【パイナップル酢の作り方&飲み方】熱中症予防や紫外線対策におすすめのフルーツ酢

美容・ヘルスケア

甘酸っぱいさわやかな味のパイナップルに、シミやシワを撃退する美白効果や、腸内の善玉菌を増やすといった健康効果があることが最新の調査で明らかになりました。「パイン酢(パイナップル酢)」は、紫外線対策や熱中症対策にも大活躍するフルーツ酢なのです。【安心編集部編】

甘くて美味「パイン酢」の作り方

【用意するもの】(出来上がり約450ml分)

※量はあくまでも目安。保存瓶の大きさ、好みに合わせて増減してください。

・生パイナップル…100g
(皮と芯を除いた正味。生のカットパインを使えばらくちん。)
・酢…200ml
(お勧めは国産のリンゴ酢だが、米酢、玄米酢、黒酢などの穀物酢でもよい。)
・氷砂糖…100g
(代わりに、黒砂糖、上白糖、きび砂糖などでもよい。その場合は、沈殿しやすいので、こまめによくかき混ぜること。)
・保存瓶…1本

【作り方】
保存瓶に氷砂糖と3cm大に切ったパイナップルを入れる。

(1)の瓶に、酢を注ぐ。

ふたをして常温で置き、翌日から飲める(この時点ではまだ氷砂糖が溶け切っていない。写真は漬けて3日目のパイン酢)。おいしくなるのは5日目以降から。

《パイナップルの切り方》
夏になると生のパイナップルが出回るので、安いときに丸ごと買って切ってみよう!

パイナップルの葉の部分と、底の部分を切る。

パイナップルを縦半分に切る。

(2)をさらに、縦に3~4等分に切る。

芯の部分を切り取る。

皮を取る。

幅3cm程度の食べやすい大きさに切る。

「パイン酢」の飲み方

基本の飲み方
パイン酢大さじ1(15ml)を、4倍以上の水やお湯で薄めて飲む。

1日に飲む量の目安
1日に大さじ1~3杯(15~45ml)程度が目安。糖分が含まれているので、とりすぎには注意する。1度にたくさん飲むよりも、毎日、適量を飲み続けることが大切。

保存方法と注意点
パイン酢は常温で1年間保存が可能。
直接日光が当たる暑い場所に置くことは避ける。
漬けたパイナップルは、空気が触れない状態を保つ。
*漬けたパイナップルが空気に触れた状態が続くと、パインが劣化してカビが生えることがある。そのため、酢が減ってきたら漬けたパインは引き上げる。

漬けたパイナップルには、食物繊維をはじめとした栄養素が残っています。刻んでヨーグルトやサラダのトッピングにしたり、酢豚に加えたりして召し上がれ! もちろんそのまま食べてもOK!

【パイン酢の飲み方いろいろ】

紅茶で割る(パイン酢ティー)
紅茶に、パイン酢大さじ1(15ml)を入れる。紅茶を、ワインや焼酎、ウイスキーに代えてもおいしい。

炭酸水で割る(パイン酢ソーダ)
パイン酢大さじ1(15ml)を、4倍以上の無糖の炭酸水で割る(濃度はお好みで)。

牛乳や豆乳で割る(飲むヨーグルト風)
パイン酢大さじ1~2(15~30ml)を、牛乳100mlに加えて混ぜる。

パイン酢ドレッシング
パイン酢大さじ1(15ml)を、1人分のサラダにかける。好みで塩コショウやオリーブオイル、しょうゆなどを加えてもよい。

買ったときが作りどき!パイナップルの選び方&おいしく食べるコツ教えます(薬学博士・インド国立大学博士論文審議官 本橋登)

解説者のプロフィール
本橋登(もとはし・のぼる)
薬学博士・インド国立大学博士論文審議官。1966年、東北大学大学院薬学研究科修了。アメリカ州立カンザス大学客員教授、外国論文雑誌「Current Drug Targets」初代編集長(イギリス)、明治薬科大学教授、理事を経て現職。フルーツや野菜の効能や健康効果に詳しく、「フルーツ博士」として有名。フルーツの著書、研究論文も多数。酢関係の著書、監修書も多い。

パインの有効成分は低温に強く高温に弱い

パイン酢の主役の一つであるパイナップルには、多くの栄養素や体に有効な成分が含まれています。なかでも注目したいのが、たんぱく質を分解する酵素です。肉を食べすぎたときや、胃のもたれが気になる人は、食後に生のパイナップルを食べるとスッキリします。

また、胃腸に未消化のたんぱく質が滞ると、体は異物と判断して下痢や腹痛を起こします。パイナップルのたんぱく質分解酵素は、こうした下痢や腹痛の予防にも役立ちます。

そのほか、パイナップルは、ビタミンCやβカロテン、アントシアニンなどの抗酸化成分も豊富です。また、食物繊維やマグネシウム、亜鉛、カルシウム、銅などの代謝を助けるミネラルも含まれます。

こうしたパイナップルには、ほかの多くの果物と異なる特徴があります。それは、「追熟しない」ということ。

一般に、果物は時間がたつにつれて熟して甘くなります。これを追熟といいますが、パイナップルは置いておいても追熟がそれほど進まず、甘くならないのです。

輸入のパイナップルは船便で1ヵ月ほどかけて日本へ届くため、店頭に並ぶ頃には、ほぼ食べ頃になっています。購入したら2~3日を目安に食べ切るようにしましょう。

パイナップルは、葉がみずみずしくて実が重いほうが水分を多く含んでいます。皮の色が濃く茶色すぎるものは、熟しすぎて苦みやえぐみが出ている可能性があります。香りの強いものはよく熟して甘味が増しています。また、果糖は実の下にたまるため、実の形が下ぶくれのほうが甘いという人もいます。

カットパインは、見てみずみずしいものを選びましょう。容器のふたがテープなどで密閉されていると、ビタミンCなどの酸化が比較的抑えられます。

パイナップルをおいしくいただくためには、食べる直前に冷蔵庫で冷やして、早めに食べること。食べ切れない場合は、切り口をラップなどで覆って冷蔵庫で保存します。

たんぱく質分解酵素のパパインや抗酸化成分は高温に弱く低温に強いため、これからの季節は、パイン酢を暑すぎるところに置いたり、加熱するのは避けましょう。

パイン酢なんでもQ&A(回答/安心編集部)

Q1. パイン酢に使う酢はどんなものでもいいですか?

A1. 醸造酢であれば、米酢、黒酢、穀物酢、リンゴ酢など、お好みの酢で作っていただいてかまいません。ただし、もともと糖分が添加されている「飲むための酢」は向きません。

Q2. 氷砂糖の代わりにハチミツを使ってもいいですか?

A2. 問題ありません。ハチミツに置き換える場合は、氷砂糖のときよりも量を7割程度に減らすとよいでしょう。

Q3. 缶詰のパイナップルを使ってもいいですか?

A3. 必ず生のパイナップルを使ってください。缶詰のパイナップルは、加熱処理されているために、生の果物に豊富な酵素が失われています。また、糖分も添加されているため、パイン酢には不向きです。

Q4. 氷砂糖がなかなか溶けません

A4. 氷砂糖が完全に溶けきるまでには、2週間程度かかるかと思います。ですが、漬けて5日目頃から飲み頃になりますので、よくかき混ぜて飲んでください。

Q5. 夏場も常温保存で大丈夫ですか?

A5. 酢に殺菌効果があるため、夏場でも常温の保存で大丈夫です。ただし、直射日光が当たる窓際に瓶を置くのはやめましょう。心配な場合は、冷蔵庫で保管するとよいでしょう。

Q6. パイナップルだけがあまってしまいました。ここに酢を足して再使用してもいいですか?

A6. 少量の酢を足す程度であれば、1回くらいなら大丈夫でしょう。ただし、パイナップルの成分はほぼお酢に溶け出てしまっているため、残ったパイナップルに酢と氷砂糖を足して再度作り直すのは避けましょう。

この記事は『安心』2019年8月号に掲載されています。

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