テレビの新4K/8K放送開始を目前に控え、もう4Kを無視できない状況になった。テレビはすでに4Kという家庭も多いと思うが、パソコンのディスプレイはどうだろう。ノートパソコンも、4K液晶搭載ではなくても、外付けのディスプレイをつなげば4K出力ができる機種を使っているのではないか……ということで、今回はパソコン用の4K液晶ディスプレイを比べてみた。集めたのは、27V型で、主力各社がこの1年間に発売した最新モデルである。

高解像度でも、アイコンや文字が見やすい27V型

まず、27V型というサイズについて考えてみよう。4Kは、ご存じのように横3840ドット×縦2160ドットの画素数。これは、フルHD(1920ドット×1080ドット)を4枚並べたのと同じ数値だ。

27V型の4Kは、13.5型のフルHDを4枚並べたサイズ。13.5型のノートパソコンでは2256ドット×1504ドットの採用例もあり、それに比べればドットピッチは大きい。つまり、高解像度であっても、アイコンや文字のサイズは適度な大きさが保たれるので、見やすい画面サイズといえるだろう。

ある程度、年齢を重ねていると、この27V型が、日常的に使える4Kディスプレイの最小サイズであると筆者は考えている。

以下、主なモデルを並べてみよう。

アイ・オー・データ
LCD-M4K271XDB

ファームウエアアップデートが必要だが、HDRに対応。アナログの映像入力端子を備えているのも、この機種だけとなる。フルHD以下の映像信号を入力したときに発生するボケを解消する「超解像技術」を採用している。

レノボ
ThinkVision P27u-10

画像: レノボ ThinkVision P27u-10

USB Type-C入力を備えていたり、Windows上で画面の発色・輝度等を簡単にカスタマイズできる専用アプリを用意したりするなど、エンタメというより、パソコンでデザインやビデオ編集するプロ用途に向いた機種だ。

LG
27UK650-W

画像: LG 27UK650-W

テレビやディスプレイで世界的にトップクラスのシェアを持つようになったLGらしく、HDRを採用した映像重視モデル。非HDRの映像もHDR並みの画質に変換する機能を搭載。ゲーム向けの視認性アップ技術も搭載する。

EIZO
FlexScan EV2785

画像: EIZO FlexScan EV2785

国内メーカーの雄が投入した27V型モデル。パソコンとの接続を前提にしたモデルで、チラつきを完全にカットしたり、輝度を約1カンデラまで下げられたりと、一日中画面を見ている人を意識した設計になっている。

ASUS
ROG Swift PG27UQ

画像1: ASUS ROG Swift PG27UQ

反応速度、ブレの排除、暗部の視認性など、ゲームを有利にプレイするために必要と思われる技術を惜しみなく投入したゲーミングディスプレイ。リフレッシュレートを最大144ヘルツまでオーバークロックできる。

画像2: ASUS ROG Swift PG27UQ

高解像度でも、アイコンや文字が見やすい27V型

それでは、「液晶パネル方式」を見てみよう。アイ・オー・データだけADSだが、これはTFT液晶の方式の一つで、伝統的にアイ・オー・データの液晶はADSを採用している。IPSもTFTの方式の一つなので、どれも根本の技術はTFTである。ADSもIPSも視野角を広くするための技術であり、どちらがいいというものではないので、あまり意識する必要はない。どのメーカーも、画質的に最良の方式を採用していると考えればいい。

「最大輝度」「コントラスト」「応答速度」といった基本的な性能は、ASUSの機種を除き、似たりよったり。最大輝度でずば抜けた性能を見せているASUSは、実売価格もずば抜けている。実はこれ、ゲームに特化したディスプレイ、いわゆる「ゲーミングディスプレイ」である。シューティングゲームや格闘ゲームなど、1フレーム単位で勝負しているプロゲーマー御用達の製品で、一般家庭ではオーバースペックかもしれない。ASUSは、このジャンルに強いメーカーなのである。

さて、気になるのは「HDR」と「HDCP2.2」への対応。この二つは、4Kコンテンツを表示するために必要となる機能だ。

まず、アイ・オー・データ、LG、ASUSが対応する「HDR」は、4K作品を収録したBD(ブルーレイディスク)、いわゆる「UHD BD」が採用している高画質化技術で、ダイナミックレンジ(明暗差)をフルHD映像よりも大きくするものだ。正式には「HDR10」といい、このHDR10信号を受けられないと、UHD BDの真の画質は享受できない。もちろん、非対応ディスプレイでもUHD BDを見ることはできるし、パソコンの画面を表示する際には無関係の仕様である。

次に、「HDCP2.2」は、4K放送が採用する著作権保護の暗号化技術。チューナーからディスプレイまでの伝送経路を暗号化するための規格で、これに対応していないと4Kチューナーを接続しても放送は見られない。さすがに、今回紹介する最新モデルはすべて対応済みだ。

レノボとEIZOが搭載している「USB Type-C入力」は、Macの一部機種が採用しているUSB Type-Cケーブルによる映像信号転送に対応していることを示している。Macユーザーには、あると便利な装備である。

Windowsユーザーなら現状ではUSB Type-Cを無視できるので、おすすめはLG。Macユーザーは、HDRをあきらめられるなら、コスパの高いレノボがいいだろう。

解説/福多利夫 (フリーライター)

※価格は記事制作時のものです。

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