私たちの体や細胞は、毎日摂取する食物により、形作られ、代謝をくり返しています。眠りやすい環境を整えることはもちろん大切ですが、食事により体の内側から快眠体質へ変えていくことも、同じぐらい大切です。【解説】坪田聡(雨晴クリニック副院長)【料理・スタイリング】結城寿美江(料理研究家)【栄養計算】金子奈穂美(管理栄養士)

解説者のプロフィール

画像: 坪田聡(つぼた・さとる) 雨晴(あまはらし)クリニック副院長。 1963年、福井県生まれ。睡眠に関する問題をスムーズに解決し、快眠生活を送るための指導や情報普及に努める睡眠の専門家。「快眠で健康な生活を送ろう」をコンセプトに、睡眠の質を向上するための指導や普及に尽力。インターネット上の情報サイト『All About』で睡眠ガイドを発信。 http://www.meijukai.com/new/ama-cli-index.html

坪田聡(つぼた・さとる)
雨晴(あまはらし)クリニック副院長。
1963年、福井県生まれ。睡眠に関する問題をスムーズに解決し、快眠生活を送るための指導や情報普及に努める睡眠の専門家。「快眠で健康な生活を送ろう」をコンセプトに、睡眠の質を向上するための指導や普及に尽力。インターネット上の情報サイト『All About』で睡眠ガイドを発信。

http://www.meijukai.com/new/ama-cli-index.html

体や脳によい食事があるように睡眠にもよい食事がある

 食欲が減退した時に、毎食、簡単な一品料理で済ませるかたも、多いのではないでしょうか。
 ただでさえ寝苦しい時に、そのような食事ばかり続けていると、睡眠の質がますます低下しかねません。

 体や脳によい食事があるように、睡眠にもよい食事があるのです。
 私たちの体や細胞は、毎日摂取する食物により、形作られ、代謝をくり返しています。眠りやすい環境を整えることはもちろん大切ですが、食事により体の内側から快眠体質へ変えていくことも、同じぐらい大切です。ここでは、睡眠の質を高めて、暑い夏でも心地よい眠りにつけるような、快眠成分を含む食材をご紹介しましょう。

 睡眠の質を高めるために欠かせないのは、3種類のアミノ酸です。
 アミノ酸とは、たんぱく質を構成する成分のこと。地球上に存在する栄養素のうち最古の物がアミノ酸で、原始から現在に至るすべての生命の源となる物質といえます。

必須アミノ酸の一つトリプトファンが欠かせない

 約500種類あるアミノ酸のなかで、人間に必要な物は20種類です。さらにこの中で、体内では産生できず、食物から摂取しなければならない物が、必須アミノ酸。必須アミノ酸は9種類ありますが、そのうちの一つが、トリプトファンです。

 このトリプトファンは、質のよい睡眠に最も必要な栄養素といっても過言ではありません。なぜなら、感情を落ち着かせるために働くセロトニンと、生体リズムを整えるメラトニンの原料となるからです。

 セロトニンは、脳内の神経伝達物質の一つ。ストレスホルモンによって興奮した神経を沈静化し、イライラした感情を抑える働きがあり、就寝時に寝つきやすい精神状態になるように助けてくれます。

 食べ物から摂取したトリプトファンは、体内でセロトニンへ合成されます。そして、セロトニンの一部は、夜になると今度はメラトニンへ変わるのです。

 メラトニンは、睡眠ホルモンと呼称されるほど、眠りに深くかかわる必須の成分です。人間の体には、体内時計と呼ばれるしくみが備わっており、1日の生体リズムを無意識のうちに調整してくれています。

 しかし、体内時計は24時間より少し長めに設定されているため、自然の周期との間で、毎日少しずつズレが生じます。この体内時計のズレを修正してくれるのが、メラトニンなのです。

 朝、日光を浴びると、体内時計はリセットされ、脳からのメラトニンの分泌が、一時的に止まります。そして、起床してから14〜16時間経って夜になると、再び分泌されるようになるのです。

 トリプトファンがセロトニンになり、そしてメラトニンになるまでには、時間がかかります。ですから、夜にメラトニンを十分に分泌するためには、朝食にトリプトファンを摂取するといいでしょう。

 トリプトファンを多く含む食材は、牛乳やバナナ、鶏むね肉、チーズ、大豆製品、牛肉、ナッツ、卵など。忙しくて朝食をとる時間がない人は、牛乳を飲んでバナナを1本食べるだけでもいいでしょう。私自身はよく、牛乳とバナナに加えて、ソーセージや納豆、豆腐などを朝食のメニューにしています。

GABAで興奮を抑え心身をリラックス

 次に重要なアミノ酸が、GABAです。脳や脊髄で働く抑制系の神経伝達物質で、脳内の血流を活発にし、酸素の供給量を増やしたり、脳細胞の代謝機能を高めたりしてくれます。

 興奮を抑え、心身をリラックスさせる働きがあるので、不眠のかたに勧められます。実際、睡眠薬の多くは脳内でGABAの作用を強める物が多く、このことからも、いかに不眠に効果が高いかがわかるでしょう。

 GABAは、カカオや玄米、トマト、雑穀類、ブロッコリースプラウトなどに多く含まれています。

グリシンで深部体温を下げて入眠スイッチをオン!

 三つめの重要なアミノ酸が、グリシンです。
 私たちは入眠する際に、体の内部の温度である深部体温を下げることによって、心地よい眠りにつくことができます。グリシンには、この深部体温を下げる働きがあるのです。さらに、体内時計に作用して生体リズムを整える作用もあるので、その点からも不眠の解消には有効といえるでしょう。

 グリシンはエビやホタテ、イカ、カニ、カジキマグロなどの魚介類に多く含まれています。
 不眠にお悩みのかたは、これらの食材を積極的に食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。

睡眠の質も量もぐーんとアップする快眠成分ベスト3!

①トリプトファン

画像: ①トリプトファン

トリプトファンを多く含む食材
牛乳、バナナ、チーズ、大豆製品、鶏むね肉、牛肉、ナッツ類、カツオ、マグロ、卵など

 人間の体内で産生できず、食物から摂取しなければならないアミノ酸が、“必須アミノ酸”。トリプトファンは9種類ある必須アミノ酸のうちの1つで、神経伝達物質であるセロトニンの原料になります。セロトニンが不足すると、精神的に不安定になって気分が沈みやすくなり、不眠の原因に。
 さらに、セロトニンからは、別名“睡眠ホルモン”と呼ばれるメラトニンが作られます。メラトニンは、睡眠のリズムを整えてくれるので、その点からも快眠には欠かせない成分です。

②GABA

画像: ②GABA

GABAを多く含む食材
カカオ、玄米、トマト、粟・キビ・大麦などの雑穀、ブロッコリースプラウトなど

 アミノ酸の一種であるGABAは、脳や脊髄で働く抑制系の神経伝達物質。脳内の血流を活発にして、酸素の供給量を増やしたり、脳細胞の代謝機能を高めたりしてくれます。
 さらに、興奮を抑えて、心身をリラックスさせる働きがあるので、不眠に効果的です。

③グリシン

画像: ③グリシン

グリシンを多く含む食材
エビ、ホタテ、イカ、カニ、カジキマグロなど

 心地よい眠りにつくには、手足の末端から体温を放熱し、深部体温を下げる必要があります。そのときに有効なのが、深部体温を下げる働きのあるグリシンです。
 グリシンは、全身に存在するアミノ酸の一種。体内時計に作用して、睡眠のリズムを整えてくれます。

3大アミノ酸で眠りの質も量もアップ!専門医オススメ「快眠レシピ」

押し麦とシーフードのサラダ

プチプチとした食感の押し麦が魚介の旨みを吸い込み絶品

画像: エネルギー:231kcal 塩分:2.7g(各1人分)

エネルギー:231kcal 塩分:2.7g(各1人分)

【材料】(2人分)
押し麦…50g、アサリ…100g
シーフード(エビ・ホタテ・イカ)…150g
酒…大さじ1、ブロッコリー…40g、ミニトマト…4個
Ⓐレモン汁…大さじ1、オリーブオイル…大さじ1
 塩…小さじ1/4、コショウ…少々

【作り方】
❶押し麦は熱湯で15分ゆで、水にさらしてぬめりを取り、キッチンペーパーで水分をしっかりとふき取る。
❷別の鍋にアサリ、エビ、ホタテ、イカ、酒を入れてふたをし、2~3分蒸し煮にして冷ましておく。アサリとエビは殻を外す。
❸ボウルに①を入れ、そこに②の煮汁を混ぜて、魚介の旨みを吸わせる。
❹③に②とゆでたブロッコリー、ミニトマト、Ⓐを入れて混ぜ、冷蔵庫で30分おく。

カツオのナッツフライ カレー風味

さくさくとした ナッツの食感がアクセント

画像: エネルギー:429kcal 塩分:1.2g(各1人分)

エネルギー:429kcal 塩分:1.2g(各1人分)

【材料】(2人分)
カツオ…150g
Ⓐカレー粉…少々、しょうゆ…小さじ2、酒…小さじ1
小麦粉…適量、卵…適量、パン粉…大さじ5
ナッツ(お好みの物)…40g、かぼす…適量

【作り方】
❶カツオは一口大に切り、Ⓐに5分漬け込む。
❷①を小麦粉、卵の順にくぐらせ、パン粉と、粗く切ったナッツをまぶす。
❸高温の油でさっと揚げる。
❹器に盛り、かぼすを添える。

長芋のフリッタータ

すりおろした長芋を入れてふんわり!

画像: エネルギー:312kcal 塩分:1.1g(各1人分)

エネルギー:312kcal 塩分:1.1g(各1人分)

【材料】(2人分)
ズッキーニ…100g、タマネギ…1/2個、長芋…30g
オリーブオイル…適量、卵…4個、パルメザンチーズ…大さじ1
塩…少々、コショウ…少々

【作り方】
❶ズッキーニとタマネギは1cm角に切る。長芋はすりおろす。
❷フライパンにオリーブオイルを熱して、ズッキーニとタマネギを炒める。
❸ボウルに卵、②、長芋のすりおろし、パルメザンチーズ、塩、コショウを入れて混ぜる。
❹直径が20cmぐらいのフライパンにオリーブオイルを熱し、③を流し、半熟状になるまでかき混ぜ、ふたをして弱火で1~2分焼く。
❺ひっくり返してふたをして、1~2分焼く。

しらたきのヤムウンセン

具だくさんでとってもヘルシー!

画像: エネルギー:242kcal 塩分:2.0g(各1人分)

エネルギー:242kcal 塩分:2.0g(各1人分)

【材料】(2人分)
しらたき(あく抜き済の物)…300g
ニンニク…1片、キュウリ…1/4本、ニンジン…1/5本
キクラゲ…4個、紫キャベツ…30g、レモン…適量
パクチー…1株、ミニトマト…4個、サラダ油…大さじ1
鶏むね肉…1/4枚(約50g)、エビ…4尾
ナッツ(お好みの物を粗く切る)…大さじ1
[たれ]ナンプラー…大さじ1、レモン汁…大さじ1と1/2
    砂糖…小さじ1、唐辛子(輪切り)…少々

【作り方】
❶しらたきは食べやすい長さに切る。ニンニクはみじん切り、キュウリ、ニンジン、キクラゲ、紫キャベツはせん切り、レモンはくし切りにする。パクチーは2cm幅に刻む。ミニトマトは半分に切る。
❷フライパンにサラダ油とニンニクを熱し、香りが出たら、しらたきをさっと炒め、粗熱を取る。
❸耐熱容器に鶏むね肉を入れてラップをかけ、レンジ(500w)で1〜2分温め、棒状に切る。エビは背ワタを取り、さっとゆでて、殻を取り除く。
❹皿に②を盛り、その上にほかの具材を彩りよく盛り、たれをかけて全体を混ぜていただく。

むね肉のよだれ鶏

余熱でしっとり火を通すからむね肉でもジューシー

画像: エネルギー:345kcal 塩分:2.1g(各1人分)

エネルギー:345kcal 塩分:2.1g(各1人分)

【材料】(2人分)
鶏むね肉…1枚(200g)、酒…大さじ1、鶏ガラスープ…500ml
ネギ(下ゆで用)…青い部分を1本
ネギ(白髪ネギ用)…白い部分を1/4本
ブロッコリースプラウト…適量、ナッツ(お好みの物)…適量
[たれ]ゴマ油…小さじ2、ニンニク(みじん切り)…小さじ1
    ショウガ(みじん切り)…小さじ1、すりゴマ…小さじ1
    しょうゆ…大さじ1と1/2、酢…大さじ1
    砂糖…小さじ1、山椒…小さじ1/4、ラー油…小さじ1/2

【作り方】
❶ネギの白い部分をせん切りにして白髪ネギにする。
❷鍋にネギの青い部分、酒、鶏ガラスープを入れて沸かし、鶏むね肉を加える。沸騰直前になったらごく弱火にして2〜3分ゆで、鶏むね肉をひっくり返してさらに2〜3分ゆでたら火を止めてふたをし、そのまま余熱で火を通す。
❸フライパンにゴマ油、ニンニクを入れて弱火で香りが出たら火を止め、②のゆで汁を大さじ1と、たれの残りの材料を入れて混ぜる。
❹鶏むね肉をスライスして、その上に白髪ネギ、ブロッコリースプラウト、粗く切ったナッツを添え、③をかける。

カジキマグロのソテー トマトとマンゴーのサルサソース

マンゴーの甘みが加わってフルーティーな味わい

画像: エネルギー:206kcal 塩分:0.9g(各1人分)

エネルギー:206kcal 塩分:0.9g(各1人分)

【材料】(2人分)
カジキマグロ…2切れ、塩…少々、コショウ…少々
小麦粉…適量、オリーブオイル…適量
レモン…適量、ブロッコリー…適量、ラディッシュ…適量
[ソース]トマト…小2個、マンゴー…1/8個
     タマネギ…1/8個、バジル…4枚
     レモン汁…小さじ2、塩…小さじ1/3
     コショウ…少々、オリーブオイル…大さじ1

【作り方】
❶カジキマグロに塩、コショウを振り、小麦粉をまぶす。フライパンにオリーブオイルを熱し、カジキマグロを両面焼く。
❷トマトは種を取り1cm角に、マンゴーとタマネギは5mm角に切る。バジルは細かくちぎる。ボウルにすべてのソースの材料を入れて混ぜ、冷やしておく。
❸皿に①を盛り、②をかけ、レモン、ゆでたブロッコリー、ラディッシュを添える。

タリアータ 赤ワインしょうゆソース

たまにはステーキ肉で豪勢な食卓に!

画像: エネルギー:558kcal 塩分:1.4g(各1人分)

エネルギー:558kcal 塩分:1.4g(各1人分)

【材料】(2人分)
牛肉(ステーキ用)…200g、赤ワイン…50ml
塩…少々、コショウ…少々、油…適量
片栗粉…少々、ベビーリーフ…適量
ラディッシュ…1個、バナナ…1/6本
Ⓐしょうゆ…大さじ1、酢…小さじ1、ハチミツ…小さじ2

【作り方】
❶牛肉は常温に戻し、塩、コショウをまぶす。フライパンに油をひき、両面を焼く。焼き上がったら、アルミホイルで包んで保温する。
❷①のフライパンの油をふき取り、赤ワインを入れてアルコール分を飛ばす。Ⓐを加えて半量になるまで煮詰め、水で溶いた片栗粉を入れてゆるくとろみをつける。
❸牛肉をスライスして皿に盛り、②をかけ、ベビーリーフ、スライスしたラディッシュとバナナを添える。

玄米の和風ガパオ

卵と鶏肉と夏野菜の相性が抜群!一皿でおなかも大満足

画像: エネルギー:613kcal 塩分:2.0g(各1人分)

エネルギー:613kcal 塩分:2.0g(各1人分)

【材料】(2人分)
玄米…280g、タマネギ…1/4個、ミニトマト…4個
オクラ…2本、ニンニク…1片、ショウガ…1片
シソ…6枚、ナッツ(お好みの物)…大さじ1
油…適量、鶏むね肉(ひき肉)…200g、卵…2個
Ⓐ味噌…大さじ1/2、しょうゆ…小さじ2
 みりん…大さじ2、オイスターソース…小さじ1

【作り方】
❶玄米は一晩水に浸し、炊飯器で炊く。
❷タマネギは1cm角、ミニトマトは半分に切る。オクラはゆでて輪切り、ニンニクとショウガはみじん切りにする。シソは手で細かくちぎる。ナッツは粗く刻む。
❸フライパンに油を入れ、ニンニクとショウガを熱し、香りが出たら鶏むね肉を加えて炒める。タマネギを加えてさらに炒め、Ⓐを入れて煮詰める。
❹火を止めてミニトマト、オクラ、シソ、ナッツを入れて混ぜる。
❺別のフライパンに卵を落とし、目玉焼きを作る。
❻皿に玄米を盛り、④をのせ、その上に目玉焼きをのせる。

ヨーグルトとマンゴーのムース

ふるふるの食感!マンゴーを添えて華やかに

画像: エネルギー:143kcal 塩分:0.1g(各1人分)

エネルギー:143kcal 塩分:0.1g(各1人分)

【材料】(2人分)
ヨーグルト…200g、マーマレードジャム…30〜40g
ゼラチン…2g、マンゴー…1/2個

【作り方】
❶ミキサーにヨーグルト、マーマレードジャムを入れて撹拌し、湯煎で溶かしたゼラチンを加える。
❷容器に①を流して冷やし固める。
❸②にスライスしたマンゴーをバラの花びらのように巻いて飾る。

バナナとココアのスムージー

1杯で快眠成分をたっぷり摂取!

画像: エネルギー:240kcal 塩分:0.2g(各1人分)

エネルギー:240kcal 塩分:0.2g(各1人分)

【材料】(2人分)
バナナ…1本、豆乳…300ml
ココアパウダー…大さじ1、きなこ…大さじ1
すりゴマ…大さじ1、ハチミツ…大さじ1、ミント…適量

【作り方】
❶ミキサーに、バナナ、豆乳、ココアパウダー、きなこ、すりゴマ、ハチミツを入れて撹拌する。
❷グラスに注ぎ、上に輪切りにしたバナナ(分量外)やミントを適宜飾る。

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