牛乳は無調整の方がヘルシー。豆乳も同様に「無調整豆乳」の方がヘルシーなのですが、無調整だと味の面で厳しかった無調整豆乳界隈。しかし近年は企業努力でだいぶおいしく飲めるように。そこでスーパーで見かけるキッコーマン『おいしい無調整豆乳』とマルサンアイ『毎日おいしい無調整豆乳』を飲み比べてみました。
調製豆乳と無調整豆乳の違い
古くは1980年代にコレステロール・ゼロというメリットが注目され、一躍ブームとなった豆乳。当時は大豆独特の青臭さ・えぐみが強く、そのままだと飲めない状態で、調製豆乳が基本でした。
調製豆乳とは、砂糖などを添加して飲みやすく味を変更しているもの。ヘルシーだけど、ちょっとばかりマイナスイメージがあります。一方無調整豆乳は、大豆固形分が8%以上(大豆たんぱく質換算3.8%以上)で、余計な添加物が含まれていないもの。豆乳自体の製法などを見直すことでおいしさを追求しているので、ヘルシー度はマシマシです。
ヘルシーでおしゃれイメージのミルクとして普及〜13年連続で豆乳の消費量は過去最高
その後、2,000年代とともに訪れたのは、カフェラテの牛乳の代わりに豆乳を使ってヘルシーに仕上げた「ソイラテ」をスターバックスコーヒーが提供し始めたところからおしゃれミルクとして、カフェ系での豆乳使用率が拡大したことで再びブームに。同時に豆乳に含まれる「大豆イソフラボン」の健康効果も注目を浴びました。
2011年以降は、キッコーマンソイフーズ(旧・紀文)がさながらサーティワンアイスクリームのように、種々さまざまなフレーバーの豆乳飲料を展開することで、コンビニのドリンクコーナーなどの棚を賑わし続けて市民権を得ていきました。近年はヴィーガンやプラントベース志向、SDGsなどの多彩な理由で、お料理に豆乳を使うレシピも珍しくなくなりました。
そうした各メーカーのたゆまぬ努力が結実して、豆乳消費量は2011年から2023年まで、13年連続で豆乳の消費量は過去最高を更新しています。さらに最近は無調整豆乳なのにおいしく飲めると打ち出している製品も少なくありません。今回はその中で、スーパーマーケットの店頭でよく見かける「おいしい無調整豆乳」2品を飲み比べてみます。
キッコーマン「おいしい無調整豆乳」を飲んでみた!
紀文ブランド時代から慣れ親しんできた、キッコーマンの豆乳飲料シリーズ。中でも「麦芽コーヒー」はどれだけの歳月飲み続けているかわからないくらい。そんなキッコーマンが生み出したのが、カナダ産/アメリカ産の大豆と水しか使わずに作った『おいしい無調整豆乳』(1,000ml紙パック・参考価格 税込約200円・発売中)です。
数年前に始めて飲んだとき、無調整でこんなにおいしくできるんだと強い衝撃を受けました。今回改めて飲んでみても、低脂肪牛乳とそれほど変わらない飲みやすさと、豆乳のすっきりしたおいしさとコク・自然な甘みが両立しており、牛乳からのスイッチ組も自然に導入しやすいミルキー感があります。
その秘密の1つは、「スーパー・チリング製法」。大豆への熱ダメージを最低限にすることで大豆臭を抑えることに成功したそう。
このすっきりしつつコクがあるという特徴は、ソイラテにも最適。コーヒーメニューなのにヘルシーな味わいを演出したいならこれかも。イソフラボン含有量は、100mlあたり29mg。
マルサンアイ『毎日おいしい無調整豆乳』を飲んでみた!
豆乳と味噌で知られる愛知県の老舗メーカー・マルサンアイによる『毎日おいしい無調整豆乳』(1,000ml紙パック・参考価格 税込260円・発売中)は、カナダ産大豆と水のみを使用して、大豆本来の味わいを活かしたすっきりさが特徴で、プラントベースならではの大地の滋養感あふれる味わいです。
豆乳を飲み慣れている人、大豆自体が好きな人にとっては、こちらの方が自然な味わいかも。醤油、味噌、きな粉、納豆、豆腐、ゆばなどの和食で育って、大好きな人ならわかる大豆本来の旨味とコク。イソフラボン含有量が51mg(100mlあたり)とかなり多めで、ヘルシーさに強みあり。
あと近年増加している豆乳使用レシピではすっきりしたコクと大豆風味を料理に加えられるところが使いやすいかもしれません。
牛乳からの移行がしやすいキッコーマン、大豆ならではのおいしさを楽しむためのマルサンアイ
牛乳生活から、健康のために切り替えたいという豆乳に免疫のない人なら、キッコーマン『おいしい無調整豆乳』がおすすめ。普段から低脂肪牛乳を飲んでいる人なら、これといった努力無しで自然に「おいしい」と感じて、ヘルシーに移行できるはず。
一方、大豆由来なことをむしろ押し出しているのが、マルサンアイ『毎日おいしい無調整豆乳』。大豆大国ニッポンならではの大豆のおいしさを知る人にとっては、おいしい大豆風味をしっかりと残すこの味わいが自然なのではないでしょうか。