お腹にガスが溜まり痛みを伴う「ガス腹」。あまりの痛みや苦しさに病気かも?と不安に思う人もいるでしょう。ガスの正体は、食事等で飲み込んだ空気や、腸内細菌の活動によるもの。このガスが何らかの原因で増え、腸に溜まることで不快な症状が起こるのです。ガス溜まりはおならを出し切る簡単な方法で予防・解消することができます。消化器専門医である東邦大学医療センター大森病院病院長の瓜田純久先生に「お腹のガス抜きポーズ」を教えていただきました。【2019年4月24日更新】

ガスが溜まってお腹が痛くなることありませんか?

便秘と同時に起こることが多い「ガスだまり」。
どなたでも、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
お腹がガスでパンパンに張る、脂汗が出るほどの腹痛、とまらないオナラ…。
厄介なのは、この「ガスだまり腹痛」は仕事中や、授業中、電車の中でも容赦なく起こるものなのです。

なぜ、ガスが溜まってしまうのでしょうか?対策はあるのでしょうか?
東邦大学医療センター大森病院病院長の瓜田純久先生に教えていただきました。

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

瓜田純久(うりた・よしひさ)
東邦大学医療センター大森病院病院長。1985年、東邦大学医学部卒業。関東労災病院消化器科を経て、地元青森県で瓜田医院を開業。東邦大学医療センター大森病院総合診療・救急医学講座教授、院長補佐、副院長などを経て2018年より現職。専攻は内科学、総合診療医学、機能性消化器疾患、内視鏡医学、超音波医学、栄養代謝など。監訳書に『Dr.アップルの早期発見の手引き診断事典』(マイケル・アップルほか著、産調出版)などがある。
https://www.omori.med.toho-u.ac.jp/

お腹にガスがたまる原因は?

ガスの正体の多くは「飲み込んだ空気」

腸の中には、健康な人でも常に200mlくらいのガスが溜まっています。
通常、それらの溜まったガスはゲップやおならとして体外に排出するしかありません。ガスを体外に排出できない、または異常に多くのガスが腸内で発生すると、ガス腹となって不快感の原因になります。
溜まったガスの大半は、呼吸や食事の際に口から飲み込んだ空気です。私たちは、食べたものと同じ量か、それ以上の空気を飲み込んでいます。

他には、腸内細菌の活動がガス腹の原因になっています。
腸内には、数にして1000兆個以上、総重量にして約1.5kgになる多種多様な細菌が棲みついています。腸内細菌が、腸の内容物(消化途中の食べ物)を分解する過程で発生するのがガスなのです。
腸内に悪玉菌が多いと、硫化水素、アンモニアなどの臭い物質が発生します。つまり、おならが臭いときは、腸内に悪玉菌がふえていると推測できます。

日本人の腸はガスがたまりやすい?

腸内ガスがたまっても、便とは違って、それ自体が悪さをするわけではありません。問題は、たまったガスが引き起こす不快感です。たびたび腸内のガスの量が増えて、おなかが張る、痛む、おならが出やすいといった悩みを抱える方が多いと思います。

ガスがたまりやすいところは、腸管のくねりが大きく、階段の踊り場のようになっているところです。しかも日本人は、長年の野菜中心の食生活から大腸が長く、形も個性豊かです。ガスがたまりやすい腸相をしているとも言えるでしょう。

バリウム検査でガスの溜まりやすいところがわかる!

余談ですが、大腸ガン健診では、最近、内視鏡が主流ですが、Ⅹ線検査の一種であるバリウム注腸検査だと、腸全体の形と動きを見ることができます。その姿を見れば、その人の腸の「顔つき」と、ガスの停滞しやすいところがわかります。

画像: 日本人の腸はガスがたまりやすい?

腸に溜まったガスをおならで出し切る方法

お腹の張りの解消に効果的な「うつ伏せ寝」

ガスの排泄を促すには走るのがいちばんですが、逆立ちしても、前転しても効果があります。ガス腹に悩む患者さんに、私がいつもお勧めしているのが、1日に1回の「うつぶせ寝」です。
やり方は簡単で、10分ほど、床の上でうつぶせに寝た姿勢を保つようにすればいいのです。実は、小腸は複雑に折りたたまれているため、おなかを手でマッサージしても、なかなか刺激ができません。でも、うつぶせに寝るとおなかが圧迫されて刺激が小腸にまで伝わり、まんべんなくマッサージできるのです。
おなかを圧迫することが目的なので、うつぶせ寝は、やわらかいベッドの上よりも、畳やフローリングの床の上で行いましょう。そのとき、おなかの下に枕や、小さいゴムボールを入れて圧迫すると、効果的です。

ゴロゴロ転がってガスを出し切る

10分たったら、そのままゴロゴロと左右にゆっくりと寝転がる動きを、5回ほど行いましょう。おなかや腰だけを動かすのではなく、肩も使って全身で左右に転がるのがポイントです。
腸は、おなかの中で複雑に曲がりくねっているのですが、そのなかで曲がっているところ、階段の踊り場のようになっているところに、ガスはたまりやすいのです。
また、ガスは軽いので、立ち姿勢や座り姿勢ばかりで過ごしていると、なかなか肛門に向かって、下にいきません
そこで、うつぶせに寝ておなかに体重をかけて圧迫をし、ゴロゴロ寝転がって腸の向きを変えましょう。すると、たまっているポイントからガスを移動させ、おならとして排出させやすくなるのです。ガスが抜ければ、ぜん動運動が活発になり、便通も促進されます。

ガスを出すのに「うつぶせ」姿勢がいい理由

・おなかが圧迫されて刺激が小腸まで伝わる
・ガスは軽いため、立ち姿勢や座り姿勢ではなかなか下に移動してこない

即効!
お腹のガス抜きポーズ「うつぶせゴロゴロ」 のやり方

「うつぶせゴロゴロ」とは、10分ほどうつぶせになった後、左右にゴロゴロと寝転がるだけの運動です。次は、簡単なガス抜き方法「うつぶせゴロゴロ」のやり方を図で紹介しましょう。

①約10分間、床やベッドでうつぶせになる
※その間、本を読んだりしても良い

画像: うつぶせになる場所は畳やフローリングがおすすめ kenka2.com

うつぶせになる場所は畳やフローリングがおすすめ

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②そのままゴロリ、ゴロリと左右に体を揺らす
※腰だけひねるのではなく、全身を左右に転がす

画像: 腸を揺することで、オナラとして溜まったガスを抜くことができる kenka2.com

腸を揺することで、オナラとして溜まったガスを抜くことができる

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うつぶせゴロゴロのコツ

・ゴロゴロする際には、おなかや腰だけを動かすのではなく、肩も使って全身で左右に転がる
・いつ行ってもいいが、夜寝る前に行うと効果的

ガス溜まりが便秘や下痢を引き起こす

野菜サラダを食べれば便秘は治る?

近年、呼気の成分を測ることで体内のガス量を測ることができるようになりました。
以前テレビ番組で行った呼気検査では、便秘や下痢に悩む人ほど大量のガスが生成されていました。腸内で発生するガスの量が増えて、過剰に溜まると、お腹が張る不快感や、腹痛の原因になるのです。
さらに、腸内にガスが溜まることで、腸のぜん動運動や消化吸収の働きが妨げられ、便秘や下痢などの便通異常を引き起こすと考えられます。

そこで、「うつぶせゴロゴロ」に合わせて、便秘対策も行いましょう。
気を付けたいのが食物繊維の摂り方。生野菜を食べると便通が良くなるのでは?と思いがちです。

胃腸の健康の目安は、しっかり食べて太れることだと考えています。食物繊維がお通じによいからと、野菜サラダばかり食べていても便通はよくなりません
また、便秘をしている真っ最中は、消化しにくい食物繊維は控えたほうがいいでしょう。
消化しやすい炭水化物水分を、しっかり摂ってほしいと思います。
また、腸の働きをよくするには、胃を休めるといいのです。夜寝ている間など、なにも食べない時間帯を1日8時間以上作るとより、便秘に有効です。

便秘を解消するポイント

・便秘中は、食物繊維を控え、炭水化物と水分をしっかりとる
・何も食べず、胃を休める時間を1日8時間以上作る

画像: 野菜サラダを食べれば便秘は治る?

まとめ

仕事中や、人と会っている最中に、ガスが溜まっているなと自覚しても、ついつい、我慢してしまうことも多いでしょう。
今回、瓜田先生に教えていただいた「ガス溜まり」の解消法は毎日の寝る前の習慣として取り入れることができます。皆さんも、是非参考にしてみてください。

参照:「ケンカツ!」https://kenka2.com/articles/356

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