【破損?寿命?】SDカードを復元させる方法 認識しない 読み込まない時のフォーマット方法と修復アプリ

Windows

SDカードは、記録メディアとしては頑丈なほうではあるが、間違った使い方をすれば当然壊れてしまう。書き込み回数にも限りがあり、いずれは寿命を迎える定めにある。とはいえ、SDカードの調子が悪くなったら、もはや打つ手なしかというと、決してそういうわけではもない。もちろん、完全に壊れたSDカードからデータを復旧するのは個人レベルでは手に負えないが、かろうじてパソコンで認識するのなら、対処法がいくつかある。今回は、そうした方法の中でも、特にビギナー向けのものを取り上げていく。

まずは本当に壊れているか再確認してみよう

つい先ほどまで問題なく使用できたSDカードが突然、データの読み書きができなくなってしまうと、やはり誰しも慌ててしまうものだ。焦りのあまり、ろくに確認せず「壊れた」と決めつけてしまうかもしれないが、実は「壊れていない」可能性もある。

まず手始めにチェックしてほしいのが、SDカードを挿している側の機器――例えば、パソコンやデジカメ、スマホなどの動作だ。
これらの機器に、問題のない別のSDカードを挿し込んでみて、もし読み書きに不具合があるようだったら、SDカードではなく「機器」側でなんらかの問題が生じている可能性が極めて高いといえる。

無論、機器側が機械的に故障している場合は、さすがに個人では手に負えないが、システム面の問題だけならリセットや初期化で改善する見込みもある。
また、パソコンの場合は、念のため、メモリーカードリーダー関連のドライバーを最新バージョンに更新してみるのも手だ。

なお、メーカーによっては、SDカードが認識しない場合の対処法を、サポートページで公開している場合も少なくない。
特に、大手パソコンメーカーである東芝やNECでは、具体的な対策を公開しているので、興味があるなら目を通しておくことをオススメする。

リセットやドライバーの更新など、考えうる手立てをすべて試しても一向に効果がないなら、機器の故障と判断できる。その場合は、メーカーの相談窓口等に連絡して、サポートを依頼するといだろう。

一方、別のSDカードが問題なく認識するなら、残念ながら当該SDカードでなにかしらトラブルが起きている疑いが濃厚だ。

無料アプリでデータ復元を試してみる

SDカードの調子が悪いときは、まずフォーマットを試してみるのがセオリーだが、プライベートな写真や動画など、重要なデータを保存している場合は、そう簡単に初期化するわけにもいかないだろう。
そんなときは無料アプリを使って、データ復元を試してみるといい。

この手の復元アプリはいくつかあるが、無料系で特に評判がいいのがWindows向けアプリ「Recuba」だ。海外アプリだがインターフェイスは日本語化されているので、ビギナーでもさほど難しいことはないはずだ。

さすがに、Windowsで完全に認識しなくなったSDカードのデータを復元するのは無理だが、エクスプローラ上にSDカードが「ドライブ」や「リムーバブルメディア」として表示されているのなら、まだ復元の見込みがある。

www.ccleaner.com

Recubaをもってしても必ずしも全データを復元できるわけではないが、どのみち何もしなければ一つもデータは戻ってはこない。少しでも回収できる見込みがあるのなら、それに賭けてみてもソンはないはずだろう。

「Recuba」でデータ復元をしてみよう

まず公式サイトでアプリを入手しよう。

・公式サイトはこちら

公式サイトにアクセスしたら、「CCleaner.com」をクリックしてダウンロード先に設定する。

別ページに遷移後、ダウンロードが自動的に始まる。ダウンロードが始まらない場合は、「Start Download」ボタンをクリックしよう。

ダウンロードした「rcsetup153.exe」(末尾三桁の数字はバーションアップで変更される可能性がある)を実行して、セットアップを起動する。

セットアップでは、初期設定でシステムクリーナーの「CCleaner」が自動インストールされるようになっている。今回の作業では不要なため、画面下部のチェックボックスから「No Thanks, I don’t need Ccleaner」を選択して自動インストールを無効化しよう。もちろん、必要ならそのままでも構わない。

また、言語設定を「Japanese」に変更しておけば、日本語版のアプリをインストールしてくれる。

設定が済んだら画面中央の「Install」を実行しよう。

セットアップが完了したら、「Run Recuva」を実行する。

Recuvaのウィザード画面が起動するが、今回は不要なので「キャンセル」をクリック。

Recuvaのメイン画面が起動したら、選択ボックスからSDカードのドライブを選択する。

なお、ドライブ番号や名称などは、パソコン環境によって異なってくるので、間違いなくSDカードを選択するように注意しよう。

Dカードの選択が済んだら、「オプション」→「動作」タブを表示。続いて、「未削除ファイルを検索:破損または再フォーマットされたディスク修復用」と「フォルダ構成も復元」をそれぞれチェックして「OK」をクリックする。

これで準備は完了。メイン画面の「スキャン」をクリックしよう。

SDカードのスキャンが開始する。SDカードの容量や使用状況などに応じて相応の時間が掛かるので、しばらく待とう。

スキャンが終わると、復元可能なファイルの一覧が表示される。ファイル名左端の丸アイコンが「緑色」は高確率で復元可能、「黄色」は中確率、「赤色」は復元不可であることをそれぞれ示す。

復元したいデータがある場合は、ファイル名左のボックスをチェックにして、画面右下の「復元」をクリックすればOKだ。全データの復元を実行したい場合は、ファイルリスト左上のボックスをチェックすれば、全ファイルを一括選択できる。

フォーマットでSDカードの不具合をリセットする

必要なデータが特にない、あるいはRecuvaなどの復元アプリを使ってデータの回収が一通り終わったあとは、認識不良のSDカードを元の状態に戻せるか試してみよう。

認識不良のSDカードを元の状態に戻すには、なんといっても「フォーマット」が最も効果的だ。ただし、一口に「フォーマット」といってもさまざまな方法がある。

・Windows標準のフォーマット機能
・デジカメやスマホなど、機器側のフォーマット(初期化)機能
・専用アプリを利用したフォーマット

ビギナー向けのフォーマット方法を大別すると、上記の3つが挙げられる。

まずはWindows標準、次に機器側のフォーマット機能を実行し、それでも正常にフォーマットできないときは、最後の手段として「専用アプリを利用したフォーマット」を試してみよう。

フォーマット専用アプリで特にオススメなのが、「SDアソシエーション」が配布しているフォーマットアプリ「SDメモリカードフォーマッター」だ。

・配布先はこちら

聞き慣れないかもしれないが「SDアソシエーション」とは、平たくいえばSDカードの規格策定を行っている業界団体のことだ。パナソニックとサンディスク、東芝を始め、約900社もの企業が会員として名を連ね、SD規格の設計と開発にあたっている。

つまり、この「SDメモリカードフォーマッター」は、いわばSDカードの「生みの親」自ら提供しているアプリだということだ。

それだけで信頼性の高さがうかがい知れるというものだが、実は、本アプリを使ってSDカードをフォーマットすると不具合が改善する場合がある。確実にうまくいくとはいえないが、何もしないまま手をこまねいているよりは試す価値は十分あるだろう。

ただし、フォーマットを実行すると、当然、保存データはすべて消去されてしまうほか、最悪の場合、ただでさえ調子の悪かったSDカードを完全に破壊してしまうリスクもある。くれぐれも自己責任で行ってほしい。

「SDメモリカードフォーマッター」でSDカードを初期化する

ダウンロードしたファイルを解凍したら、「SD Card Formatter 5.0.1 Setup JP」を実行してセットアップを起動する。

セットアップが完了したらアプリを起動。
まずフォーマットするSDカードを「カードの選択」から選び、「フォーマットオプション」は「上書きフォーマット」を指定する。

あとは、画面右下の「フォーマット」をクリックすれば、SDカードの初期化が開始する。もちろん、SDカードの内容はすべて消えてしまうほか、最悪の場合、SDカードに致命的なエラーが発生する可能性もありうる。くれぐれも自己責任で行ってほしい。

フォーマットが無事完了したら、まずSDカードでデータの読み書きが正常に行えるか試してみよう。問題なければ、フォーマットがうまくいってSDカードの復旧が成功したということになる。

どうしても認識不良が直らないときは……

SDカードメーカーのサポートリンク一覧

フォーマットを試してみてもSDカードの不具合が直らない場合は、残念ながら寿命や故障など、致命的な問題が発生している公算が極めて高い。

また、フォーマットなどの対策で一時的に回復したように見えても、少し経つとまたもやファイルの読み書きでエラーが頻発したり、機器側で認識できなくなったりする場合は、正直なところ、いつ完全に壊れてもおかしくない不安定な状態になっている可能性が濃厚だ。

こうした場合は、保証期間内なら早めにSDカードのメーカーに連絡して、適切なサポートを受けるのがベストだ。

SDカードの保証期間は1年限りの家電などに比べて、3年、5年、あるいは永久保証といった具合に長めに設定されている場合が多く、とっくに保証切れだと思っていても、実際にはまだ期間内というケースが少なくない。

ただし、筆者の経験上、SDカードのサポートは、修理対応やデータ復元は対象外の場合がほとんどで、原則、同等品との交換対応になることが非常に多い。
つまり、失われたデータは、いくらメーカーのサポートにすがったところで戻ってはこないということだ。

SDカードはもちろん、HDDやSSDなど、記録メディアはどんなものであれ、寿命というものがある。万が一を考えて、重要なデータは定期的にバックアップしておくことが肝要だ。

なお、参考までにSDカード関連の代表的なメーカーのサポート先リンクを下記に掲載した。
サポートを受ける際には、基本的に保証書に加え、レシートや納品書などの購入証明が必要となるほか、不具合の内容もあらかじめ整理しておくようにすれば、スムーズにサポートを受けられるはずだ。

まとめ

壊れたと思ったSDカードが無事復活したらそれが何よりだが、これを機にSDカードも消耗品という意識もしっかり持ったほうがいい。利用頻度にもよるが、大体2~3年周期で新品に買い換えたほうがデータ消失のリスクを大幅に軽減できるはずだ。

幸いなことにSDカードの価格下落は非常に激しく、これまで同様、数年先もより大容量のSDカードを手頃な価格で入手できるようになっている可能性が高い。
買い替えのタイミングでひと回り大きいサイズのSDカードに換装するようにすれば、容量不足も解決できて一石二鳥だ。

◆篠原義夫(フリーライター)
パソコン雑誌や家電情報誌の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。専門分野はパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル家電が中心で、初心者にも分かりやすい記事をモットーに執筆活動を展開中。

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篠原義夫(フリーライター)

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