15,000円で夢が手に入る!世界最大のカブトムシ「ヘラクレスオオカブトムシ」を大人買いした結果

レビュー

誰にでも子どもときからの夢があるでしょう。残念ながら、その大部分は叶わないわけです。ですが、先日筆者は「世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトムシ」を飼うという子どものときからの夢を叶えてみました。しかも費用は約1万5千円とかなりリーズナブル。その実際をお伝えします。

齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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ヘラクレスオオカブトムシを購入した理由

息子といっしょに昆虫専門店に行ったのがきっかけ

ヘラクレスオオカブトムシを購入した際に付属してきた水槽。現在はオスを単独で飼育するのに使っていますが、それほど大きな水槽ではありません。

 

我が家の息子が4歳になりまして、ダンゴムシを捕まえたり、トンボを捕ってくれとせがまれたり、そして当然、夏になればカブトムシやクワガタがほしいと騒ぐわけです。そこで筆者はインターネットを検索して、どこでカブトムシが買えるのかを調べました。

 

近所のホームセンターでも夏だけはカブトムシの生体を売っていたりはするのですが、いまいち生きが悪いというか、さほどやる気は感じないですし、世の中の一般的なカブトムシの価格ってヤツが知りたかったわけです。すると、近所のホームセンターよりも、専門店で購入した方がサイズの小さいものならば安いことが発覚。

個人的にはヘラクレスオオカブトムシは超かっこいいと思うのですが、同年代の男性に話したところ、あっさり「キモい」といわれたので個人差はあるのでしょう。

 

国産カブトムシがペアで1,000円程度で買えるうえに、海外産のクワガタやカブトムシも見ることができるので、息子を連れて専門店まで行ったわけです。このときに世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトムシ、正確にはヘラクレス・ヘラクレスもいたのですが、さすがにペアで15,000円〜という価格。

 

カブトムシを飼うのも数十年ぶり、しかも子どもの頃の記憶が正しければ、成虫になって数カ月、ものによっては突然死んでしまうことも珍しくないカブトムシに15,000円〜という金額は出せないと考え、息子と数種類の国産及び外国産のカブトムシとクワガタを購入して帰路についたわけです。

このときはヘラクレスオオカブトムシは買わないという判断をしたわけです。

 

このチャンスを逃したら、一生ヘラクレスオオカブトムシは飼えないと考えた

我が家に迎えたヘラクレスオオカブトムシのペアでの価格です。16,258円が絶対的に高いかよりもムシ2匹の値段として考えると……。

 

息子とクワガタ、カブトムシの専門店に行った際は、さすがに……と考えて、購入しなかったヘラクレスオオカブトムシ。ですが、現実問題15,000円は大人のホビーとして出せない金額ではないですし、まずは前回購入してきたカブトムシとクワガタを育ててみて、経験と自信が付いたら、次のシーズンはヘラクレスオオカブトムシを買おう(飼おう)などと思っていたわけです。

 

この時点で、すでにかなり世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトムシがかなりほしくなっているのですが、気になっていろいろ調べてみると、ヘラクレスオオカブトムシは寿命が長く半年から1年、長いものでは1年半近く生きるといいます。しかも、もっとも有名で、もっとも大きくなるカブトムシですが、比較的飼いやすく、繁殖の難しくないという情報も多いのです。

オスに比べるとどうしても地味なヘラクレスオオカブトムシのメス。しかし、かなり大ぶりですし、力強さを感じる動きをします。

 

現在4歳の息子、彼が来年の夏もカブトムシに興味をもつかは、まったくの未知数といえます。5歳の夏には、電車大好き小僧になっているかもしれないのです。すると、息子も喜ぶし、筆者も一度飼ってみたかったという言い訳が使えなくなります。こうなると、筆者はこの先の人生一度も世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトムシを飼うことなく、生きて行くことになるでしょう。

 

そして、筆者は決めたのです。「ヘラクレスオオカブトムシを買おう! 世界一大きなカブトムシであるヘラクレスオオカブトムシを飼ったことのある人生を選択しよう」そう考えました。それほどのことか?

 

実際に世界最大のカブトムシ・ヘラクレスオオカブトムシを買ってみた

小学生の私に教えてあげたい!「君はいまから40年後にヘラクレスを飼うよ」

我が家に迎えたペアを並べてみたところ。オスが124mm、メスが63.7mmですが、オスの体長の半分程度は大きく長い角なので胴体部分のサイズはあまり変わらない印象です。

 

ヘラクレスオオカブトムシを買うこと(飼うこと)を決断して、やることはほとんどありません。実際のところお金を用意することくらいなのです。

ちなみにヘラクレスオオカブトムシは筆者が購入したヘラクレス・ヘラクレスを代表にヘラクレスオオカブトムシには13種類の亜種がおり、それらの一部も日本国内で入手が可能だといいます。おそらく、ちょっとカブトしムシやクワガタに興味がある方なら知っているのがヘラクレス・リッキーでしょう。というか、筆者はそれ以外知りません。筆者のカブトムシやクワガタに対する知識はその程度だと思ってください。

 

また、購入を決断する際にもっとも重要なポイントは価格でしょう。おそらく筆者を含め多くの方にとって一生に一度の決断ですから。購入前にいろいろと価格を調べたのですが、もっとも参考になったのが「ヘラクレスオオカブト専門の飼育情報サイト ヘラクレス本舗」さんの「【2024年版】ヘラクレスオオカブトの値段っていくらが相場!?」(https://hercules-honpo.jp/hercules-price/)で、ショップでの価格はペアで120〜130mm15,000円前後、130〜140mm25,000円前後、140〜150mm35,000円前後、150〜155mm50,000円前後といったものです。当然より大きくなると、さらに価格は上がります。また、ネットオークションでは、これらのショップの半額程度で購入できるそうです。なお、ヘラクレスオオカブトムシの場合は有名血統というものもあり、こちらも当然お値段が高くなるといいます。

 

一生に一度の大きな決断としてヘラクレスオオカブトムシの購入を決めた筆者としては、当然もっともお安い120〜130mmのペアをターゲットとしました。だって実際に定規などで確認してほしいのですが、ヘラクレスオオカブトムシとしては小さいといっても12cmのカブトムシって、もう非常識に大きいのです。またペアでの購入を考えたのは、できることなら、息子といっしょに産卵→幼虫→羽化→成虫という過程を観察したいという野望もあります。

アップで撮影したヘラクレスオオカブトムシのオス。目の上の部分に毛が生えているのですが、それが髪の毛っぽくてなにかかわいくも感じます。

 

当然、できることなら安く済ませたいという気持ちはあるのですが、筆者はショップの半額が相場といわれるネットオークションではなく、ちょっと遠いですが実際に訪れることのできるショップでの購入を選択しました。理由はヘラクレスオオカブトムシが実際にどんな感じの動物なのか? どのくらい生命力が強いのか? また、虫業界? クワガタ・カブトムシ業界? の取引の常識がまったくわからないのです。結果、実店舗のあるショップで、その雰囲気を感じながら、ほかの陳列されたカブトムシやクワガタと見比べて購入したいと考えました。

 

また筆者の場合は、北海道在住ということもあり、予想以上に送料が高く、到着時の死亡保障などがない個人間のネットオークションは初心者にはリスクが高いという判断もあります。このあたりは、個々人の判断といったところでしょう。

 

これらの判断から筆者はクルマで片道1時間以上かけて、札幌にある専門店でオスが124mmのペアを14,780円(税別)で購入したのです。

 

ヘラクレスオオカブトムシを自宅にお迎えしてみて

毛の生えた長い角を側面からアップで撮影してみました。大きいだけではなく緩やかにカーブする長い角の造形なども本当にかっこいい!

時折「かっこいいなぁ」と眺める以外やることはほとんどない

さまざまな葛藤の末、我が家に世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトムシを迎えました。ショップから連れて帰ったら「なにをするの?」と思うでしょうが、実はやることはほとんどありません。

 

筆者がヘラクレスオオカブトムシのペアを購入したショップでは、ヘラクレスオオカブトムシのペアの価格に入っていた水槽の価格も込みになっており、そのまま持ち帰りました。なかに透明な仕切りが取り付けられる特殊な構造の水槽で、あとで調べたところ、クワカブ業界では有名なシーラケース社のクリアースライダー(ラージ)という商品。

 

意外に思う方も多いでしょうが、カブトムシやクワガタは交配時を除くと単独飼いが基本です。メスとオスも交配させるときしか、同じ水槽には入れないといいます。筆者が子どものときは、かなり、がちゃっとまとめて飼っていましたが、本気の大人飼いではそんなことはしないようです。そのためペアで販売されていた我が家のヘラクレスオオカブトムシもしっかりと仕切りで仕切られた個室が与えられた状態でした。

シーラケース社のクリアースライダーはすべてパーツが透明なので、写真のように上から眺めて悦には入ることも可能。さすがマニア向けの商品だと感心しました。

 

ただし、この個室には水槽の約2/3のスペースを与えられたオスのヘラクレスオオカブトムシの部屋にはエサの昆虫ゼリーがありません。約1/3のスペースを与えられたメスの部屋にはかなり大きな昆虫ゼリーが入れてあるのにです。しかもオスにはティッシュペーパーが掛けられています。

 

まったく知らなかったのですが、カブトムシやクワガタは羽化した後しばらく、内臓などの機能が整うまで一切食事をしないそうです。この期間が終わって食事をするようになることを「後食(こうしょく)」ごしょくと呼ばれることもあるといいます。種類や個体差によって後食までの期間は異なるそうです。筆者が購入したヘラクレスオオカブトムシのペアは、メスのほうが羽化が早く後食がはじまっており、オスは後食もはじまっていないのでエサをあげる必要もありません。

 

オスのティッシュペーパーが掛けてあったのは、内臓などが整って後食がはじまるタイミングになると激しく動き回るようになるので、掛けてあるティッシュペーパーが動きでズタボロになっていたら、それを確認してエサをあげはじめるためだといいます。

 

さらに購入時にサービスで付いてきたシーラケース社のクリアースライダー(ラージ)は、業界では有名な水槽、飼育ケースだけあって、フタまでがすべて透明なプラスチック製で、空気穴は0.2mm径超小型で空気は通すが小バエなどは通さず、その名のとおりスライド方式のフタは密閉率が高く、乾燥を防ぐための霧吹きなども最低限で済むというスグレモノ。

 

結果、買ってきてしばらくは、筆者のできることは、時折眺めては「かっこいいな〜」と思うくらいなのです。

 

ヘラクレスオオカブトムシを買った(飼った)ことに後悔は一切なし

我が家のオスとメスをかなり近づけてみましたが、お互いの興味はなさそうです。まだ、成熟していないのでしょう。今後に期待しています。

 

ペアリングから産卵、幼虫の孵化までいけるかが楽しみ

ヘラクレスオオカブトムシペアで約15,000円。世界一大きなカブトムシだとはいえ、飲み会2〜3回分の金額を虫につぎ込んだわけですが、それから約1週間経ったいまも筆者には一切後悔はありません。というか、自宅で原稿を書く仕事の合間などにも、その姿を眺めに行っては「かっこいいなぁ〜」と思っています。ある意味コストパフォーマンスはとても高いです。いいおじさんが、すでに1週間も眺めては喜んでいるのですから。

 

とはいえ、生きものなのでいつ死ぬかわからないというリスクはついてまわります。羽化から半年から1年、長いものでは1年半近く生きるそうですが、一般的な例なのでなんともいえないでしょう。ショップの方によるとクリアースライダー(ラージ)で後食が終わってもオス1頭なら飼えるというので、メスも同じサイズの水槽に移しました。ちなみにクリアースライダー(ラージ)のサイズは267(縦)×187(横)×159(高)mm。世界最大のカブトムシを飼うのに、さほどのスペースはいりません。この点も手軽です。

 

ただし、筆者の目標はペアリング(交尾)させて、産卵、孵化、幼虫を育てて、次の世代を生み出すこと。これをヘラクレスオオカブトムシで息子といっしょに体験したいのです。そのためには、後食をはじめてから3週間程度成熟させるのが基本らしいので、ここまでどちらかが死んでしまわないかとハラハラしています。いいおじさんがハラハラドキドキできるのもコストパフォーマンスの高さとも思っていますが……。

 

ペアリングや産卵、次世代まで行き着けるかは、現在のところまったくわかりませんが、すでに15,000円分以上に、おじさんは楽しんでおります。初期費用は安く、スペースもいらず、それほど世話も必要ないヘラクレスオオカブトムシ。一度は飼ってみたいと思っているならぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか。ただし、北海道在住の筆者はあまり気にしていないのですが、ヘラクレスオオカブトムシは意外と高温に弱いらしいので、ベストは23〜25度前後、30度を超えるとクーラーなどが必要になるので、この点には注意が必要だといいます。

 

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元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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