2019年大注目のドライブレコーダーを昼夜実走テストで比較した。セレクトしたのは人気の前後2カメラ型の7モデル、360度型の2モデルの最新9機種。テスト項目は、設置性、フロント昼間画質/夜間画質、リア昼間画質/夜間画質、操作性の6つを各10点満点で採点。あなたにピッタリの最強のドラレコを見つけてほしい!
都内を昼夜実走して、注目モデルを全方位チェック!
前後2カメラ&360度カメラの9機種でテスト
今回のテスト機には、注目度抜群の前後2カメラ型の7モデルに加え、360度型の2モデルを加えた最新の9機種をセレクト。走行テストは、東京都内のお台場周辺を中心に昼夜をまたぎ行った。
テストに使ったクルマはこれ!
フォルクスワーゲン ポロGTI
テスト項目は、2カメラ型も360度型も共通とし、設置性、フロント昼間画質/夜間画質、リア昼間画質/夜間画質、操作性の六つを各10点満点で採点した。
カメラの画質については、フロントカメラでは、昼間は、カメラの画角や鮮明度を確認。前方車のナンバーが読み取れるか、トンネルから出た際の輝度差をどう処理するかなどもチェック。
夜間は、映像の再現性、ノイズの発生具合、解像度などを検証した。リアカメラでは、スモーク仕様のウインドーがカギとなる。一般に、昼間は十分な輝度が確保できるため、鮮明さは増す印象だが、夜間は輝度が落ちるため、カメラにとって厳しい条件となり、差が出やすい。
操作性については、ボタンの押しやすさやメニュー画面のわかりやすさなどを評価している。
今回テストしたモデルの主要スペック一覧
メーカー・製品名 | 発売年月 | 実売価格例 | 記録解像度(ドット) | カメラ画角 | microSDカード (付属/最大) |
モニター | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2カメラ型 | オウルテック OWL-DR801G-2C |
2018年12月 | 2万6460円 | 1920×1080(前) 1280×720(後) |
対角135°(前) 対角120°(後) |
16GB/128GB | 2.7型 |
ケンウッド DRV-MR740 |
2018年10月 | 3万6600円 | 1920×1080(前) 1920×1080(後) |
対角111°(前) 対角111°(後) |
16GB/32GB | 2.7型 | |
セルスター工業 CSD-790FHG |
2018年6月 | 3万7740円 | 1920×1080(前) 1280×720(後) |
対角141.8°(前) 対角127°(後) |
16GB/64GB | 2.4型 | |
データシステム DVR3100 |
2018年10月 | 3万4800円 | 1920×1080(前) 1920×1080(後) |
対角140°(前) 対角140°(後) |
16GB/64GB | 3.0型 | |
パイオニア VREC-DH700 +ND-BC8II(別売) |
2018年10月 | 2万3500円 ※ND-BC8IIは 1万249円 |
2304×1296(前) | 対角132°(前) | 16GB/32GB | 2.4型 | |
パパゴジャパン GoSafe S36GS1 |
2018年6月 | 2万3050円 | 1920×1080(前) 1920×1080(後) |
対角140°(前) 対角180°(後) |
32GB/128GB | 2.7型 | |
ユピテル DRY-TW9100d |
2018年10月 | 3万4560円 | 1920×1080(前) 1920×1080(後) |
対角151°(前) 対角157°(後) |
16GB/32GB | – | |
360度カメラ型 | カーメイト ダクション360 S |
2018年11月 | 6万4584円 | 1920×1080(前) 2880×1440(全天球) |
全天球360° | -/32GB | – |
コムテック HDR360G |
2018年7月 | 3万2520円 | 1856×1856(全天周) | 全天周360° | 16GB/32GB | 2.4型 |
結果
フロントの画質はどのモデルも及第点。リア画質の差が大きい!
ソニー製CMOSの採用が画質を大きく左右する
テストを振り返ると、画質は、やはりセンサーによるところがとても大きいことを実感した。STARVISなどのソニー製センサーを搭載した機種が、軒並み高得点をマークしたからだ。STARVISは裏面照射型で、特に暗いところでの特性に優れるが、昼間の映像も、高コントラストで鮮明さが際立っていた。
ただし、フロントの画質だけなら、どの機種も十分な解像度を備えており、リアへの対応をどこまで求めるかが、選択時の大きなポイントになる。“あおり運転”対策を重視するのなら、リアカメラの画質や画角にも注目すべきだろう。
次に、使い勝手を見ると、撮影した映像をチェックするのはパソコンかスマホとなる。しかし、意外にも2カメラに対応していないアプリがけっこうあった。前・後の映像をアプリ上で切り替えられないのは、2カメラモデルとして不十分といわざるをえない。
●ドライブレコーダー最新モデル実走テストまとめ
メーカー・製品名 | 設置性 | フロント 昼間画質 |
フロント 夜間画質 |
リア 昼間画質 |
リア 夜間画質 |
操作性 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
パパゴジャパン GoSafe S36GS1 |
6 | 10 | 9 | 10 | 8 | 6 | 49 |
ユピテル DRY-TW9100d |
9 | 7 | 7 | 10 | 8 | 7 | 48 |
ケンウッド DRV-MR740 |
7 | 9 | 9 | 8 | 7 | 7 | 47 |
データシステム DVR3100 |
7 | 8 | 8 | 9 | 7 | 6 | 45 |
セルスター工業 CSD-790FHG |
8 | 8 | 9 | 6 | 5 | 8 | 44 |
オウルテック OWL-DR801G-2C |
6 | 8 | 8 | 7 | 4 | 5 | 38 |
パイオニア VREC-DH700 |
4 | 8 | 7 | 5 | 4 | 9 | 37 |
カーメイト ダクション360S |
9 | 7 | 6 | 4 | 3 | 7 | 36 |
コムテック HDR360G |
9 | 6 | 5 | 4 | 3 | 8 | 35 |
最新ドラレコ
おすすめモデルはコレ!
こうした点を踏まえたうえで秀でていたのが、パパゴだ。ソニー製センサーを前・後に使い、映像処理の巧みさも際立った。
パパゴジャパン GoSafe S36GS1
実売価格例:2万3050円
GoSafe S36GS1
GSS36GS1-32G
ユピテルは、リアを含め、画質は高評価だが、モニターを備えていないため好みが分かれるだろう。ケンウッドは、フロント、リアともに十分な画質だったが、特筆すべき点がなかったのが、トップに届かなかった要因だ。
データシステムは、ソニー製センサーの実力をうまく生かしきれてない印象だ。セルスターは、ビューワーアプリの使い勝手が特によかった。
360度型は、周囲すべてを撮影することを売りとするが、後方まではさすがにカバーしきれないし、切り出した画質でも劣る。ただ、左右方向の状況に対応できるし、駐車監視機能でもメリットはある。
ニーズをよく見極めて選ぶべきだ。
※価格は記事作成時のものです。
解説/会田肇 (自動車評論家)撮影/河野公俊