カフェやコワーキングスペースで感じる孤独感!イヤーファン『エア プロ4』のマイナス50dBのノイズキャンセリング性能はちょっと怖い!?

レビュー

アクティブノイズキャンセリング(ANC)していますか? 筆者はすでにANCなしでは仕事にならないレベルの依存具合です。ですが、ヘッドホンが暑いので、強力なANCを搭載したイヤホンを探していたところ、−50dBを実現するイヤーファン『エア プロ(EarFun Air Pro)4』を発見、いざ検証してみました。

アクティブノイズキャンセリング(ANC)とは?

びっくりするくらい周囲の音が消えるANC

「EarFun Air Pro 4」はかなりしっかりと梱包されています。筆者は光沢ホワイトを選択しましたが、カラーリングも5種類用意されています

いまから四半世紀前、2000年前後に民生用として登場したといわれるアクティブノイズキャンセリング(以下、ANC)。消したい音の波と真逆の形(逆位相)の波を発生させ、お互いを打ち消すことで、聞きたい音のみを伝わるようする技術です。

筆者は2010年前後に飛行機による出張が増え、フライト中の雑音を軽減するために、購入したのが、はじめてのANCでした。技術的な問題なのでしょうが、確かに効果はあるのですが、ヘッドホン自体が大きかったり、電池の消費量が大きかったりで、さほど愛用はしなかった印象です。

そこから、さらに15年後の現在、筆者は再びANCを使いはじめたのですが、15年の技術の進歩はすさまじく、筆者が愛用しているANC搭載のヘッドホンは装着すると、スタバなどのカフェで、原稿を書いているときに周りの音がほとんど気にならないレベルに減少します。

「EarFun Air Pro 4」の同梱品など。低価格ながら大きさの違うイヤーピースが複数個付属している点や充電用のケーブルも付属しているのはうれしいところです

ただし、季節的な問題でもあるのですが、お気に入りのANC搭載のヘッドホンをしていると暑いのです。そして、どこにでも持ち歩くには、耳全体を覆うヘッドホンは音はよいけど大きすぎるという問題があります。

そこで、コストパフォーマンスが高く、ANCの効果が高いイヤホンを筆者は探してみました。周りの音を減少させて仕事に集中させてくれ、持ち歩きに便利で、装着しても暑くないことが優先事項です。

−50dBを実現する「EarFun Air Pro 4」とは?

日本国内最大級のオーディオアワードの「VGA 2025」コスパ大賞

イヤホン本体と充電ケース。イヤホン単体でANCオンで最大7.5時間、オフなら最大11時間の再生が可能です

とにかく、ノイズキャンセリング効果が高く、耳を覆わないイヤホンタイプのアイテムを探していた筆者。「最強 ノイズキャンセリング イヤホン」などでインターネットを検索して、該当する記事などを読んでいたのですが、高評価の商品は基本的に高価。

1万円台はリーズナブルなほうで、3万円を超える製品も珍しくありません。きっと趣味で音楽を毎日楽しむとかならよいのでしょうが、筆者は基本的にノイズキャンセリングがほしいわけです。

しかも、聞くのは雨音や小鳥のさえずりといった自然音がメイン。さらにズボラなせいか、かなりよくイヤホンをなくしたり、壊したりするので1万円以上の製品は選択したくありません。

そんななか、気になったのがEarFunです。はっきりいうと、聞いたこともないメーカーでした。しかし、1万円を切る価格の『EarFun Air Pro 4』(実勢価格9,990円程度※編集部調べ)が時折ネット記事のランキングに入っており、評判も悪くない。

EarFun Japan公式サイト。ほかのメディアの記事やVGPでの受賞などがなければ、公式サイトの情報だけではちょっと不安に思ったかもしれません

さらには、日本国内最大級のオーディオアワードの「VGA 2025」コスパ大賞を獲得しています。気になり、公式ホームページでスペックの詳細を確認するとEarFun独自の「QuietSmart 3.0」・ハイブリッド・アダプティブ式ノイズキャンセリング機能で最大50dBのノイズを低減するといいます。

普段使っているヘッドホンは40dB前半ですから、約10dBほどANCの効果が高くなっています。音質に特別なこだわりはないものの、ロスレス・ハイレゾ音源を楽しめるLDACを搭載していたり、2台のデバイスに接続するマルチポイント対応であったり、イヤホン単体で最大11時間再生、ANCオンでも最大7.5時間再生、充電ケースの電源を使えば最大52時間再生と電源まわりも強力であったりします。

また、多くのコメントなどが特別に音の質にこだわるのでなければ、十分以上の音質で、強力なANCを搭載するコストパフォーマンスの高いモデルとして「EarFun Air Pro 4」を評価している点も現実的で好感を持ちました。その結果「EarFun Air Pro 4」を実際に試してみたわけです。

スタバで向かいに座っている人の通話音声すら、ほぼ消える

目の前の風景がVRやはめ込み合成のように感じるのが怖い

イヤホン片側で約5gしかありません。これまではANCヘッドホンを使っていた筆者にとっては驚くほど軽く、しかもとても涼しいのです

期待する性能のメインは、ほとんどANCという状態で導入した「EarFun Air Pro 4」。筆者は光沢ホワイトを選択しました。ほかにはブラック、ネイビー、シルバーホワイト、パープルが用意されています。

到着した「EarFun Air Pro 4」を開封すると、充電ケースが想像以上に小さいのにも驚きました。約6.2cm×4.7cm×2.9cm、重さはイヤホンの両側込みで約56gです。またイヤホン本体は片側約5gしかありません。

また、ひとつ懸念していたのは「EarFun Air Pro 4」がいわゆるカナル型であること。筆者は耳の穴の形状などの問題なのか、カナル型のイヤホンがあまり好きではありません。ものによっては装着時に痛みを感じてしまうのです。

EarFun製品用の専用アプリ「EarFun Audio」。想像していた以上に多機能で感心しました

ですが「EarFun Air Pro 4」の場合は、同梱されていたイヤーピースのなかから小型のものを選択して、付け替えることで、さほど違和感なく使用できています。ただし、長時間使用すると、耳の穴が圧迫されるような違和感を感じるのは、いつもどおりです。

こんなに小さなイヤホンで、本当に−50dBのノイズキャンセリング効果が得られるのか、と不安に感じながら、いつも原稿を書いているスタバに行き、電源の設置された大きなテーブルにノートパソコンなどを設置して座ります。

そして「EarFun Air Pro 4」を装着し、音楽を流しはじめました。音楽といっても筆者の場合、原稿を書いているときは、どうも脳の中の言語野が刺激される気がして、ほとんど水の流れや雨音、鳥の鳴き声といった自然音を聞いています。

「EarFun Air Pro 4」の設定などの操作は左右のイヤホンそれぞれに1つずつ配置された丸いボタンで行います。操作は思った以上に快適です

ノイズキャンセリングをオンにして、この自然音を再生すると、ほとんどスタバが無音化するのです。さすがにランダムなノイズであるスタッフの「いらっしゃいませ」といった声はうっすら聞こえるものの、テーブルの向かいで、おそらく小声で打ち合わせの電話を掛けている異国の方は口パク状態です。

店内のBGMなどもほぼ消えてしまうので、自分の耳元で響く熱帯雨林の音以外が聞こえず、サイレンスに近い状態でほかのお客さんの様子を眺めている状態になります。そのため、現実の光景がVRや大型の高精細モニターに合成されているように感じる始末です。

また、より強い違和感が発生するのが、トイレなどに立つときです。ノイズキャンセリングを切り忘れて、オンのままで歩きはじめてしまいます。すると、まわりの音が聞こえない状態で、歩くことに不安を覚えるのです。思っている以上に、動くときには周囲の音を判断材料にしていることがわかりました。

専用アプリ「EarFun Audio」を使えば「ノーマルモード」「外音取込モード」「ノイキャンモード」だけでなく、さらに詳細な設定が行えます

なお「EarFun Air Pro 4」には外音取り込みモードも搭載されていますが、筆者はこれを使うくらいなら、イヤホンを外してしまいます。そのため、基本ノイズキャンセリングオンで「EarFun Air Pro 4」を使用している筆者は、電車やバス、飛行機などで座っているときを除くと移動時に使用する気は起きません。

自分で歩いたり、動いたりするときには、外部の音がそのまま聞こえるオープンイヤータイプのイヤホンを選択します。そのくらい「EarFun Air Pro 4」でのノイズキャンセリングオン+音楽は没入感が強く、周りの音が聞こえなくなります。

電車の音のノイズキャンセリングレベルが低いといった評価も目にしたので、どれくらいノイズがキャンセリングされるか不安だった「EarFun Air Pro 4」ですが、完全に期待以上、カフェでの仕事への没入感が、さらにワンレベル上がった印象です。

「EarFun Air Pro 4」はデュアルデバイス接続に対応しているので、筆者はノートパソコンとスマートフォンの両方に接続して使っています

ただし、筆者は状況や季節によって、ノイズキャンセリングヘッドホンと併用する予定です。なぜなら6時間以上もノイズキャンセリングイヤホンやヘッドホンをしたまま、カフェで原稿を書き続けていることが珍しくない筆者は、やはりカナル型のイヤホンだと、耳に軽い痛みを感じることがあるのです。

そのため、涼しい季節になったら、荷物に余裕があるなら、耳に優しいヘッドホンに戻るのもいいかと感じています。その際には同じEarFunのノイズキャンセリングヘッドホン「EarFun Tune Pro」も試してみたいと考えるくらい「EarFun Air Pro 4」が気に入っています。

最上級のサウンドを求める方には、少し物足りないようですが、普通の人が普段音楽を聴いて、さまざまな場所でANCの恩恵を受けるには、コストパフォーマンスの高いEarFunは選択肢のひとつとして十分な性能を感じました。チャンスがあれば、ぜひ試してみてください。

製品サンプル提供●イヤーファン

公式サイト

Amazon販売ページ

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。

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