対処法①「起動ドライブ」の空き容量を確保せよ!
▶対応OS:10/8.1/7
Windowsが快適に動作するには、起動ドライブに十分な空き容量が必要となる。従って、システムが不安定な場合は、まずは起動ドライブの空き容量からチェックするといい。
もし空き容量がほとんどない場合は、しばらく使う予定のないファイルを別のドライブに移動したり、不要なアプリを削除したりして、空き容量の確保に努めよう。
Windows10の場合は、デフォルトのファイル保存場所を「設定」メニューの「システム」にある「ストレージ」で変更できる。
例えば、「ドキュメント」の保存先などを、起動ドライブとは別のハードディスクなどに設定しておけば、起動ドライブにファイルをため込むことも少なくなるはずだ。
次に、試してほしいのが「アプリの削除」と「ディスククリーンアップ」。不要なアプリをアンインストールすれば、手っ取り早く空き容量が増やせるし、ディスククリーンアップなら不要なファイルを自動的に洗い出して、そのまま削除できるので手間もかからない。
改善策① 保存場所の変更
Windows10の設定にある「システム」→「ストレージ」では、「ドキュメント」や「アプリ」などの保存先を別のストレージに変更可能。ただし、これまで保存したファイルは以前の保存先に残ったままなので、あとから新しい保存先に手動で移動する必要がある。(

改善策② ディスククリーンアップ
「ディスククリーンアップ」は、不要なファイルを自動的にリストアップ&削除してくれる便利なシステムツールだ。起動方法は、エクスプローラーから目的のドライブを右クリックし、プロパティの「全般」タブを開いて「ディスククリーンアップ」を実行すればいい。

改善策③ 不要なアプリのアンインストール
アプリのアンインストールは、設定の「システム」にある「アプリと機能」から行える。ただし、サイズの小さいアプリをいくら削除しても、当然ながら大きな効果は見込めない。リスト上部のソートで「サイズ順」に並び替えて、なるべくサイズが大きくて利用頻度の低いアプリから削除を検討しよう。

対処法②「高速スタートアップ」で起動時間が早くなる!
▶対応OS:10/8.1
Windows8から採用された「高速スタートアップ」機能を有効にすると、シャットダウン状態からパソコンを素早く起動できるようになる。もし電源オフからの起動が遅く感じるなら、本機能が無効になっている可能性があるので、念のため設定を確認してみるといい。
高速スタートアップ設定は「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「電源オプション」にある「シャットダウン設定」で確認できる。もし「高速スタートアップ」のチェックボックスが外れている場合は、高速スタートアップが無効になっているということだ。OS起動を高速化したいのなら、必ずチェックしておこう。
改善策 「高速スタートアップ」をオンにする
「電源オプション」のサイドメニューから「電源ボタンの動作を選択する」をクリック。

「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックし、シャットダウン設定を編集禁止を解除する。

「シャットダウン設定」の最上段にある「高速スタートアップを有効にする(推奨)」にチェックを入れよう。

対処法③「スタートアップアプリ」を無効化して起動を早めよ!
▶対応OS:10
パソコンを長く使っていると、徐々に起動時間が遅くなっていくことが多い。その最たる原因として考えられるのが「スタートアップアプリ」の増加だ。
スタートアップアプリとは、パソコン起動時に自動的に起ち上がるアプリのこと。パソコンを使い始めたばかりで数が少ないうちはさして影響はないのだが、数が増えすぎるとシステムに負荷をかけてしまい、起動時間を長引かせてしまうことがある。
こうしたアプリの多くは、常駐アプリとしてタスクトレイにアイコンが表示されているが、なかには完全にバックグラウンドで動作していてタスクトレイからは確認できないものもあるから始末が悪い。
そんな厄介極まりないスタートアップアプリだが、実は、設定の「アプリと機能」→「スタートアップ」から簡単に無効化することが可能だ。
ただし、なかにはスタートアップを停止させると、アプリの動作に不具合が生じてしまう場合もある。基本的には、明らかに不要なアプリから無効化していったほうがいいだろう。これで起動速度をある程度は短縮できるはずだ。
改善策① 設定から「スタートアップアプリ」を無効化する
まず設定の「アプリと機能」→「スタートアップ」をクリック。

アプリの一覧から不要なスタートアップアプリを選んで、スイッチをオフにする。この際、システムへの「影響」が大きいアプリを優先して無効化したほうが、より大きな効果を見込めるはずだ。

改善策② 「バックグラウンドアプリの無効化」も有効
ウィンドウズでは、様々なアプリがバックグラウンドで実行されている。こうしたアプリもスタートアップアプリ同様、あまりに数が多すぎるとシステムに負荷が掛かり、パソコンが重くなる原因となりうる。もし明らかに不要なバックグラウンドアプリがある場合は、思い切って無効化してしまうのも手だ。
バックグランド動作の無効化は、設定の「プライバシー」→「バックグラウンドアプリ」から実行可能。手始めに、普段あまり使用していないアプリなど、問題なさそうなアプリからスイッチをオフにして無効化していくといいだろう。

対処法④「視覚効果」を無効化すれば動作は改善、速くなる!
▶対応OS:10/8.1/7
ウィンドウズには、ウインドウの最大化や最小化などを滑らかなアニメで表現したり、写真ファイルのアイコンをサムネイルで表示したりなど、目を引くエフェクト効果が多数用意されている。しかし、こうした演出は見た目は華やかなものの、システムに大きな負荷を掛ける原因にもなりがちだ。
パソコンのパフォーマンスを少しでも改善したいなら、こうした視覚効果は思い切って無効化してしまうのも手だ。
設定方法は、まず設定の「システム」→「バージョン情報」にある関連項目の「システム情報」をクリック。次に、画面が開いたら「パフォーマンス」欄右下にある「設定」を開いて「パフォーマンスを優先する」をチェックしよう。あとは「OK」ボタンをクリックすれば設定が適用される。
正直なところ、画面の見栄えはかなり悪くなるが、そのぶんシステムへの負担が減ってレスポンスも良くなるはずだ。もちろん、元の視覚効果に戻すことも可能で、その場合は「パフォーマンスを優先」から「コンピューターに応じて最適なものを自動的に選択する」に変更しよう。
改善策 視覚効果を「パフォーマンス優先」にする
視覚効果の変更は、設定から行える。まず設定の「システム」を表示し、サイドメニューから{バージョン情報}を開こう。

コントロールパネルの「システム」項目が開いたら、サイドメニューの「システムの詳細設定」をクリック。

「パフォーマンス」項目の「設定」をクリック。

視覚効果から「パフォーマンスを優先する」を選んで、OKボタンをクリック。これでシステムに負荷を掛ける演出をまとめて無効化できる。画面の見た目はシンプルになるが、効果は絶大だ。

対処法⑤「時間のかかるファイル検索」はコレで解消!
▶対応OS:10/8.1/7
文書や写真、動画など、目当てのデータを手間なく探し出せる「ファイル検索」。パソコンならではの非常に便利な機能だが、ストレージにアクセス速度が遅いHDDを使っていたり、大量のファイルを保存したりしていると、検索に時間が掛かるのが困りもの。
そんなときに試してほしいのが「インデックスの作成」。パソコンの索引ともいうべき「インデックス情報」をあらかじめ作成しておけば、検索速度を飛躍的に向上させることが可能だ。
インデックスの作成は、「コントロールパネル」の「インデックスのオプション」から行える。初回のインデックス作成には少々時間が掛かるが、検索にかかる時間は見違えるほど短縮化されるはずだ。
改善策 「インデックスの作成」でファイルの「索引」を作る
まずコントロールパネルを開いて、画面右上の「表示方法」から「小さいアイコン」を選択。次に、画面の「インデックスのオプション」をクリックしよう。

「インデックスのオプション」ウィンドウが開いたら、画面左下の「変更」ボタンをクリック。

「選択された場所の変更」欄からインデックスを作成するストレージを選択。あとは「OK」をクリックしてウィンドウを閉じよう。これで直ちにインデックスの作成が開始するはずだ。
インデックスの作成はバックグランドで進行するので、ややパソコン処理は重くなるものの他の作業をしながらでも大丈夫だ。

対処法⑥「自動メンテナンスの停止」も有効!
▶対応OS:10/8.1
「自動メンテナンス」は、毎日決められたスケジュールでシステムスキャンやソフトウェア更新などを自動で行ってくれる、いわばパソコンの見守り役ともいえる頼もしい存在。
しかし、その反面、メンテナンス実行中はどうしてもOSの動作が重くなる。
特に、文書作成やゲーム中などに自動メンテナンスが動き出すと、パソコンのスペックにもよるが、まともに操作すらできない状況に追い込まれることもある。
したがって、なにか重要な作業をするときには、念のため自動メンテナンスをあらかじめ無効化しておいたほうがいいだろう。
改善策① 自動メンテナンスの停止方法
「自動メンテナンス」の状態を確認するには、まずコントロールパネルの「システムとセキュリティ」→「セキュリティとメンテナンス」を開こう。

自動メンテナンスの実行中には、「メンテナンス」項目の「自動メンテナンス」に「メンテンナスは進行中です」というメッセージが表示されている。中断させたい場合は「メンテナンスの停止」をクリックすればOKだ。

改善策② 自動メンテナンスのスケジュールを「夜間」にする
自動メンテナンスのスケジュールは、作業のじゃまにならない夜間などに設定しておいたほうがいい。スケジュールの変更は「自動メンテナンス」項目の「メンテナンス設定の変更」から行える。

「メンテナンスタスクの実行時刻」には、例えば、深夜や早朝など、普段パソコンを使わない時間帯を設定するといいだろう。

対処法⑦ 「重いアプリ」を特定し、削除する!
▶対応OS:10/8.1/7
「メモリー」とは、アプリを実行する際にストレージからいったん取り出して記憶しておくための記憶装置のこと。ざっくりと説明すれば、いわば「アプリのために用意された部屋」のようなものだ。
そんなスペースに「やたら場所を取るアプリ」が入ってきたとしたら、いくら広い部屋でもぎゅうぎゅう詰めで、他のアプリがまともに動けなくなってしまう。
心当たりが特にないのにパソコンの操作が遅いときは、起動中のアプリにこうした「重いアプリ」がある可能性が高い。
そんな重いアプリは、「タスクマネージャー」を使って探し出すがベスト。
タスクマネージャーの「プロセス」からは、起動中のアプリがどれだけメモリーを使用しているのか簡単に調べられる。
重いアプリを特定できたら、作業中のファイルをいったん保存して終了することで、メモリーの空き容量を増やすことができる。
改善策① 「タスクマネージャー」でメモリーの使用状況を確認
「タスクマネージャー」はスタートボタンの右クリッメニュー、もしくは「CTRL+ALT+DELETE」キーから起動可能。簡易表示で立ち上がった場合は、画面左下の「詳細」をクリックして詳細モードに切り替えよう。

詳細モードに切り替えて「プロセス」タブが開いたら、アプリの一覧に注目。メモリー消費量は、アプリ一覧の「メモリ」の列で把握できる。
大量のメモリーを消費している重いアプリが特定できたら、そのアプリに切り替えて通常の手順で終了させよう。もちろん、その際は作業中のファイルを保存するのをお忘れなく。

改善策② 空きメモリーを増やす
空きメモリーを増やすには、使用していないアプリやタスクトレイの常駐アプリを終了させるのが効果的。また、ブラウザーのタブもメモリーを思いのほか消費する。用の済んだタブはなるべく早めに閉じておいたほうがいいだろう。

対処法⑧ 「フォルダーオプション」のカスタマイズでファイル表示を高速化
▶対応OS:10/8.1/7
データのコピーや移動など、ファイル操作に欠かせないのが、他ならぬ「エクスプローラー」だ。初期設定ではビギナーでも利用しやすいように、アイコンの代わりにサムネイル画像を表示してくれたり、アイコンにマウスカーソルを重ねると簡単な説明をポップアップで出してくれたりなど、さまざまな配慮が施されている。
ただし、こうした手厚いフォルダー設定は、少なからずメモリーを消費する。使い勝手よりパソコンの動作速度を重視するなら、思い切って無効化してしまったほうがいい。
改善策 システムに負荷を掛ける「フォルダーオプション」を無効化する
まずエクスプローラー上部のリボンから「表示」を選択。

ツールアイコンの「オプション」をクリック。

「フォルダーオプション」が開いたら「表示」タブをクリック。

「表示」タブが開いたら、「詳細設定」にある下記の項目のチェックを外す。
・フォルダーとデスクトップの項目の説明をポップアップで表示する
・フォルダーのヒントにファイルサイズ情報を表示する
・フォルダーの結合の競合を非表示にする
・暗号化や圧縮されたNTFSファイルをカラーで表示する
・空のドライブは表示しない
・登録されている拡張子は表示しない
また、下記の項目についてはチェックを付ける。
・常にアイコンを表示し、縮小版は表示しない
設定が終わったら、ウィンドウ上部の「フォルダーの表示」項目にある「フォルダーに適用」をクリックする。

メッセージウィンドウで「この種類のフォルダーすべてについて現在のフォルダー表示設定を適用しますか?」と表示されたら、「はい」をクリック。

あとはOKボタンをクリックして、設定ウィンドウを閉じれば設定完了。エクスプローラーの機能はシンプルになるが、そのぶんメモリーの消費を抑えてシステムを高速化できるはずだ。
対処法⑨ 「電源オプション」の変更でPCを最大パフォーマンスで動作させる
▶対応OS:10/8.1/7
普段、パソコンを使用していて、もし本来の処理性能が出し切れていないと感じる場合は、「電源オプション」でPCパフォーマンスを変更するといい。というのも、ウィンドウズの初期設定では、消費電力と性能のバランスを取ってほどほどの速度で動作するようになっているからだ。
従って、処理速度優先でパソコンを利用したい場合は、「電源オプション」の設定を変更して最大パフォーマンスを出すようにすればいいというわけだ。
ただし、当然ながらパソコンを最大パフォーマンスで動作させれば、消費電力も応じて増大する。据え置き型のデスクトップ機なら特に問題になることもないが、ノートパソコンの場合はバッテリー持続時間が短くなるという代償を払うことになる。やや諸刃の剣ともいえるテクニックでもあるので、使用する際はくれぐれも注意してほしい。
改善策 「電源オプション」を変更してPCのパフォーマンスを向上させる
まず「コントロールパネル」を開いて、「システムとセキュリティ」をクリック。

「電源オプション」をクリックする。

「プラン設定の変更」をクリック。

「詳細な電源設定の変更」をクリックする。

「詳細設定」の「プロセッサの電源管理」を下記の内容に変更する。
・最小のプロセッサの状態
バッテリ駆動:100%
電源に接続:100%
・システムの冷却ポリシー
バッテリ駆動:アクティブ
電源に接続:アクティブ
・最大のプロセッサの状態
バッテリ駆動:100%
電源に接続:100%
設定が完了したら、OKボタンをクリックしてウィンドウを閉じよう。これでパソコンが最大パフォーマンスで動作するようになる。

対処法⑩ 見えないトラブルを「デバイスのパフォーマンスと正常性」で見抜く!
▶対応OS:10
パソコンになんらかのシステムトラブルが生じていると、本来のパフォーマンスが出せなくなり、パソコンのレスポンスが重くなってしまう。こうしたときは不具合を特定して、適切な方法で解消するほかないが、こうした作業はパソコン上級者ならともかく、ビギナーには荷が重いというものだ。
しかし、だからといって諦める必要はない。実はWindows10には「デバイスのパフォーマンスと正常性」という、不具合特定にうってつけの機能が備わっている。この機能を活用すれば、パソコンにはあまり詳しくない初心者でもトラブルの原因を特定し、適切な対策を取ることが可能だ。
「デバイスのパフォーマンスと正常性」が対応するのは、ストレージ容量やデバイスドライバー、バッテリー寿命、アプリとソフトウェアなどに関連した不具合となる。どれも基本的なシステムトラブルではあるが、ビギナーにとっては心強い助けにはなってくれるはずだ。
改善策 「デバイスのパフォーマンスと正常性」からPCトラブルを特定&解消する
まず設定から、「更新とセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」を開いて、「デバイスのパフォーマンスと正常性」をクリックする。

「Windows Defender セキュリティセンター」の「デバイスのパフォーマンスと正常性」が表示されたら、「状態レポート」をチェック。すべての項目に緑色のチェックマークが付いているなら、システムは正常に動作している。

一方、状態レポートに「!」マークがある場合は、システムに問題が生じていることを示している。

「!」マークのある項目末尾の「V」をクリックして展開し、画面の指示に従って適切な対策を行っていこう。これで不具合が改善される可能性がある。

【関連記事】パソコンの動作が不安定 不調と寿命を診断する方法
まとめ
パソコンが重くなる原因はユーザー環境によって千差万別。システム設定やストレージの空き容量など、怪しい点をくまなくチェックして動作の改善を図っていこう。もし、どうしても原因を特定できない場合は、上記で紹介した「デバイスのパフォーマンスと正常性」を利用するといいだろう。
また、パソコンのメモリーが極端に少ないときは、8GB以上に増設すると劇的に動作が改善する場合が多い。システムドライブのストレージがHDDの場合は、データ転送速度の速い「SSD」へ換装するのも極めて効果的だ。
◆篠原義夫(フリーライター)
パソコン雑誌や家電情報誌の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。専門分野はパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル家電が中心で、初心者にも分かりやすい記事をモットーに執筆活動を展開中。