体力がない時でもOK!体に優しいズボラ飯「骨だしスープ」レシピ

美容・ヘルスケア

ずぼら骨だしスープだけで、足りない栄養を十分補えるわけではありません。それでも、温かいスープを飲むと食欲が出てきて、ほかの物を食べられるようになります。また、スープを口にできたことで、ご本人もご家族も、とても安堵されます。このスープをきっかけに、体力が回復したり、元気がわいてきたりするのです。【解説】岩田美絵(鍼灸あん摩マッサージ指圧師)

解説者のプロフィール

岩田美絵(いわた・みえ)
鍼灸あん摩マッサージ指圧師。INFA(国際エステティック連盟)認定エステティシャン・ゴールドマスター。北里大学東洋医学総合研究所で研修を積み、ソーケンメディカル、蓬治療所阿佐ヶ谷などを経て現在、都内で完全予約制の出張型治療院を開いている。ガンやアトピー性皮膚炎、婦人科疾患や自己免疫疾患などに悩む患者に対し、自然治癒力を活かした治療や医療選択のアドバイスを行う。

義母から教わった命のスープ

私は、鍼灸師として治療活動を行いながら、自然療法や代替療法などを求める患者さんのお手伝いも行っています。

私が、ガンやアトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎などの患者さんに勧めている「ずぼら骨だしスープ」は、夫の祖母の代から岩田家に伝わる鶏スープの簡易版です(作り方は下記参照)。

本来は、鶏の手羽中を3~4時間コトコト煮込んで作るのですが、それを私に教えてくれたのは、末期ガンに冒されていた義母でした。

10年ほど前、病院から「治療の手は尽くした」と宣告された義母は、自宅で療養していました。そのとき最後の力で台所に立ち、私に鶏スープの作り方を教えてくれたのです。このスープとコンブだしをベースにして作る義母のおでんは、絶品でした。

義母は、食欲が落ちても私が作った鶏スープだけは飲んでくれて、とても穏やかな最期を迎えました。そのとき私は、「このスープから義母は命をもらい、育んでもらったのだ」と感じたのです。

この体験から、私は末期ガンで食欲の落ちた患者さんなどに、鶏スープを勧めるようになりました。

東洋医学において鶏スープは、血流をアップさせる薬膳として活用されてきました。また、アメリカでは、「カゼを引いたらチキンスープ」といわれており、スーパーでは、缶詰めで鶏スープが売られています。

介護で忙しいご家族でも作れる

私は、発達障害の治療に骨だしスープが海外で使われていることを知り、関心を持つようになりました。骨だしスープとは、肉や魚などを骨ごと煮込んだスープのことです。

ずぼら骨だしスープは、義母から教わったレシピを、さらに簡単にした方法で作ります。火にかける時間はせいぜい20分くらいで、あとは毛布にくるんで保温するだけ。時間も手間もかからないため、ずぼらな私でも続けられます。

ただし、さらにコトコトと煮込む、骨だしスープほどの栄養価はありません。しかし、ずぼら骨だしスープなら、体力の落ちた患者さんや、介護で忙しいご家族でも作れます。そこが、ずぼら骨だしスープのいちばんよいところです。

ガン患者さんのなかには、過剰な食事制限を取り入れているかたがいます。体力のないときに無理して食事制限を続けると、逆に体調をくずしかねません。それで食事ができなくなったら、病気と闘う体力すら落ちてしまいます。

ずぼら骨だしスープだけで、足りない栄養を十分補えるわけではありません。それでも、温かいスープを飲むと食欲が出てきて、ほかの物を食べられるようになります

また、スープを口にできたことで、ご本人もご家族も、とても安堵されます。このスープをきっかけに、体力が回復したり、元気がわいてきたりするのです。

ただ、少し鶏の臭みがあるので、菜食を旨とされるかたなど、なじめないかたもいるでしょう。その場合は、お湯で少し薄めたり、みそ汁にスープを加えたりすると飲みやすくなります。

長時間火かげんを見る必要なし!

岩田式「ずぼら骨だしスープ」の作り方

我が家では、暑い時期を除いて、週に1回はずぼら骨だしスープを作ります。休日にまとめて作って冷蔵庫に保存しておき、毎日少しずつとります。

そのままスープとして飲むほか、冷蔵庫に入れると鶏のコラーゲンが固まるので、それを大さじに山盛り2杯ほどすくい、お湯やみそ汁に入れて飲んでいます。

時間が経つと少し臭みが出てくるので、2日めはトマトスープ、3日めはカレーやシチューというように、だんだん味の濃い料理に使います。こうして、3〜4日で食べ切ります。取り出した肉は、甘辛く煮ておかずの一品にしています。

【調理器具】
鍋、新聞紙、毛布
【材料】
骨つき鶏手羽先(手羽元でも可)と水…各適量

よく洗った手羽先を大きめの鍋に並べ入れ、鶏肉がひたひたになる程度まで水を注ぐ。
吹きこぼれに注意しながら、沸騰するまで中火で煮立たせる。沸騰したらアクを取り除く。

ふたをして5~10分ほどグラグラと煮込んだら火から下ろし、新聞紙、毛布の順に鍋をくるむ。6~8時間保温すれば完成。

【注意点】
⃝夏場は傷みやすいため、保温は避ける。1時間ほど煮込んだら鍋ごと急冷し、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存すること。
⃝冬場は、毛布で包んだ鍋を布団の中に入れて保温するとよい。

【保存方法】
粗熱が取れたら保存容器に移し、冷蔵庫に入れる。3~4日保存可能。冷やすと表面にできる脂の膜をスプーンで取り除くと、加熱の際、臭みが消えやすくなる。

【お勧めのとり方】
冷えてゼリー状になったスープを、お湯やみそ汁、ほかのスープなどにスプーン数杯分溶かし入れて飲むとよい。

私自身、胃腸の不調が改善しふらつきも消えた

ここで、ずぼら骨だしスープによって元気を取り戻せたかたの症例を、ご紹介しましょう。

Aさん(60代女性)は、悪性リンパ腫で7年間闘病されましたが、いよいよ危険な状態になり、唯一受け入れてくれた病院で、抗ガン剤治療を受けました。ところが、治療中から食欲が落ちて、食べ物を全然受けつけなくなりました。

そこで、私が、たんぱく質補給のために、骨だしスープとゆで卵をとるように勧めたところ、普通の生活ができるほどお元気になりました。そうして、ご自分でも作り続けながら、1年間もがんばることができたのです。

私自身も、若いころからずっと自己炎症性疾患を抱えていて、数年前から疲れやすい、呼吸がしにくい、ふらつくなどの症状が出るようになりました。

骨だしスープを飲み始めたのも、炎症を少しでも抑えたかったからです。その後、3年くらいかかりましたが、それらの症状はほぼ解消しました。

消化力の改善にも役立ちました。私は昔から胃もたれしやすく、おなかが張りがちでしたが、そんな胃腸の不調が、ずぼら骨だしスープのおかげで、すっかりよくなったのです。

重症の患者さんの場合、お椀1杯分だけでも飲めたら上出来です。体力回復に役立つずぼら骨だしスープを、ぜひ参考にしてください。

この記事は『壮快』2019年1月号に掲載されています

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