レンズにつける保護フィルターは、レンズを守るためには欠かせないアイテムだ。でも、その保護フィルターが、レンズの性能を低下させる原因にもなっていることはあまり知られていない。今回は、保護フィルターをつけたほうがいいのか、それともつけないほうがいいのか、という疑問について回答する。
保護フィルターってどういうもの?
文字どおり、レンズを保護するために使用するフィルターのこと。レンズに入る光に、まったく影響を与えない無色透明の光学ガラス製で、商品名としては「プロテクター」「プロテクトフィルター」となる。
同じく、ゴミやホコリからレンズを守るための「レンズキャップ」と違い、つけたままで撮影できる。そのため「常用フィルター」とも呼ばれている。
保護フィルターをつけるメリットは?
保護フィルターのおもな機能は、レンズの前玉(前側から見たときのおもて側のレンズのこと)に、ゴミやホコリ、汚れなどがつかないように守ること。
最近は、割れにくい強化ガラスなどを採用して、ぶつけたたときに傷がつかないよう配慮したものもある。前玉に傷がついた場合、修理代は数万円かかる可能性もあるので、保険的な意味合いでつける人もいる。
また、レンズの構造にもよるが、保護フィルターをつけることで、防塵・防滴性能を高められる場合もある。
レンズを大事にしたいなら、保護フィルターは「必需品」と言って過言ではない。
保護フィルターのデメリットは?
一方、フィルターはレンズにとっては邪魔ものでしかなく、レンズの性能をわずかながら損う。強い逆光などの条件では、光がモヤのように写るフレア、光の模様があらわれるゴーストの原因にもなる。
画質のことを考えれば、無色透明の保護フィルターと言えども無害ではない。
そのため、普段は保護フィルターをつけて撮っておいて、ここぞというときは保護フィルターを外して撮るという人もいる。
カメラライターがおすすめする保護フィルター4選
最近はレンズ性能への影響を最小限に抑えた、高性能タイプの保護フィルターが登場している。画質を損なうことなくレンズを保護できるのだから、真の意味での保護フィルターと呼べるかもしれない。
以下、性能にこだわった高級タイプの保護フィルターを紹介する。
ケンコー ZXプロテクター
マルミ EXUSレンズプロテクトSOLID
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シグマ WR セラミックプロテクター
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ニコン ARCRESTプロテクションフィルター
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まとめ
保護フィルターをつけるべきかどうかについてはさまざまな意見があり、どちらが正しいとも言いきれない。
ワタシ個人は、フィルターは使わない主義だが、これはカメラやレンズが「仕事の道具だから」という割り切りがあるからでもある。
でも、せっかく買ったレンズを大事に長く使いたいのであれば、そしてなるべくその性能をフルに引き出したいのであれば、高級タイプの保護フィルターを使うのが一番かもしれない。
◆北村智史
いろいろなメーカーのカメラを使って写真を撮ったり記事を書いたりするのがなりわいのフリーライター。カメラ専門誌や一般誌、ウェブ媒体で活動中。文字数多めのブログも運営してます。他人を沼に招く習性があるため、取り扱いには注意が必要です。愛用ソフトウェアはPhoto MechanicとLightroom Classic CC。