2024年9月20日に発売された「iPhone 16」シリーズ。今年は買い換えようと検討している人も多いだろう。だが頭をよぎるのは、「いつ買い替えればお得なのか」ということ。本記事では、そんな疑問を下取り価格から考察する。
この記事はこんな人を対象に書いています
- iPhoneの最新機種を買いたい人
- 今iPhoneを使っている人
- iPhoneを売ってもいい人
- コスパよくiPhoneを買い替えたい人
まずは結論を発表!「iPhone 12シリーズとiPhone 11(無印)を使っている人」はお得
この記事はとても長くなるので、先に結論を書こう。筆者が考える買い替えるべき人は、「iPhone 12シリーズとiPhone 11(無印)を使っている人」だ。その理由は、この2つのシリーズは「下取り価格」が高く、「1年あたりの支払額のコスパがいい」から。詳しい理由については下記で説明するので、気になった人は読み進めてほしい。
本体は売ることを前提に購入。下取り価格の推移から見る理由
一般的な家電製品をお得に使うなら、安く買い、長く使うのが基本。しかし、iPhoneに関しては必ずしもそうとは限らない。なぜなら「iPhoneは発売から数年以内なら高く売れる」からだ。
これをうまく活用し、iPhoneを適切なタイミングで売ることで実質的な支払額を抑えられる=安くできるわけである。iPhoneを手元に残したい、抵抗がある人もいるだろうが、数万円を失う価値があるかは一考してみてほしい。引き出しに放置したままよりも断然お得なはずだ。
さて、ここでiPhone発売当時の定価とAppleが公開しているiPhoneの下取り額(Apple Trade in)を見てみよう。公開されているのは全機種最大下取り額のみで、容量によってその額は異なるが、全体的な傾向は大きく変わらない(低容量モデルが極端に減額されることはない)と言われている。その前提で話を進めよう。
なお、これ以降、Plusシリーズおよびminiシリーズは比較対象が少ないため原則省略する。また、iPhone Xs MaxはPro Maxシリーズ、iPhone XsおよびiPhone XはProシリーズ相当として扱った。
それでは、発売当初のAppleの定価と下取り額の差(棒グラフ)、つまり実際に支払う金額について見てみよう。上から、Pro Max、Pro、無印のグラフである。すると、iPhone 12シリーズとiPhone 11の実質支払額が安く見えるはずだ。ここまで露骨に差が出るのは円安の影響もあるだろうが、それ以前の実質支払額が高くなっていることを踏まえると、長く使い過ぎるのは損する傾向を示している。
また、発売当初のAppleの定価に対する下取り金額の割合(同図折れ線グラフ)、つまり定価の何割で買い取ってくれるかを見てみよう。すると、Pro MaxとProはiPhone 11シリーズから、無印はiPhone 8シリーズからガクッと割合が減っていることがわかる。つまり、価値が落ちているのだ。これが先ほどの、iPhone 12シリーズとiPhone 11の実質支払額が安くなる理由であり、長く使うと実は損をする原因である。
「長く使えば安い」は間違い? 1年当たりの実質支払額から見る理由
長く使うと損をする、にはもう1つ理由がある。それが1年当たりの実質支払額だ。このグラフは、発売当初のAppleの定価と下取り額の差を使用年数(発売年に購入したと仮定)で割った場合の1年当たりの金額だ。上から、Pro Max、Pro、無印のグラフである。例えば、iPhone 12の場合、価格10万1,800円、下取り額3万2,000円、使用年数4年(202年発売)なので、(101,800-32,000)÷4=17,450円を毎年支払ったと考えることができる。
グラフを見ると、どのグレードでもiPhone 12シリーズ以前はほぼ横ばいになっていて1年当たりの支払額に差はほとんどない。無印についてはiPhone 11は下取り額が高いため未だ割安(4,000円/年ほど安い)だが、iPhone 11 Pro MaxはiPhone 12 Pro Maxとほぼ同じ(むしろ160円高い)である。ちなみに、iPhone 8やiPhone Xが安く見えるのは、そもそもの定価が安いから。
バッテリー交換費用も考えれば、長く使うと損しているかも?
また、長く使う上で忘れてはいけないのがバッテリー代。スマートフォンに限らず、充電式電池は繰り返し使うと充電の最大容量が減ると言われている。iPhoneの場合、本来のバッテリー容量の80%まで低下すると交換する目安とされており、2~3年での交換が推奨されている。筆者はiPhone 12 miniをバッテリー交換せずに使っているが、3年時点で80%程度、4年目となる今年は75%程度になったのでこの傾向は正しいと言えるだろう。
Appleでバッテリーを交換した場合の費用は、iPhone 15シリーズ、iPhone 14シリーズは15,800円、iPhone 13シリーズ、iPhone 12シリーズ、iPhone 11シリーズ、iPhone Xシリーズは14,500円、iPhone SE(第2世代、第3世代)、iPhone 8シリーズ、iPhone 7シリーズは11,200円。これが上乗せされると、その差はどんどん無くなるばかりである。
つまりこれから先、iPhone 12シリーズで粘ってもあまり旨味がない。バッテリーを交換するよりも、下取り額が高いうちに売り、実質支払額を安く済ませ、最新機種を購入するとコスパよくiPhoneを買い換えられるというわけだ。
Apple以外の買取業者で売ればちょっとお得! でも売るなら早めが吉
ここまでAppleが公開している下取り額を参考に話を進めたが、実はもう少し高額で買い取ってくれるところがある。それがイオシスやじゃんぱらなどの買取業者だ。買取業者は数多く存在するため、ここでは大手と言われるイオシスの買取価格を表にまとめてみた。なお、イオシスの下取り価格は幅があるため、平均値を使用している。
Appleの下取り額と比べると、最新機種ほど高額で買い取ってくれることがわかる。シリーズごとの価格の推移はAppleとほぼ同じで、iPhone 11シリーズ以前は急落するので、やはりiPhone 12シリーズを買取額が下がる前に売った方がお得のようだ。
購入の際は最新情報で確認を!
以上、iPhone 16シリーズの発表・発売に伴い買い替えを検討する人に向けて、買い換えのタイミングについて解説した。買い換えの参考・後押しになれば幸いだ。なお、本記事は執筆時点での下取り額を元に考察された内容である。今買い換えてコスパが良いのは、iPhone 12シリーズまたはiPhone 11を持つ人と結論付けたが、買取額は日々変動するため、検討する場合は最新の情報を調べてほしい。