イギリスの電気機器メーカー・ダイソン(dyson)が始めたノーズレスのヘアドライヤー。ノーズレスドライヤーとは、「風」の吹出し口に当たる「ノーズ(鼻)」部分を省略したデザインのヘアドライヤーのことですが、今この形状のデザインに注目が集まっています。ダイソンの Supersonic Ionic と、カドークオーラの BD-E1 の2モデルを比較してみました。
プロの美容師が次々とダイソンのドライヤーに変更
私が、ファッションショーなどに関わるプロの美容師が、ダイソンのノーズレスドライヤーを支持していると聞いたのは、2018年5月。これを後追いするように、2018年秋に、理美容家電メーカーのカドークオーラからノーズレスドライヤーが発売されました。
こちらも始めからプロモデルを用意しています。ノーズレスドライヤーが、プロにうける理由はどこにあるのでしょうか。
「弘法筆を選ばず」という言葉がありますが、それは空海のように天才中の天才の話です。どうしようもない時ならいざ知らず、普通のときは、当然自前の使い慣れた道具を使います。
ところが、ダイソンがノーズレスドライヤーを発表して以来、そのプロたちが、自前の「鼻あり」のドライヤーから「鼻なし」のドライヤーへ、どんどん切り替えようとしています。
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低温・大風量型だから近距離から当てても髪の毛は傷まない
その理由は、形状にあります。
女性の髪で一番乾かしにくいのは後ろ髪、襟元に近いところです。とにかく髪の毛が多いですからね。長いノーズと手を使って、掻き分け掻き分け、乾かしていくのが今までの方法でした。
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ところが、長いノーズが付いているよりも、長いノーズが付いていないほうが、風を髪の内側へスーッと潜り込ませることができることが分かったのです。しかも、ダイソンも、カドークオーラも、低温・大風量型なので、近距離から当てても髪の毛は傷みません。
外から、ちょっとずつ内側に乾かすのではなく、内側からも乾かすことができる。こうなると、仕上がり時間が短くて済みます。
プロの料理人もそうですが、プロの美容師は日に何人もの対応をします。
当然、結果が同じ場合、プロは「時短」が可能な方法を選択します。そうでないと、時間が幾らあっても足りません。
特にファッションショーは、歌舞伎でいう「早変わり」の様なものが必要ですから、舞台裏はもう大変。そんなところへ、髪の毛を傷めず、しかも時短が可能というドライヤーが出たわけですから、人気も当然といえます。
短めのヘアスタイルが多い男性だと余り感じられないことですが、髪が命の女性にとっては「時短」はすこぶる重要なことです。
ダイソンもいいけどカドークオーラもいい!
今、こうした形を取っているのは、ダイソン Dyson Supersonic Ionic と、カドークオーラ BD-E1 の2モデル。
「カドークオーラ」は初めて聞くと言う人も多いと思いますが、日本の空調家電メーカー「カドー」と韓国SKグループの「SKネットワークス」が販売する理美容家電の開発、生産を行うメーカーです。技術はカドー中心。空気の整流は得意分野です。また韓国は美容大国としても知られています。
ただし値段は、ブランド力の差があり、ダイソンはカドークオーラの2倍近くします。
ちなみに、プロ用の場合、一般用と一番違うのは、コードの長さ。3mはあります。
そうしないと、広い室内を縦横無尽に動きながらのヘアスタイリングには使えません。が、その分重いです。家庭で使うドライヤーに、プロ用はお勧めしません。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オ
フィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があ
り、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。
生活家電.com
http://www.seikatsukaden.com/