12月から「新4K8K衛星放送」が始まったが、情報の少なさから間違った知識をもっている人も少なくない。「どんなチャンネルがあるの? 」「見るには何が必要?」かにズバリ答えます。
この12月に始まった右旋による4K放送は全て無料で見られる
一般的にはあまり知られていないことだが、従来のBS/110度CS放送は、右旋円偏波といわれる、衛星から見て右回りの電波が使われている。新4K8K衛星放送では、これに加えて、同帯域で偏波が逆のもの、つまり、左回りの左旋円偏波の電波が使われる。
ここで、まず覚えておいてほしいのは、この12月に始まった右旋による4K放送は、すべて無料で見られるということ。NHKについては従来の地上/BSの受信契約が必要だが、受信料は据え置きとなっている。一方、左旋のBS/110度CSについては、有料チャンネルもあるが、無料放送については、特別な契約なしで視聴できる。
右旋で送られるBSの4K放送は、既存の受信設備に対応チューナー内蔵4Kテレビ(あるいは対応チューナー+4Kテレビ)を用意すれば視聴可能だ。現在、4KテレビでBS放送が受信できているなら、対応チューナーを導入するだけでOK。具体的には、「NHK BS 4K」と、民放キー局による「BS朝日4K」「BS-TBS4K」「BSテレ東4K」「BSフジ4K」「BS日テレ4K」の計6チャンネルの4K放送が見られる(「BS日テレ4K」のみ2019年12月開始予定)。
左旋のBSは、「NHK BS 8K」のほか、「ザ・シネマ4K」「4KQVC」「ショップチャンネル4K」「WOWWOW」の4チャンネル(「WOWWOW」のみ2020年12月開始予定)。また、左旋の110度CSを使うのは「J SPORTS1~4 」「日本映画・時代劇4K」「スターチャンネル4K」「スカチャン1~2」の計8チャンネルとなる。
実は、左旋の電波を採用しているこれらのBS/110度CSのチャンネルを受信するには、SHマーク付きの受信設備(アンテナやブースター/分配器、アンテナ端子など)を新たに導入することが求められる。なお、110度CSは、従来と同じく、BSの受信設備があれば受信が可能で、右旋および左旋の場合も同様である。
もし、BSアンテナからの電波を新4K8K衛星放送対応チューナー内蔵テレビ(あるいは対応チューナー)にケーブルでダイレクトに入力している場合は、左旋波対応のBSアンテナに交換することで、全チャンネルの受信が可能になる。ただ、その他の機器(別室のチューナーや対応レコーダーなど)への接続を行う場合は、新4K8K衛星放送対応の分配器が必須となる。
●解説/藤原陽祐(AV評論家)
※価格は記事作成時のものです。