 WB:オート ISO100

AFタイプのマクロレンズで、小さな白い花をクローズアップ。MFによるピント合わせを行ったが、エントリークラス機ながらD40Xはファインダー像がクリア。だから、こういったMF撮影も結構快適。
ニコン D40X AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED 絞り優先オート F5.6 1/80秒 WB:オート ISO400
SPECS:Nikon D40X
形式:レンズ交換式一眼レフレックスタイプデジタルカメラ 撮像センサー/有効画素数:APS-Cサイズ原色CCD/1020万画素 記録媒体:SD,SDHC ファインダー倍率/視野率:約0.8倍/約95% モニター:2.5型/約23万ドット ISO感度(拡張含む):100~3200 連続撮影速度:約3コマ/秒 サイズ(幅×高×奥)/質量:約126×94×64mm/約495g(本体のみ) 発売年月:2007年3月 発売時の参考価格:8万円前後