「SIMフリールーター」って何だ? 読者の”気になる疑問”にプロが回答!

Android

2年縛りの疑問
格安SIMも2年ごとに切り替えたらお得なの?

Q
スマホは2年ごとに乗り替えたほうがお得とよく聞きますが、格安SIMも2年ごとに切り替えたほうがいいということがあるのでしょうか?(Y・Mさん 広島県 41歳)

A
格安SIMを切り替えるタイミングの話ですね。これはフリーライターの福多利夫さんに聞いてみましょう。そもそも、なぜスマホは2年ごとに乗り替えたほうがお得といわれているのでしょうか?

福多
スマホを2年ごとに乗り替えるとお得というのは、大手キャリアの違約金と乗り替えキャッシュバックに関連しています。大手キャリアの契約は、多くの場合「2年縛り」というのがあって、2年ごとに訪れる契約月以外で解約すると違約金が発生します。

また、かつては各社とも契約者獲得のためにキャリアの乗り替えをしたユーザーに、高額なキャッシュバックを行うキャンペーンを連発していました。そのため、2年ごとに訪れる違約金が発生しない月に、MNP(番号持ち運び)制度を使って電話番号を維持したまま他社に乗り替えると、端末は新品になって、高額なキャッシュバックまでもらえたというわけです」

──新規ユーザー向けの料金割引とかもありましたね。

福多
そうなんです。でも、現在は高額キャッシュバックは禁止されています。それに格安SIMは縛りが緩く、違約金が発生するという縛りがない業者や、契約初月から1年経過すれば、それ以降、いつ解約しても違約金が発生しないという業者がほとんどです。なので、格安SIMに関しては、「2年ごとに乗り替えたほうが得」ということはありません。

また、大手キャリアの場合、新しい端末を購入すると「月々割」などの購入補助割引が24ヵ月前後適用されるので、これが切れる2年ごとに機種変更すると、トータル的には安く最新端末を持ち続けることができることになるので、総合的に得だという考え方もあります。しかしこれも、格安SIMと組み合わせるSIMフリー端末には購入補助割引がないわけで、2年ごとに買い替えるより、壊れるまで使い続けるほうがトータルでは安上がりになるといえます。

──格安スマホや格安SIMは、乗り替えや端末の買い替えをしないで、ずっと使い続けるほどお得になるということですね!

SIMフリーの新顔
SIMフリールーターの仕組みと長所・短所は?

Q
SIMフリールーターに興味があります。これは、回線契約なしで買えるらしいのですが、どのような仕組みになっているのでしょうか? メリットとデメリットを教えてください。(H・Iさん 大阪府 51歳)

A
これも福多さんに聞きましょう。SIMフリースマホは有名になりましたが、SIMフリールーターは、まだ珍しいですね。

福多
スマホのテザリング(他の端末をネットに接続させる機能)が認知されるようになり、モバイルルーター自体のニーズがあまり高くなっていないこともありますし、SIMフリールーターの製品数が少ないせいもあるかもしれません。

SIMフリールーターとは、どこのキャリアのSIMカードを挿しても使えるルーターのことで、販売時にはSIMカードは付属していません。そのため、回線契約は不要ですが、SIMフリールーターを買っただけでは通信はできず、そのルーターの通信規格に合ったSIMカードを挿さなければならないわけです。

国内で販売されているSIMフリールーターの大半は、ドコモのLTE回線に対応しているので、別途ドコモの回線を借りているMVNO(※)の格安SIMを用意するのが一般的です。

※MVNO=仮想移動体通信事業者。通信基盤をほかの通信事業者から借り受けて通信サービスを行う企業のこと。最近では、格安SIMや格安スマホの会社をひとくくりに「MVNO」と呼ぶことが多い。

──一般的な格安SIMの大半が使えるわけですね

福多
そうです。ルーターは音声通話をしないので、データ通信専用のSIMでOKです。

大手業者のルーター、例えばUQ WiMAXのルーターと比較した場合、SIMフリールーターのメリットは、通信料金です。UQのルーターは月額料金が3000円弱かかりますが、データ通信専用の格安SIMは、例えばIIJmioの場合、月額料金が1000円弱です。データ容量無制限のUQに比べると、データ通信量は3Gバイトまでという制限がありますが、そもそも月間通信量が少ないライトユーザーなら、かなりの節約になります。

デメリットは遅いこと。格安SIMの通信速度は、本家のドコモ回線よりかなり遅いです。ドコモやUQで100Mbpsが出ていても、格安SIMだと20Mbps程度ということも珍しくありません。

──データ容量が少なくて遅いけど、月額料金は安い。このあたりの違いを理解して使えばいいですね。ありがとうございました!

スポンサーリンク
AndroidiPhone知識
シェアする
特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

特選街web編集部をフォローする
特選街web

PR

【ドライブ中に純正ナビでテレビ視聴!】データシステム・テレビキットシリーズから最新車種対応のカー用品『TTV443』が登場!
長時間のドライブで同乗者に快適な時間を過ごしてもらうには、車内でテレビや動画を視聴できるエンタメ機能が欠かせない。しかし、純正のカーナビは、走行中にテレビの視聴やナビ操作ができないように機能制限がかけられているのがデフォルト……。そんな純正...

PRガジェット