ポケモンGOの流れをくみ、ハリーポッターの世界で遊ぶスマホ用位置情報ゲーム「ハリー・ポッター:魔法同盟」(通称ハリポタGO)が、2019年7月2日に日本でもリリースされた。日本より早く、6月に配信された約140カ国では、ハリーポッターファンを中心に大いに盛り上がっているとのこと。ポケモンGOにハマった記者が、ハリポタGOを早速プレイしてみた。
ハリポタGOってどんなゲーム?
「ハリポタGO」というのは、ゲームのファンがつけた愛称で、正式には「ハリー・ポッター:魔法同盟」(以下ハリポタGOと表記)という。
2016年に大ブームを起こし、社会問題にまで発展した「ポケモンGO」の開発企業のひとつである「ナイアンティック」が、「ハリー・ポッター:魔法同盟」の開発(米ナイアンティックと米ワーナーブラザーズゲームスなどの共同開発)にも関わっているため、ハリポタ版ポケモンGOだと噂され、「ハリポタGO」と呼ばれるようになった。
配信日はいつ?
すでに日本でも7月2日配信が開始されている。
最初は6月21日にアメリカをはじめとする4カ国で先行配信され、翌22日には世界約140カ国で配信は拡大されている。
アメリカの調査会社によると、全世界で6月21日の配信開始から4日間で110万ドル(約1億2000万円)、1週間で300万ドル(3億2000万円)の売り上げがあったとのことだ
魔法同盟は、どんな世界観?
このゲームの土台は、書籍・映画で大ブームを起こした「ハリーポッター」シリーズである。
11歳のときに自分が魔法使いであることを知ったハリーポッター少年が主人公の物語で、多くは「ホグワーツ魔法魔術学校」が作品舞台となっている。魔法を持たない人間の世界と魔法使いの世界が入り交じった世界である。
ゲームの世界は、ハリーポッターシリーズ正伝の後日談といえるもので、魔法魔術学校の生徒だったハリーポッターは「魔法省」のメンバーとなっている。そのほかのハリーポッターの登場人物も魔法界の要職についている。
ゲーム開始冒頭で説明があるが、魔法界に「大災厄」が起こり、人間には絶対秘密である魔法界の人・物・記憶が盗まれて世界中にばらまかれてしまった。
魔法界の機密保持法が崩壊してしまう前に、魔法界の痕跡を回収しなければならない。
プレーヤーは、魔法省に強力を志願した魔法使いになり、魔法省から支給された地図を便りに魔法界の痕跡を回収するのである。回収を妨害する悪い魔法使いが登場すれば、それと戦うこともある。
簡単に言うと、どんなゲーム?
ゲーム画面が地図になっており、地図上に表示される魔法界の痕跡(ファンダブル)まで「歩いていき」、痕跡を見つけたら「呪文」(画面上に表示される軌跡を指でなぞる)を唱えて、呪縛を開放して回収(登録簿に納める)するのが基本部分。
ファンダブルを見つけるまで歩いた距離でボーナスがもらえたり、アイテムを補給するための「宿屋」や「温室」に寄ったする必要もある。
ARってなんのこと?
ARは、オーグメンテッド・リアリティの略で、「拡張現実」と訳される。人間が体感する現実に、コンピューターの情報を追加して拡張すること。
ポケモンGOやハリポタGOはARを利用したゲームであり、スマホのカメラが捉えた現実の風景のなかに、ポケモンやファンダブルが表示されることを指している。
スマホの画面を見る限り、実際にそこに魔法使いがいるような映像となる。
実際にゲームプレイ中の画面をスクリーンショットで保存すると、自分の身近な場所にハリーポッターの世界があるように見える。
ポケモンGOとの違いは?
根本的なゲームシステムは、かなりポケモンGOに近い。
ポケモンGOでは、ポケモンを集めることが目的になるが、ハリポタGOでは、魔法界の痕跡である「ファンダブル」を集めるのが目的である。
ポケモンGOでは、モンスターボールをポケモンに投げつけて捕獲するが、これに相当するのが「呪文」。
画面上のマーク(軌跡)を指でなぞるのだが、なぞるのが遅かったり、軌跡から大きくずれると魔法の効果が低くなり回収に失敗したり、得られるポイントが低くなる。
アイテム補給に宿屋や温室に寄るのも、ポケモンGOでポケストップに寄るのと同じ。
ポケモンGOでは、後から追加されたレイドバトル(複数プレイヤーによる共同作業)も「砦」として最初から実装されている。
また、現実の天候によって出現キャラ(ファンダブル)が変わるシステムなどが実装されており、ポケモンが数年かけて成長させてきたゲームシステムが、ハリポタGOには最初から実装されているという印象である。
はっきり言えば、数カ月でもポケモンGOをプレイしたことがある人ならば、ハリポタGOには、すぐに馴染めるはずだ。
映画や小説を知らなくても大丈夫?
ハリーポッター世界の専門用語が頻発するが、それはどんなゲームでもあること。
「人間の世界に、魔法が使えることを隠して生きている魔法使いがいる」という大原則だけわかっていれば、ゲームをプレイするのに支障はない。
記者自身も、ハリーポッターは映画をテレビで数本見ただけなので、細部まで詳しいわけでないが、好きな人ならニヤッとするんだろうな、と思われる仕掛けが盛り込まれていることはわかる。
正伝の完結編となる映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」が公開されたのが2011年7月なので、この当時小学生だったファンは、すでに大半がスマホユーザーになっているはず。この世代がハリポタGOを体験すれば、ドハマリするのは容易に想像がつく。
ハリポタGOのインストールのやり方
ハリポタGO(正式名称「ハリー・ポッター:魔法同盟」)は、スマホを使ったゲームなので、なんといってもスマホが必要。スマホがない場合、iPadやAndroidタブレットでもプレイは可能だ。
iPhoneの場合、iPhone5s以降の機種で、iOS10.0以降がインストールされているもの。AndroidはAndroid5.0以上のスマホが対象になっている。
ストアからダウンロード
iPhoneの場合は「App store」から、Androidの場合は「Google Play」から「ハリー・ポッター:魔法同盟」と検索してダウンロード→インストールを行う。
愛称の「ハリポタGO」で検索した場合でも「ハリー・ポッター:魔法同盟」がヒットするが、似た名称の別ゲームもリストアップされるので、間違えないようすること。
アプリ本体は無料。アプリ内課金あり
「ハリー・ポッター:魔法同盟」のアプリ本体は無料なので、安心してダウンロードできる。
アプリ内課金が用意されていて、ゲーム内で使用する「ゴールド」等を購入することができるが、基本的には課金なしで遊べるシステムになっているので、最初から課金する必要はない。
ハリポタGOの遊び方
ダウンロード・インストールが完了したら、早速プレイをしてみる。
このゲームは、位置情報を使ったゲームで、実際に街中を歩く必要があるが、初回起動時にはユーザー登録等の作業があるので、まずは室内からはじめるのがいいだろう。
ユーザー登録
どのゲームでも同じだが、最初にするのはユーザー登録(アカウント作成)である。
ハリポタGOの場合、Facebookアカウントか、Googleアカウントが必要となる。
どちらかを持っているならば、それを使えばいい。どちらももっていない場合はGoogle選択して、途中で新規作成するのがいいだろう。
ポケモンGOで遊んだことがある人ならば、ポケモンGOで使ったアカウント(Googleアカウント)を使うことができる。
ユーザー登録、または既存アカウントでのログインに成功したら、各種規約を読んでOKをタップしていく。
「通知の送信」許可も求められるので「許可」をタップする。これに関してはあとで通知を非許可にすることもできる。
また、ARを利用するので「カメラ」の使用許可も求められるので、これも「許可」にする。
地図を見る
いよいよゲームが開始となる。
最初はゲーム内のキャラクターである「コンスタンス・ピッカーリング」と「ハリー・ポッター」により、ゲーム設定やゲームの目的が説明される。ちょっと面倒に感じるが、これを読んでおけばゲームの基本部分が理解できるはずだ。
最初にすることは地図を見ること。
魔法使いである自分が地図の中央にいる。この地図は実際に自分がいる場所の周辺の地図になっている。スワイプで向きを変えたり、ピンチ・イン/アウトで縮小/拡大が可能なので、周辺の状況を確認する。
魔法の痕跡をタップする
地図上には、いくつかの目印が表示されている。
建物の目印はアイテムを補給する「温室」や「宿屋」、塔のような目印は協力プレイをする「砦」である。
その目印のなかで魔法の紋章などの「魔法の痕跡」を見つけたらタップする。これが回収するべき「ファンダブル」である。
ちなみに、「温室」や「宿屋」「砦」といった地図上のポイントは、ポケモンGOのポケストップや「ジム」と一致している。
ファンダブルに星を重ねる
魔法の痕跡をタップするとAR画面に切り替わり、スマホのカメラが捉えた現実の世界に魔法世界のファンダブルが映し出される。
それは捕らわれた魔法使いだったり、ユニコーンだったり、魔道書だったり、なにが現れるからはわからない。
スマホ画面上に☆のマークが表示され、それをファンダブルに貼りついている☆マークと重ねてタップすると、ファンダブル回収のスタートとなる。
軌跡をなぞって呪文を発動
スマホ画面上に、呪文を唱えるための軌跡が表示される。
この軌跡を指でなぞることで魔法の呪文が発動するという仕組み。
軌跡を綺麗になぞるほど呪文の効果は大きく「グッド」といった評価が得られる。
軌跡をなぞる速度が遅かったり、軌跡から大きくずれていると「まずまず」といった低評価になる。評価が高いほど魔法の効果は大きく、ファンダブルを回収しやすい。
ファダブルにはレベルがあり、プレーヤーのレベルが低いと高レベルファンダブルを回収できない。呪文の効果が低い場合も同じである。
何回か魔法が跳ね返されると、ファンダブルは消えてしまう。ファンダブルを回収したら「登録簿」に記録して、次のファンダブルを探しに行く。
温室で魔法の力を補給する
呪文を唱えるパワーには限界があり、あと何回呪文が使えるかはファンダブル回収画面の左上に「43/75」のように表示される。
この場合、パワーを溜めておける上限が75回分で、今現在43回分溜まっているという意味になる。
魔法の力を補給するのは「温室」だ。
地図で建物のある場所までいって、建物の目印をタップする。そこにアイテムと呪文の軌跡が表示されるので、軌跡をなぞればアイテムがゲットできる。
食べ物ならば魔法の力が補給されるわけだ。
攻略法というより経験が重要
裏技的な攻略法があるわけでない。まずは呪文の軌跡を上手になぞれるように経験を積むことが重要。
アイテム入手はこまめにやる
ファンダブルを回収するためには、呪文を発動させる必要があるが、魔法の力が尽きると軌跡がなぞれない。ファンダブル回収より、こまめにアイテムを入手して魔法の力を溜めるのがいい。
アイテム入手ができる宿屋や温室は、1回入っても5分後にまた入れるようになる。建物が多いルートを探して周回する散歩をするのもいいだろう。
まとめ
ここまで、簡単にハリポタGOの遊び方を解説してきたわけだが、基本は地図を見て街を歩きファンダブルを回収し、温室でアイテムを入手を繰り返していくゲームである。
回収したファンダブルが増えていくのが楽しみになり、また明日も歩こうという気にさせるものである。
この点は、ポケモンを集めるのが楽しかったポケモンGOと同じなので、ポケモンGOにハマった人なら、ハリポタGOも楽しめる。記者もハマりそうである。
ポケモンGOより難しい
ゲームのシステムはポケモンGOとほぼ同じだが、軌跡をなぞる呪文の操作など、ポケモンGOに較べるとやや難しい。
プレーヤーの対象年齢も、ポケモンGOより高めの設定になっているのかもしれない。その点でポケモンGOが単純すぎて面白くなかったという人でも、ハリポタGOなら楽しめるかもしれない。
最新のゲームということもあり、スマホのパワーはある程度必要。
iPhoneでいうと、iPhone6では地図からファンダブル回収画面への移行など、ゲーム画面が切り替わるときに、数十秒の読み込み時間が発生する。
低パワーのスマホ、回線速度が遅いキャリアだと、読み込み待ちはある程度覚悟が必要である。このあたり、アップデートの際に、もう少し軽くなるとありがたい。
課金なしで楽しめる
他のプレーヤーとレベルを競うタイプのゲームではないので、課金なしでも十分に楽しめる。
というか、現状では課金の必要性はあまり感じない。
課金アイテムの多くはレベルアップをはかどらせるためのアイテムが多く、課金アイテムがなければ攻略できないという場面はほとんどないように感じる。あせらずじっくりプレイするなら無料プレイで十分面白い。
まだまだ先が読めない面白さ
配信が開始されたばかりの現状では、ファンダブルを集めたら何が起きるのかも不明。
ゲームの中のハリー・ポッターも先の展開はなにも語ってくれない。
2016年にスタートしたポケモンGOが、ゲームシステムを拡張しながらいまだに人気ゲームの地位を維持していることを考えると、同じゲームシステムをもつハリポタGOも、何年という単位で長く遊べるゲームになることは間違いないだろう。
◆福多利夫(フリーライター)
デジタル家電関連の記事を得意とする、モノ系ホビー系のフリーライター。一般財団法人家電製品協会認定の家電総合アドバイザーでもある。長年にわたり月刊『特選街』の制作に携わり、パソコン関連の著書も多い。ポケモンGO・レベル33。