ミラーレス一眼登場からすでに10年余り。まず、ミラーレス一眼選びで大切なのは「撮像センサー」のサイズ。それぞれのメリットデメリットをふまえた上で、自分に合った一台を見つけてほしい。ここでは、価格が手ごろで初心者向きの「エントリークラス」のミラーレス一眼を5機種紹介しよう。
最新ミラーレス一眼おすすめモデル発見図鑑
パナソニックのLUMIX DMC-G1から始まったミラーレス一眼の歴史も、すでに10年余り。当初は撮像センサーサイズの小さなマイクロフォーサーズ機だけだったが、程なく一眼レフで主流となっていたAPS-Cサイズ機も加わった。そして2013年、ソニーが初のフルサイズミラーレス一眼となるα7を発売。それから約5年がたった今、キヤノン、ニコン、パナソニックの3社がフルサイズミラーレス一眼の市場に参入。カメラ選びの幅がぐんと広がった。
ミラーレス一眼(一眼レフも同様だが)を選ぶうえでの大切なポイントとして、撮像センサーのサイズをどう考えるかという問題がある。フルサイズには高感度やボケの大きさといった写りの面でのアドバンテージがあるが、その半面、対応するレンズが大きく、重く、高価になりがち。そのため、より軽快で予算を抑えやすいAPS-Cサイズ機やマイクロフォーサーズ機に注目する人も多い。
撮像センサーサイズのそれぞれにメリットとデメリットの両方があることをしっかりと頭に置いて、このあとのおすすめモデル発見図鑑をお読みいただきたい。
この記事では「エントリーモデル」を5機種紹介しよう。
エントリークラスのおすすめ5機種はコレ!

- オリンパス
- PEN E-PL9
- キヤノン
- EOS Kiss M
- ソニー
- α6400
- パナソニック
- DC-GF10
- 富士フイルム
- X-T30
エントリークラス①
オリンパス PEN E-PL9
実売価格例:4万8020円(ボディ)

●サイズ/幅117.1㎜×高さ68㎜×奥行き39㎜●重量/380g
主要スペック
●撮像センサー 4/3 LiveMOS
●有効画素数 1605万
●最大連写速度 8.6コマ/秒
●最高感度 ISO2万5600
●電池寿命(CIPA) 350枚
●自分撮りもできるタッチパネル対応チルト式モニター

液晶モニターは3.0型のチルト式で、自分撮りにも対応。タッチパネルの使い勝手もよく、触れてピントを合わせるタッチフォーカス撮影もしやすい。
●明るい単焦点との組み合わせが有効

単焦点のM.25ミリ F1.8で撮影。背景を大きくぼかして撮れるし、キットレンズが苦手な暗いシーンでもブレを減らせる。余裕があれば、買い足しをおすすめする。
ローエンドながら上質なデザインにこだわったモデル。薄型の電動式標準ズームとの組み合わせで473グラムと、ライバル機と比べるとやや重めだが、持ち歩きが苦になるほどではないし、指掛かりのいいグリップのおかげでホールド感はいい。
チルト式モニターを下方向に180度まで開くと、自動的に自分撮りモードに切り替わる。瞳AFや肌を滑らかに仕上げる機能もあって、スマホアプリと連係し、撮ったその場で「インスタグラム」などに投稿するのも容易だ。
手ブレ補正はボディ内蔵で、補正効果はシャッター速度3.5段分。数値的にはやや物足りないが、実写での印象はスペック以上に実力がある。暗めの照明のレストランや旅先での夜景などをねらいたい人には強い味方になってくれる。
ピント合わせは、121点のコントラスト検出。一般的なシーンなら、快適に撮れるスピードだ。画面の広い範囲をカバーしており、カメラ任せの自動選択でも高精度にピントを合わせてくれる。ただし、動きの速い被写体への対応力はあまり高くないので、スポーツ系の撮影は要注意。
撮像センサーの小さなマイクロフォーサーズだけに、高感度での画質はいま一つ。暗めのシーンでは、手動で感度を設定できるモードに切り替え、できるだけ低感度で撮るように心がけるといい。
キットに同梱の標準ズームの描写はシャープで申し分ないが、可能ならM.25ミリF1.8やM.45ミリF1.8といった明るめの単焦点レンズを買い足すのがおすすめ。背景を大きくぼかすことができるので、人物はもちろん、草花や小物を撮るときにも便利だ。
採点
キレのいいシャープな描写。高感度はいま一つなので、明るい単焦点レンズが欲しい
画質 | ★★ |
---|---|
機能 | ★★★ |
操作性 | ★★ |
総合評価‥‥‥B
高感度には弱いが、キレのいいシャープな描写は見どころ。
瞳AFやタッチフォーカスなどの機能も充実している。
こんな人におすすめ!
自分撮り機能の多彩さとスペック以上に強力なボディ内手ブレ補正が魅力。キットレンズも小型なので、常時持ち歩きたい人に好適だ。