Q
スマホやタブレットが普及している昨今、パソコンは必要なのでしょうか? パソコンをやめてタブレットにすると、できないことってありますか?(K・Yさん 広島県 51歳)
A
これは、ガジェットライターの篠原義夫さんに聞きます。
篠原
一昔前は、フォトレタッチや動画編集はおろか、ウエブ閲覧やメールの送受信も、パソコンでしかできない作業でしたが、現在はスマホやタブレットでも普通にこなせるようになっています。むしろ、とっつきやすさだけなら、スマホやタブレットのほうが勝っているくらいです。
このように、「パソコンにしかできないこと」は、さほど多くなく、あえて挙げるなら、音楽CDやDVD/BDの再生や、プログラミングなどでしょう。
とはいえ、現在は音楽&映像配信サービスの大半がスマホやタブレットに対応していますし、DVDやBDを買ったりレンタルしたりする人も減ってきています。また、プログラミングについては一般的な用途とはいいがたいものですね。
つまり、パソコンとスマホ、タブレットの三者の「こなせる作業」という部分は、大きな隔たりはなくなったといっていいでしょう。写真や音楽、動画の編集をはじめ、ゲームなどもいずれの端末でもこなせるようになっていますし、もはやパソコンだけでしかできない作業というのは、消滅寸前なのかもしれません。
──確かにそうですね……。
篠原
ただし、ここからが本題ですが、どの端末でも同じ作業をこなせるからといって、「やりやすい」とは限りません。例えば、「ワード」や「エクセル」「パワーポイント」はマルチプラットフォーム対応となり、あらゆる端末で使えるようになりましたが、今でもパソコンで作業するのが最も効率がいいのは間違いありません。利用できる機能の数もパソコン版が圧倒的に多いですし、マウスやキーボードを使って文章入力やレイアウト変更を操作できる点も、スマホ/タブレット版より優れています。
つまり、パソコンが必要か否かは、「できる・できない」ではなく、「やりやすい・やりにくい」の違いで判断したほうが理にかなっています。もしK・Yさんが、パソコンのほうが圧倒的にやりやすいと感じる作業が一つでもあるのでしたら、スマホやタブレットへの完全移行は避けるべきでしょう。
ただし、こうした見極めをするのは難しいでしょうから、まずはパソコンで愛用しているアプリをすべて洗い出してみましょう。次に、リストアップしたアプリがスマホやタブレットにも存在するかを確かめたうえで、もし同じアプリがあるときは実際の使い勝手もチェックしてください。というのも、前述した「ワード」や「エクセル」のように、同じアプリでも、パソコンとスマホ版で機能面に大きな違いがあるものもあるからです。
パソコンでしか使えない、自分にとっての必須アプリをしっかり把握できれば、特に悩まずとも、パソコンの要否が自ずとわかるでしょう。
──了解しました。自分がパソコンでどういうアプリを使っているか確認するところから始めるということですね。ありがとうございます!