生活家電のプロという職業柄、「最強の家電は?」という質問をよく受けます。実は、この質問に対する正解はありません。状況、その人の価値観により、大幅に答えが異なってくるからです。例えば「時間あたり最も加湿できる」と「常に一定の湿度に保てる」という場合は、おすすめする加湿器が違ってきます。今回は「使う部屋」と「種類」に視点をおき回答します。超音波式、ハイブリッド式、気化式といった種類から最適な加湿器を選びましょう。
ワンルームにはカドーの超音波式加湿器
「夜以外は外出」という、一人暮らしの人が前提です。
留守の間は、結露対策(カビ対策)のため、室内はなるべく乾燥させておいた方がベターです。
が、帰宅後となると話は違います。インフルエンザ対策、乾燥肌対策も含め、一気に60%前後まで湿度を上げたいモノです。
一気という場合は、「超音波式」の加湿器がお勧めです。
水蒸気ではなく、ミスト(小さな水の粒)で一気に加湿ができるからです。
超音波式のポイントは、水を入れるタンクが小さいのがお勧めです。
と言うのは、冬場は室温が低いので、空気が保持できる水分量が低くなります。そこへ加湿すると、すぐに限界が来てしまいます。
そうすると、窓ガラスのような部屋の中で、温度が低いところから結露が始まります。
日本は、空気中にカビの胞子があります。水とごくごく少しの栄養があればカビが生えます。当然、健康に悪いです。
超音波式の使い方のポイントは、「加湿が十分だ」と思ったら、電源(スイッチ)を切ることです。
超音波式はユニットが小さいため形が自由にできるのがポイントですが、おすすめは、カドーの「STEM620」。
理由は、ミストを出す位置が高いため、人の顔当たりまで確実に、すばやく、加湿してくれるからです。デザインもよく、欧州でも人気のあるモデルです。
カドー
超音波式加湿器 cado
STEM 620 HM-C620-WH
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リビングにはシャープのハイブリッド式加湿器
ワンルームより広く、常時、何人か部屋にいて、夜以外は作動させている部屋という前提です。
こんな部屋には、ハイブリッド式加湿器 シャープ HV-H75 / H55(H75とH55は対応畳数の差)がおすすめです。
このような使い方をするときのポイントは、給水です。いちいちタンクを外し、給水するのは面倒ですし、その時に手が濡れたら、ますますゲンナリしますよね。
HV-H75 / H55 の良さは、やかん、水差しで給水できることです。天面に大きく開いた吸水口から入れるので、子供でもできます。本当にラクラク。
その上、プラズマクラスター付き。インフルエンザウイルスへの対策もぬかりありません。
シャープ
プラズマクラスター搭載 ハイブリッド式 加湿機
HV-H75-W
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寝室にはパナソニックの気化式加湿器
寝室にお勧めは、気化式です。
気化式は、なんといっても静かです。しかし、他の方式(超音波式、ハイブリッド式)よりもゆっくりとした加湿となります。このため、使う時は、2時間位前からつけておくと良いと思います。寝るときの呼吸がすごく楽になります。
おすすめは、パナソニック FE-KXR07です。特に静音性に力を入れたモデルです。
パナソニック
加湿機 気化式 ナノイー搭載 ~19畳
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まとめ
上に挙げた3つのモデルは、それぞれ優れていますが、共通して注意すべき事があります。
それは「水道水を使うこと」と、「メンテナンスを小まめに行うこと」です。
水道水が指定されるのは、もっとも病原菌が少ないよう消毒され、日々検査されている水だからです。
また、水を入れっぱなしにしていると、必ず微生物が繁殖します。健康に良いと思って使っていた加湿器で体を壊したとなると、洒落になりません。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オ
フィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があ
り、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。
生活家電.com
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