【パソコンの動作が不安定】HDDのアクセスランプ つきっぱなしや点灯フリーズ PCの不調と寿命を診断する方法

Windows

パソコンを使い続けていると、突然動作が不安定になることがある。例えば、HDDのアクセスが止まらなくなったり、パソコンが不意にフリーズ状態に陥ったりなど、トラブルの内容は千差万別といった具合で、どこから手を付けたらいいのか途方に暮れてしまうことだろう。ここでは、そんなときにきっと役立つ便利ワザやおすすめの対策を紹介する。原因がある単なる不調なのか、それとも寿命なのか故障なのかの判断になれば幸いだ。【2019年1月8日更新】

対策(1)「デバイスのパフォーマンスと正常性」でシステム状態を確認

▶対応OS:Windows10

パソコンの調子が悪くなったときは、まず「Windows Defenderセキュリティセンター」を見てみよう。アンチウイルスやファイアウォールなどのセキュリティ対策に加え、パソコンの動作に問題がないかどうか、総合的なシステム状態もチェックできる。

参照できる項目は、基本的には「記憶域容量」と「デバイスドライバー」「アプリとソフトウェア」の3点。加えて、ノートパソコンやタブレットなど、バッテリーを搭載したデバイスの場合は「バッテリーの寿命」も利用できる。

これらのシステムに問題がある場合は、項目名に黄色の「!」マークが表示される。項目右端にある「V」アイコンをクリックすると不具合の原因と具体的な対策が示されるので、画面の指示に従って処置を進めていこう。うまくいけば不具合を改善できるはずだ。

「Windows Defenderセキュリティセンター」を起動

まずスタートメニューから「Windows Defenderセキュリティセンター」をクリック。画面が開いたらサイドメニューから「デバイスのパフォーマンスと正常性」を開こう。

「デバイスのパフォーマンスと正常性」をチェック

「状態レポート」として、記憶域容量やデバイスドライバーなどのシステム状態を掲載。正常な場合は各システム項目に緑色のチェックマーク、不具合がある場合は黄色の「!」マークが表示される。

もし「!」マークが出ていたら、項目名右端の「V」アイコンから不具合の詳細と対策をチェックしよう。画面の指示に従って不具合を解消していけば、パソコンの不調を改善できる場合もある。

対策(2)「タスクマネージャー」で不具合の原因を探る

対応OS▶Windows10/8.1/7

処理の重いパソコン作業をしているわけでもないのにHDDのアクセスが止まらないと、不安な気分にさせられる。OSの基本動作に欠かせない「システムアプリ」がバックグランドで動作していることが原因の場合もあるが、ときにはどうしても理由がわからないこともあるだろう。

それにHDDのアクセス負荷があまりに高くなるとパソコンの動作が不安定になり、最悪のケースでは、パソコンが操作をまったく受け付けない「フリーズ」現象に追い込まれる可能性もある。

原因不明なアクセスの正体を探るには、タスクバーの右クリック→「タスクマネージャー」を利用するのが手っ取り早い。というのも、タスクマネージャーのプロセス画面にある「ディスク」の項目では、HDDにアクセス中のアプリを一覧表示でチェックできるからだ。

もし見覚えないアプリのアクセス負荷があまりに高い場合は要注意。特に必要ないアプリなら思い切ってアンインストールするのも手だ。

「タスクマネージャー」でHDDアクセスをチェック

HDDにアクセスしているアプリは、プロセス画面の「ディスク」項目でリアルタイムでチェック可能だ。

見覚えがなかったり、特に必要のないアプリだったら「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」からアンインストールしておいたほうが無難だ。

対策(3)「信頼性モニター」を使って不具合を特定する

対応OS▶Windows10/8.1/7

画面の乱れやサウンドの不調など、ユーザーを悩ます数々のパソコントラブル。そんな不具合の中でも、原因を特定できない現象ほどやっかいなものはない。

もはやお手上げとさじを投げる前に、試してほしいのが「信頼性モニター」。ここではアプリのインストール状況や「Windows Update」の更新履歴など、パソコンに加えられた変更を逐一記録。システム安定度の推移を折れ線グラフで示してくれるほか、エラーの発生日時もしっかり保存している。

こうした情報を基にパソコンが不安定になった日時を絞り込み、その直前に行った操作内容をチェックすれば不具合の原因を高い確度で推測できるというわけだ。

例えば、システムが不安定になる直前に、あるアプリをインストールしていたなら、それが不具合の原因である可能性が高いと考えられる。そんなときはそのアプリをいったんアンインストールして、症状が改善するかどうか様子を見るといいだろう。

「信頼性モニター」

エラーは赤色の「×」マーク、アプリのインストールなどは青色の「!」マークで表示。さらに詳しい情報は、各マーク部分をクリックすれば参照できる。

「信頼性モニター」の起動方法

まず「コントロールパネル」の「システムとセキュリティ」→「セキュリティとメンテナンス」(7/8.1では「アクションセンター」)を開く。

「メンテンス」項目右端の「V」アイコンをクリックして、「問題レポートの解決策を確認」を表示。あとは「信頼性履歴の表示」の部分をクリックすれば「信頼性モニター」が起動する。

対策(4) HDDやメモリーの問題を調べる

対応OS▶Windows10/8.1/7

パソコンが不意にフリーズやシャットダウンを繰り返す場合、HDDやメモリーになんらかの問題が生じている可能性がある。ハードウェアの不具合ではお手上げと思うかもしれないが、まだ打つ手は残されている。

実はWindowsには、HDDやメモリーの不具合を確認できるチェックツールが標準で備わっている。例えば、HDDはドライブの「プロパティ」からエラーの有無をチェック可能。エラーがあったとしても修復も試せるので、HDDの状態が気になるときには気軽に試してみるといいだろう。

一方、メモリーのチェックは、スタートメニューの「Windows管理ツール」にある「Windowsメモリ診断」を利用する。診断を実行するとパソコン再起動後にツールが起動し、メモリーの動作テストを実施。万が一、不具合が見つかった際には、Windowsが起ち上がったあとに、その旨をメッセージで警告してくれる。

なお、Windows7では「コントロールパネル」の「管理ツール」から「Windowsメモリ診断」を起動可能だ。

HDDのエラーチェック

まずエクスプローラーからドライブのアイコンを右クリックして「プロパティ」を開き、画面上部の「ツール」タブを選択。

あとは「エラーチェック」欄の「チェック」ボタンをクリック。

チェックが終わると画面が開いて、チェック結果を報告してくれる。そこから「ドライブのスキャン」を実行して、より厳密なエラーチェックを行うことも可能だ。

「Windowsメモリ診断」

スタートメニューの「Windows管理ツール」から「Windowsメモリ診断」を起動。すぐにエラーチェックを実施したい場合は、画面の「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」を選択しよう。

対策(5)「ファイル履歴」機能で自動バックアップ

対応OS▶Windows10/8.1/7

あまり考えたくないことだが、不運にもWindowsの不調が深刻な事態に陥り、パソコンがまったく起動できなくなったり、大切なデータが消失してしまう可能性も決して皆無ではない。

そんな最悪の事態を避けるためにも、重要なデータは「バックアップ」機能でしっかり控えを取っておきたい。バックアップさえあれば、いざというときでも大切なファイルを復元できる。

ただし、バックアップ機能を利用するには、システムディスクとは別のストレージが必要。容量はバックアップするデータ次第だが、窮屈な思いをしないためにもできれば1Tバイト以上の外付けHDDなどを利用したい。

なお、Windows8.1の場合は「コントロールパネル」の「ファイル履歴」、7は「コントロールパネル」の「バックアップと復元」から同様のバックアップ機能を用意できる。

「設定」から「バックアップ」を選択

「バックアップ」機能は、「設定」の「更新とセキュリティ」から利用可能。サイドメニューの「バックアップ」をクリックしたら、「ファイル履歴を利用してバックアップ」欄の「ドライブの追加」にある「+」をクリックしよう。あとは画面の指示に従って、バックアップしたいフォルダーを指定していけばいい。

バックアップ設定を変更したい場合は「その他のオプション」をクリック。

「バックアップオプション」では、バックアップ頻度やバックアップ対象となるフォルダーなどを設定可能だ。

対策(6) 転ばぬ先の杖「回復ドライブ」を作っておこう

対応OS▶Windows10/8.1/7

一昔前のパソコンはOSインストール用のCD/DVD-ROMを同梱していたものだが、最新のパソコンにはそうしたメディアは付いていない。というのも、Windows10の場合、パソコン単独でOSの初期化や修復セットアップを行えるようになったため、インストール用のメディアを付属する必要がなくなったからだ。

しかし、これには問題もある。例えば、パソコンがまったく起動しなくなってしまった場合、致し方なくOSの初期化を迫られる場合がある。しかし、パソコンが起動しないのだから、当然OSの復元機能は利用できない。

そんなときは10のインストールメディアなどからOSのセットアップを行うほかないが、こうした復旧手段が手元にまったくないとお手上げ状態になってしまう。

そんな事態を防ぐには、あらかじめ「回復ドライブ」を作成しておくのがベスト。回復ドライブとは、いわばユーザー自身で作るOSのインストールメディアのことで、メディアには基本的にUSBメモリーを使用する。

容量はOSや機種によって異なるが、おおよそ32Gバイトほど。必要な容量を正確に知りたいときは事前に確認もできるので、心配なら容量をチェックしてからUSBメモリーを入手するといいだろう。

いったん回復ドライブさえ作ってしまえば、いつでもOSの再インストールを行うことが可能。再インストールの方法は、基本的には回復ドライブをUSB端子に挿してパソコンを起動し、画面の指示に従ってインストール作業を進めていくだけだ。

「回復ドライブ」用USBメモリーの容量を確認する

必要な容量を正確に把握するには、まず「コントロールパネル」の「システムとセキュリティ」→「セキュリティとメンテナンス」→「メンテナンス」→「回復」を開いて、「回復ドライブ」の作成ツールを起動しよう。

初期画面で「システムファイルを回復ドライブにバックアップします。」にチェックが入っていることを確認した上で、「次へ」をクリック。回復ドライブに必要なデータの準備が終わると、次の画面で必要な容量が提示される。例えば、「16GB以上」とあるなら16Gバイトぴったりでは足りなくなるので、32Gバイト以上のUSBメモリーを用意しよう。

「回復ドライブ」を作成する

適切なサイズのUSBメモリーを接続した上で「回復ドライブ」ツールを起動。初期画面の「システムファイルを回復ドライブにバックアップします。」をチェックは付けたままにすること。また、「USBフラッシュドライブの選択」画面が表示されたら、USBメモリーを接続したドライブを確実に選択しよう。あとは画面の指示に従って作業を進めていけばOKだ。

対策(7) OSの「上書きインストール」でシステムを修復する

対応OS▶Windows10

パソコンを長いあいだ使用していると、OSの基本動作に必要なシステムファイルになんらかの問題が発生し、パソコンの動作が不安定になることがある。しかし、一般ユーザーがシステムファイルの障害を解消するのは、正直なところ、かなり荷が重い。

そんなときにおすすめな対策として、「OSの上書きインストール」がある。OSを再インストールすることで問題のあるシステムファイルを正常な初期状態に戻すという方法だが、OSの初期化と違ってデータやアプリは消去することなくそのまま残しておける。無論、不具合が必ず解消されるとは断言できないが、さほど手間も掛からないので試す価値は十分あるはずだ。

「メディア作成ツール」を入手

OSの上書きインストールに必要な「メディア作成ツール」は、マイクロソフトのサイトからダウンロード可能。サイトにアクセスしたら「ツールを今すぐダウンロード」をクリックしよう。

「メディア作成ツール」を起動

ツールでは10のインストールデータをダウンロードするため、あらかじめストレージの空き容量は最低20~30Gバイトほど確保しておきたい。また、データのダウンロードは通信環境によってはかなり時間が掛かる場合もあるので注意しよう。準備が完了したら、ダウンロードした「MediaCreationTool1809.exe」を実行する。

インストール設定を選択する

「実行する操作を選んでください」が表示されたら、「このPCを今すぐアップグレードする」をチェックして「次へ」をクリック。

インストールデータのダウンロードが終わると、「インストールする準備ができました」という画面が表示される。上書きインストールを確実に適用するために、必ず「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」にチェックが入っていることを確認した上で「インストール」ボタンをクリックしよう。なお、「インストール」ボタンをクリックしたあとはキャンセルは一切行えなくなるので、くれぐれも慎重に。

まとめ

動作が不安定になったWindowsパソコンを正常な状態に戻すには、まずは原因の特定が何よりも肝要。例えば、アプリが問題だったらアンインストールすればいいし、HDDに不具合が発生しているのなら「スキャンディスク」や交換などを行ったりすればいい。このように原因さえ判明すれば、採るべき対策も自ずと決まってくるはずだ。

さらに、パソコンがまったく起動しなくなってしまった場合など、万が一の事態に対する備えもしっかり準備しておきたい。あらかじめ「回復ドライブ」を作っておいたり、「ファイル履歴」機能で重要なデータをバックアップしたりしておけば、不測の事態にも余裕を持って臨めるだろう。

どうしても不具合が改善しない場合は、最終手段となるが「設定」の「更新とセキュリティ」などからOSを初期化する手もある。ただし、当然ながら初期化するとデータやアプリなどはすべて消去されてしまうので、事前のバックアップをお忘れなく!

◆篠原義夫(フリーライター)
パソコン雑誌や家電情報誌の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。専門分野はパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル家電が中心で、初心者にも分かりやすい記事をモットーに執筆活動を展開中。

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