電気ケトル“Sマーク”って知ってる?「新基準」に対応したタイガー魔法瓶の安全な新ケトルとは?

レビュー

よく使う電気ケトル、今年8月から安全基準が厳しくなったのをご存知ですか?
具体的には「転倒した際のお湯の流出量が50mL以下である」※1という条件が追加され、クリアしていない製品の製造・輸入ができなくなりました。電気ケトルってそんなに危険なの? 何に気をつけて製品を選べばいい? タイガーの『新安全基準適合 電気ケトル新製品発表会』からレポートします。

 

※1 2021 年に『電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈についての一部を改正する通達』により、『電気用品安全法の技術基準の解釈別表第十二』に転倒流水試験が追加され、この基準※に準拠する電気ケトルは、2024年8月以降、同基準の転倒流水試験条件を満たさないと製品の製造・輸入ができなくなりました。※ J60335-2-15(2021)

電気ケトルの新安全基準

今や生活に欠かせない電気ケトルですが、便利な一方で転倒やお湯漏れによる子供の火傷も問題視されています。東京消防庁の資料によると、火傷で救急搬送されてくる0歳児の事故原因の1位は電気ケトルというデータがあるほか(表記はポット・魔法瓶)、タイガーが6歳以下の子供がいる家庭に行った調査では、電気ケトルで子供がやけどをしそうになった経験がある人のうち、電気ケトルの転倒が原因だった人が48.7%いることがわかりました(タイガー魔法瓶「電気ケトルの新安全基準に関する意識調査」より引用)。
東京消防庁がインターネットで公開しているデータ。赤い数字が原因の1位であることを示している
しかし安全対策がされていない製品は意外に多く、令和5年に東京都生活文化スポーツ局が実地した転倒流水試験では、9製品中6製品で「半分以上のお湯がこぼれた」という結果に。このままでは大きな事故や火傷がいつまでも防げないということで、今回の新基準につながったのです。
タイガーでは2008年発売の初代電気ケトルから安全性に取り組んでいて、すべての機種に転倒お湯もれ防止構造を搭載しているとのこと。転倒お湯もれ防止構造以外にも、蒸気による火傷を防止する蒸気レス、本体を触っても熱く感じにくい本体二重構など、安全に配慮した技術がいくつも盛り込まれています。仕組みがおもしろかったので少し紹介しましょう。

転倒お湯もれ防止構造の仕組み

下の写真は、水が満水まで入った電気ケトルが転倒したときの断面図です。ケトルの注ぎ口が、水面よりも上になっているのがわかるでしょうか。ケトルが倒れると注ぎ口が必ず上を向く設計になっているため、満水の状態でも出口が水面より高くなり、お湯がこぼれない構造になっているそう。こういう仕組みなんだとわかると、安心度が違いますね。
製品の重量バランスと容量設計で生まれた独自構造

蒸気レスの構造

蒸気はお湯に比べて高温で、少し触れるだけでも大きな火傷に繋がります。タイガーの蒸気レスモデルは、発生した蒸気が迷路のようなジグザグの経路を通るように設計され、通過する間に蒸気が冷やされて水滴になる仕組みになっています。
また、蒸気出口を1箇所に集約した特殊構造により、蒸気の出始めを素早く検知できるのもポイント。余計な蒸気が発生する前に電源をオフにして、発生量を最小限に止めることが可能になりました。
取手部分の検知センサーまで蒸気を最短経路で誘導し、素早い検知が可能に
素早く検知できるということは沸き上がりも速くなるということで、この技術はスピード沸とうにも貢献。他製品がカップ1杯(140CC)の沸騰に約60秒〜90秒かかるところ50秒台でお湯を沸かすので、忙しい朝にも重宝します。
底面のステンレスに直接ヒーターを印刷した「プリントヒーター」搭載の機種では、140 CC約45秒という業界最速※2のスピード沸とうが実現。
※2 2024年7月31日現在、日本国内で販売されている家庭用電気ケトルの各社公表資料(自社調査)の範囲において

使い勝手にもこだわりの工夫が

使い勝手でいいなと思ったのが「ドリップロジック構造」です。三角の注ぎ口がお湯の流れを整えてきれいなラインを描くから、狙ったところにお湯を注げてとても便利。周囲へお湯が飛び散るのを抑えるほか、コーヒーのドリップもスムーズに行えます。派手ではないけど、使用者に寄り添った嬉しい特徴です。
左が他社製品、右がタイガー製品で注いだお湯のライン。右の方がまっすぐで細い線を描いている
この9月には、蒸気レスモデル2種類(PCV型/PTV型)とエントリーモデル1種類(PCS型)の新製品が登場しました。蒸気レスモデルは、転倒お湯もれ防止、蒸気レス、本体二重構造など、火傷事故ゼロを目指した機能を搭載し、小さな子供や高齢者のいる家庭でも安心して使える製品となっています。
0.6Lから1.2Lまでサイズ展開も豊富なPCV型
蒸気レス電気ケトル<QUICK & SAFE+>
左から
【容量】0.6L 【品番】PCV-A060
【容量】0.8L 【品番】PCV-A080
【容量】1.0L 【品番】PCV-A100
【容量】1.2L 【品番】PCV-A120(画像内にはありません)
ダイヤルスイッチで6段階の温度調節ができるPTV型
蒸気レス電気ケトル(温度調節機能つき)<QUICK&SAFE+>
左から
【容量】0.8L 【品番】PTV-A080
【容量】1.2L 【品番】PTV-A120
大人のみの世帯を想定したエントリーモデルは、基本の安全機能(転倒お湯もれ防止、省スチーム設計)がついている高コスパ機種。タイガー史上最軽量のコンパクトボディにスピード沸とうやドリップロジック構造を搭載し、置きやすく使いやすい一台になっています。
便利な機能をギュッと詰め込んだお手頃なPCS型
電気ケトル<QUICK&SAFE+>
【容量】0.8L 【品番】PCS-A080
【容量】1.0L 【品番】PCS-A100

安全に使える電気ケトルへ

ケトルを選ぶ時はデザインやコスパに気を取られがちでしたが、安心かつスマートに使うためには、安全性も大事だと改めて思いました。なお、今回の基準を満たしていない製品も、8月以前に製造されたものであれば継続して販売されます。安全基準をクリアしている商品は「Sマーク」を取得しているので、買う前にチェックしてみてくださいね。
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レビュー家電・AV調理家電
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諏訪圭伊子(フリーライター)

家電に携わって30余年のアラフィフライター。月刊『特選街』であらゆる家電を詳しくレビューした「我ら!家電体験隊。」の連載を長年担当。様々な家電メーカーの新製品発表会に参加し、最新の情報収集を行う。プライベートでは仕事と家事を切り盛りする2児の母。ママ友に情報を共有するような親しみやすさをモットーに、その家電が暮らしにどう生きるかをイメージできるような、具体的で丁寧な解説を目指している。

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