複数のアプリを同時に起動したり、高負荷なアプリを使用したりしていると、処理が追いつかず、OSの動作が極端に重くなり「フリーズ」状態になることがある。そんな時は急場しのぎの策ではあるが、OS環境や設定のカスタマイズで改善できる。Windows10では、仮想メモリーの無効化、電源プランで「最も高いパフォーマンス」を選択する方法など、6つの改善策を紹介する。
とにかくパソコンの動作が遅くてイライラさせられる!
フリーズとは
パソコンのスペックにもよるが、複数のアプリを同時に起動したり、高負荷なアプリを使用したりしていると、処理が追いつかず、OSの動作が極端に重くなることがある。この状態を放置していると、画面をクリックしてもまったく反応しなくなったり、キーボードの入力ができなくなったりなど、パソコンが正常に動作しなくなるおそれがある。
こうした現象をパソコン用語では「フリーズ」といい、最悪の場合、まったく操作を受け付けなくなって、リセットや電源を切るはめになってしまう。主な対策としては、メモリーの増設やSSDへの換装など、性能面を強化することだが、予算的にすぐに対処するのは難しいだろう。
パソコン動作の重さを改善する策は?
OS環境や設定をカスタマイズしよう
そんなときは、急場しのぎの策ではあるが、OS環境や設定をカスタマイズすることでパソコン動作の改善を図ろう。具体的な方策としては、仮想メモリーの無効化をはじめ、視覚効果の軽減、不要なスタートアップアプリやバックグラウンドアプリの停止といったパソコンの負荷を減らすカスタマイズが有効。これらの設定変更を併用することで、ある程度はパソコン動作の重さを改善できるはず。
さらに、OSの動作を安定化させるには、ストレージの空き容量を確保することも重要。不要なアプリをアンインストールしたり、使わないファイルはゴミ箱に捨ててから完全に削除したりなどして、可能な限り多くの空き容量を用意するように心掛けたい。
また、ノートパソコンの場合は、適用される「電源モード」にも注意が必要。というのも、バッテリー動作中は、CPUの性能をあえて落とすことで駆動時間を延ばすモードへ自動的に切り替わるからだ。処理性能を落としたくないときは、バッテリーの減りは早くなるが、パフォーマンス優先のモードに切り替えたほうがいいだろう。
ここをチェック!仮想メモリーを無効化する
「仮想メモリー」はメモリー不足をストレージで補ってくれるが、代わりにファイルアクセスが増加して動作が重くなることがある。メモリー搭載量が十分なら、仮想メモリーを無効化するのも手だ。
ここをチェック!視覚効果をカスタマイズする
10の初期設定ではデザイン優先の「視覚効果」が適用されているが、そのぶん処理は重くなる。これをパフォーマンス優先に切り替えることでパソコンの負荷を減らすことが可能だ。
ここをチェック!不要なスタートアップアプリを減らす
パソコン起動時に自動で立ち上がる「スタートアップアプリ」が多すぎると、メモリーの使用量が当然かさむ。高負荷なスタートアップアプリのうち不要なものがあれば、無効化したほうが無難だ。
ここをチェック!バックグラウンドアプリを停止する
「バックグラウンドアプリ」とは、システムに常駐して動作するアプリのこと。もちろん、こうしたアプリがあまりに多すぎると、メモリー不足に陥りやすくなる。不要なアプリは動作を無効化しよう。
ここをチェック!不要なアプリを削除してストレージの空き容量を増やす
ストレージの空き容量が残り少なくなると、動作が極端に重くなったり、システムが不安定になったりする。不要なアプリを削除するなどして、できる限り空き容量を確保するようにしよう。
ここをチェック!電源プランで「最も高いパフォーマンス」を選択する
ノートパソコンやタブレットなどは、バッテリー駆動中は省電力モードが自動適用される。ただし、処理速度とトレードオフとなるので、動作を優先したければ性能優先のモードへ手動で切り替えよう。
解説/篠原義夫(ガジェットライター)