骨だしスープで腸を修復し、肌に必要な栄養をとることは、アトピーをはじめ、シミ、シワ、たるみ、乾燥肌、ニキビなど、さまざまな肌トラブルの改善にも役立つでしょう。まずは取り入れやすい方法で実践してみること、そして地道に飲み続けることが大切です。【解説】祖父江千紗(いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック院長)

解説者のプロフィール

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祖父江千紗(そぶえ・ちさ)
いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック院長。三重大学医学部卒業。名古屋市立大学病院勤務医、名古屋市内の内科・皮膚科クリニック院長を経て、2017年より現職。高血圧や糖尿病、アトピー性皮膚炎など、処方薬を使っても治らない慢性疾患を治す方法を探すうちに栄養療法に出合い、現在に至る。薬を処方するだけではなく、食事などの生活習慣の改善も提案。体の中から改善して皮膚を美しくする治療を目指している。

炎症を起こした腸を修復し腸内環境を整えてくれる

皮膚科・美容皮膚科の診療を行っている私のクリニックでは、「皮膚が健康であるためには、体の中が健康でなくてはならない」という考えから、栄養療法に力を入れています。

私は以前、内科・皮膚科のクリニックで院長として勤務していました。しかし、なかなか治せない慢性疾患が多いことから、しだいに薬に疑問を感じるようになりました。

そこで、なんとか治せる方法はないかと模索して、たどりついたのが栄養療法です。研究を重ねた栄養療法をアトピー性皮膚炎だった我が子に実践したところ、症状が軽快。

皮膚への栄養療法の効果を実体験したことで、この手法を患者さんにも役立てたいと思い、現在のクリニックを開業したのです。

肌の不調を訴える患者さんに血液検査をすると、ほとんどのかたが、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しているとわかります。

食べ方の問題で栄養が摂取できていないかたもいれば、食べているのに胃腸障害があり、十分に栄養を吸収できていないかたもいます。

そんな患者さんたちに、私がよく勧めているのが、「骨だしスープ」です。

私は、栄養療法を研究する過程で、骨だしスープのことを知りました。牛、豚、鶏、魚などの骨をじっくり煮込んで作る骨だしスープは、コラーゲン、ビタミン、ミネラルが溶け出て、非常に栄養価が高いのが特長です。

そして、腸粘膜を修復するアミノ酸(たんぱく質の構成成分)が多く含まれているため、炎症を起こした腸を修復し、腸内環境を整えてくれる働きもあります。

便秘と乾燥肌が解消し化粧水も必要なくなった

アミノ酸やビタミン、ミネラルは、健康な皮膚や髪を作るために欠かせない栄養素です。コラーゲンも、肌と髪に潤いやハリを与えます。

肌トラブルには、胃腸の不調も関連します。食べ過ぎなどで胃腸が弱り、炎症が起こると、体の表面である皮膚も荒れてくるのです。

特にアトピーの患者さんは、おそらく、多くが「腸もれ(=リーキーガット症候群。慢性的な炎症によって腸の粘膜にすきまができ、細菌や毒素がもれ出す疾患)」ではないか、という印象を持っています。

骨だしスープで腸を修復し、肌に必要な栄養をとることは、アトピーをはじめ、シミ、シワ、たるみ、乾燥肌、ニキビなど、さまざまな肌トラブルの改善にも役立つでしょう。

私自身、2人めの子供を出産した約3年前から骨だしスープを飲み始め、体調が大きく変化しました。

それまでは、昼寝をしないと体が持たないほど疲れていたのですが、骨だしスープを飲むようになってからは、便秘が解消し、イライラも減るなど、すっかり元気になりました。

また、肌がキレイになり、皮膚に厚みが出てきたように思います。乾燥肌も悩みでしたが、今は化粧水すら必要ありません。

アトピー性皮膚炎の患者さんの症状が改善した症例もあります。

全身の皮膚がガサガサで、皮がめくれるほど重症だったかたが、骨だしスープとサプリメントを飲み続けたところ、ステロイドの塗り薬が不要になるまでに改善しました。このかたは、食生活を見直されたことが、改善した要因でしょう。

炊飯器で楽々!まずは取り入れやすい方法で

骨だしスープは、市販品でもかまいませんが、自分で作るのがいちばんです。自分で食材を選べば安心ですし、入れる物によって味に変化が出るので、飽きることもありません。また、たくさん作れば安上がりです。

とはいえ、鍋で何時間もコトコト煮込むのは大変です。そこで今回は、簡単に作る方法として、炊飯器で作る骨だしスープレシピをご紹介しましょう(作り方は下記参照)。

夜、寝る前に炊飯ボタンを押して、翌朝にもう一度炊くだけで完成します。非常に簡単です。

鶏の手羽元や手羽先は、遺伝子を組み換えた飼料や成長ホルモン、抗生剤を与えられていない、放し飼いされている鶏を選ぶのが理想です。骨や脂に毒素が集まるので、材料は可能な限り厳選してください。

出来上がった骨だしスープは、お茶がわりに飲みましょう。1日に何杯飲んでもけっこうです。ただし、お茶がわりに飲む場合は、味つけはあまり濃くしないでください。ちなみに私も、水筒に入れていつも飲んでいます。

やわらかく煮えた肉の部分は、骨からホロリと外れます。私はこれにポン酢をかけて、おかずの一品として食べています。もちろん、そのままスープの具として食べてもかまいません。

骨だしスープで雑炊や茶碗蒸しを作ると、子供も喜んで食べてくれます。栄養豊富なので、私は離乳食にも利用していました。

炊飯器で作るのも面倒なかたは、添加物ゼロの、市販のだしパックから始めてみてはいかがでしょうか。カツオやサバからとった日本のだしも、りっぱな骨だしスープです。

骨だしスープの恩恵を得るには、まずは取り入れやすい方法で実践してみること、そして地道に飲み続けることが大切です。ぜひ、皆さんもお試しください。

祖父江式「炊飯器で作る骨だしスープ」の作り方

画像1: 祖父江式「炊飯器で作る骨だしスープ」の作り方

【材料】
鶏の手羽元または手羽先…6〜8本
酢…大さじ1、水…適量

※好みでショウガやネギなどの香味野菜、ニンジン、ゴボウ、タマネギなどの根菜類をいっしょに煮込んでもよい。

【作り方】

画像2: 祖父江式「炊飯器で作る骨だしスープ」の作り方

鶏肉を炊飯器の釜に入れ、水を5合の目盛りまで入れたら酢を加え、普通に炊く。

画像3: 祖父江式「炊飯器で作る骨だしスープ」の作り方

炊き上がり、保温モードで3時間ほど経ったら、水を5合の目盛りまで足し、もう一度炊いたら完成。夜にセットした場合は、朝にもう一度炊けばよい。煮込んだ具材も食べてよい。
※釜ににおいがつきやすくなるので注意。

【食べ方】
・1日に何杯飲んでもよい。ただし、お茶がわりに飲む場合は、味つけを濃くしないこと。
・味つけにミネラルが豊富な天然塩、または無添加の液体だしを加えてもよい。ただし、塩を入れてから炊くと、骨からミネラルが出にくくなるため、完成後に加えること

画像4: 祖父江式「炊飯器で作る骨だしスープ」の作り方
画像: この記事は『壮快』2019年1月号に掲載されています。

この記事は『壮快』2019年1月号に掲載されています。

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