左利き用のカメラというのは市場にないようですが、左利きの人たちはどうしているのでしょうか?デジカメと利き手関係や、左利きの人はカメラを使うときどうしてるのか? 教えてください。

【読者から質問】

左利き用のカメラというのは市場にないようですが、左利きの人たちはどうしているのでしょうか?(T・Oさん 京都府 54歳)

編集部:この質問は、カメラの歴史にも詳しいカメラライターの北村智史さんに聞きましょう。

【専門家から回答】

「実は、フィルム時代の話ですが、京セラからSAMURAIという名前のハーフサイズのカメラが発売されていて、そのシリーズに左利き用のモデルがありました。あと、うろ覚えですが、リコーのフィルム一眼レフに、左手用のグリップが装着できるものがあったと記憶しています。

つまり、左利き用のカメラに対する需要はあるにはあるものの、あまり売れなくて、後が続かないというのが実情なのでしょう。何しろ、内部のメカをそのまま全部裏返しにすることはできませんから、設計はめんどうですし、生産コストも跳ね上がります。その分をペイできなければ、営利企業としては動きづらいわけです。

また、左利きの人が、右利き用の道具や機械類しかない状況に慣れているため(どちらかというと、強制的に慣れさせられているだけなのですが)、左利き用の製品がないことへの不満が表に出てこないというのもあるでしょう。実際、前述のSAMURAIの左利きモデルを手にした左利きの知人は、『持ち慣れない』『かえって使いづらい』と話していました。

そんなふうに、せっかく作られた左利き用の製品が左利きの人に受け入れづらい環境になっていることも問題なのだと思います。

一方、デジカメでは、現在発売されている製品のほぼすべてが右利き用に作られています。一時は左右両利き用ともいえるデザインを採用したキャノン・Power Shot Nや、モニターを持たないオリンパス・AIRやソニー・QX1といったスマホと併用するのが前提のカメラもありました。しかし、残念ながら、これらもすでに生産は終了しています」

画像: イラスト/はやし・ひろ

イラスト/はやし・ひろ

編集部:今、左利き用カメラはほぼ皆無だけど、以前は、少ないとはいえ存在したというわけですね。

専門家:「そうですね。ただ、最近はモニターにタッチパネルを内蔵したカメラが多く、画面に触れることでその部分にピントを合わせたり、シャッターを切ったりできるカメラもあります。構え方に工夫は必要でしょうが、左右どちらの手でもシャッターを切ることはできますから、少しはマシかもしれません。

また、根本的な解決にはなりませんが、電子レリーズやワイヤレスリモコンを併用したり、スマホアプリのリモート撮影機能を利用するという手段もあります。
さらにいうと、利き手だけでなく、利き目の問題もあります。カメラのファインダーは右目用に作られているので、利き目が左の人(筆者もそうです)にはのぞきづらいのです。

構えたときに右手親指に顔がかぶさるので窮屈なうえ、メガネも汚れやすくなりますし、鼻の頭がモニターに触れて誤操作を起こすことさえあります。カメラメーカー各社には、そういう部分も含めて抜本的な左利き対策をお願いしたいところです」

編集部:なるほど。確かに利き目のほうも左利き対策があってほしいですね。ありがとうございました!

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