【ドローン初心者におすすめ】1万円以下で楽しめる!航空法の規制を受けないトイドローン7選

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いま一番熱いホビーといえば「ドローン」だろう。空中を自在に飛んで、映像を撮影するドローンは、所有するのも操縦するのも難しいと思われがち。しかし「トイドローン」と呼ばれるジャンルの製品ならば、気軽に入手して、気軽に楽しむことができる。今回は、はじめてドローンに触れる人でも安心して楽しめる実売1万円以下の製品を紹介する。

ドローンとは何か?

まずは、豆知識としてドローンとは何かを理解しておきたい。
元々ドローンは、軍用の無人偵察機が民間利用、商業用化されたものである。形状としては複数のモーターを搭載した特殊ヘリコプター(マルチコプター)で、主にカメラを搭載して高所からの映像撮影に用いられることが多い。本来のドローンは、GPS等を搭載し、あらかじめ設定したルートに沿って自律飛行が可能な「飛行ロボット」である。動力源は電気モーターでバッテリーを搭載している。「自立飛行」「電動」の2点が、従来からの農薬散布などに用いられている、ガソリンエンジンの業務用用無線コントロール(RC)のヘリコプターとの決定的な違いである。

ドローンには規制がある

かつてドローンは墜落事故が多発したため、航空法が改正され規制を受けることになった。ザックリいうと、ドローンは飛行する日時場所を明らかにして、所轄官庁に飛行届けを出さないと飛ばすことができない。飛ばしていい場所も、かなり限定されており、人口密集地での飛行は原則不可能。となっている。つまり、現在ドローンを飛ばすことができるのは、諸々の手続きを済ませたドローン業者だけ、と考えればいいだろう。

法律的にはドローンは「無人操縦の航空機」扱いとなっている。つまり「自動運転のヘリコプター」である。

航空法の規制を受けない「トイドローン」

しかし、ドローンはどこでも売っている。それは法律的に飛ばせないものを売っているわけではない。航空法では、どんな製品をドローンと規定するかが明記されている。それは飛行速度性能や飛行高度性能や重量などで規定されているのだが、これもザックリいうと「重量200グラム未満」のものは、航空法の規定するドローンには当らないとされている。

法律的には、200グラム未満のドローンは「無線操縦の飛行玩具」扱いとなっており、従来のラジオコントロールのヘリコプター模型と同じ扱いとなるわけだ。そして玩具業界では200グラム未満のドローンを「トイドローン」と呼んでいる。

トイドローンなら庭で飛ばせる

トイドローンは、航空法の規制を受けないので、飛ばすために各種申請は必要ない。だからといって、どこ飛ばしてもいいとうものではない。厳密には、ラジコンヘリコプターと同じルールが適用されるので、ラジコン専用飛行場で飛ばすのが理想となる。しかし、ラジコン専用飛行場は全国にも数えるほどしかない。そこで、現実的には「私有地」で飛ばすことになる。つまり「庭」で飛ばせばいいわけだ。ちなみに200グラム以上のドローンは私有地であっても申請なしで飛ばすことはできない。

ドローンを飛ばすときのマナー

トイドローンとはいえ、どこで飛ばしてもいいわけでない。トイドローンを飛ばすにもルールやマナーがあるので、それは考慮しなければならない。
本項でもある程度の解説をするが、詳しくは「JRM 日本ラジコン模型工業会」のサイト(http://www.rc-jrm.com/topics/201412-01.html)を読んでほしい。

❶公共空間はダメ

原則として公共空間での飛行はしない。つまり公園や道路などで飛ばすのはやめよう。多くの公園は「ラジコン飛行機」を飛ばすのを禁止している。

❷人が多い場所もダメ

当然、ドローンが人にぶつかるのは大問題なので、人がいるところも飛行させてはいけない。トイドローンのなかには、撮影対象の人を認識して自動追尾するものがあるが、それを公共の場所で飛ばすこともマナー違反になる。場所によってはトイドローンの飛行を条例で禁止している場所もあるので注意したい。

❸プライベートなものが写ってしまう場所もダメ

今回紹介するドローンをはじめ、多くのドローンには「カメラ」が搭載されている。そのため、撮影許可を得ていない人や、プライベートな空間(他人の家の塀の内側など)が映り込む場所での飛行もマナー違反となる。

家屋内はOK

トイドローンの多くはサイズが小さいので、屋内で飛ばすのは問題ない。自宅のリビングなどで飛ばせばいい。製品によっては天井を感知して天井に激突しない機能ももっているものもあるし、プロペラガードが付いている機種は天井に激突しても機体破損を防げる場合が多い。

そもそも、機体サイズが小さいドローンは、横風に弱いので屋外では精密に飛行させることができないことも多いので、室内飛行のほうが向いている。

カメラ付きが面白い!

ドローンはラジオコントロールのヘリコプターなので、操縦するだけでも面白いのだが、やはり「カメラ」が搭載されていると、もっと面白い。搭載されるカメラは画素数をはじめとした性能の差はあるが、低価格なトイドローンでは、画質はあまり重要視されていないので、そこそこの画質で楽しむことになる。しかし、搭載されるカメラの機能には、いくつかの種類がある

動画か静止画か

最も根本的なのは、動画が撮れるのか、静止画しか取れないのかである。これはもちろん動画が撮影できるほうが面白い。さらに、飛行中のドローンが撮影した映像を、リアルタイムで見られるのが理想的だ。

一人称視点(FPV)

飛行中のドローンのカメラが捉えた映像を、リアルタイムで操縦者が見ることを「一人称視点」という。英語の「First Person View」を略して「FPV」ということが多い。FPVに対応したトイドローンは、カメラが捉えた映像を2.4GHz帯の無線LAN(Wi-Fi)電波に載せて送信する。それをスマートフォンで受信して見るというのが一般的。専用操縦機を使う製品は、操縦機の上にスマホを取り付けるホルダーがある。専用の操縦機ではなく、スマホの操縦アプリを使う製品では、操縦用のボタンやレバーの表示の背景がリアルタイム送信されるドローン撮影映像になるパターンが多い。

いずれの方式にしろ、FPVに対応したドローンは、操縦者が目でドローンを見るのではなく、スマホに表示された映像を見ながらドローンを操縦することが可能になるわけだ。

操縦は簡単ではない!

記者も含めて、ドローンの記事を書くときに、「操縦は簡単」と書いてしまいがちである。記者は元ラジオコントロール模型(R/C)の専門誌スタッフであり、陸モノ、水モノ、空モノのR/Cは一通り操縦経験がある。いわば経験者である記者からすると、トイドローンの操縦は「とても簡単」である。

しかし、R/Cは自動車のモデルであっても、はじめて操縦する人にとっては、けして簡単ではない。ドローンも、全速力で飛べば、かなり速い速度であり、それを的確に操縦するには目の慣れも必要だし、反射神経を研ぎ澄ます必要もある。また、左右の旋回はレバーを曲がりたい方向に倒す操作になるわけだが、ドローンが自分から遠ざかる進行方向の場合は旋回する方向とレバーを倒す向きは同じだが、ドローンが自分に向かってくるときは、旋回させたい向きとレバーを倒す向きは逆になる。これに慣れるのにはかなりの練習が必要となる。ただし、最新モデルでは、ドローンの向きとは関係なく、操縦者が向いている向きを「前」と捉える「ヘッドレス機能」を搭載している。

壊しながら、直しながら慣れていく

R/Cホビーは、ドローンに限らず、操縦練習をするたびに、機体のどこかが壊れ、それを修理してまた練習というものである。そのため、R/Cホビーの製品は、補修用の部品が販売されていたり、メーカーから取り寄せることができるようになっている。トイドローンの場合も同じで、よく壊れる「プロペラ」をはじめ、バッテリーやモーターといった部品の多くは、交換用の部品が用意されており、ショップやメーカーから直接購入することができるようになっている。最初は壊すことを恐れずに、バンバン遊んで早く操縦に慣れるのがいい。

モード2が主流

ドローンの操縦機は、4方向に動くレバーが左右に1本ずつ配置されたもので、R/C用語では「スティック式4チャンネルプロポ」と呼ぶ。この2本のレバーの前後左右に割り当てられた役割は、「上昇-下降」「右回り-左回り」「前進-後退」「左移動-右移動」となっているのだが、左右どちらのレバーが、どの役割になっているかは、2つのパターン「モード1」と「モード2」がある。実際の割り当ては図を見てもらえばわかると思う。

上昇下降が左手の縦スティックなのがモード1、 右手の縦スティックなのがモード2。モード1は日本独自のスタイルである。

toy-drone.com

なぜ2パターンあるのか。それはドローン登場以前からあるR/Cヘリコプターの操縦方法にならったものがモード1、そうじゃないものがモード2となっている。モード1は日本独自のパターンであり、日本のメーカーや日本メーカーがプロデュースした製品に採用例がある。モード2は外国の製品が採用する方式であり、現在の市場ではモード2の製品のほうが多いばずだ。

1つの機体でモード1のパッケージとモード2のパッケージを選べる場合、またモード切り替えができる操縦機が付属している場合、原則として「モード2」を選んだほうがいいだろう。後々機種を変更するときに、モード2採用機のほうが多いので、機種転換に苦労しないですむ。

専用操縦機かスマホか

ドローンの操縦には、専用操縦機を使うものと、スマホの操縦アプリを使うものがある。操縦アプリを使うものでも、別途専用操縦機を購入できるものもある。操縦機とスマホ、どちらのほうが操縦しやすいかというと、専用操縦機のほうが操縦しやすい。理想は、FPV対応の機種で専用操縦機とモニターとしてのスマホを組み合わせたスタイルである。

最初は1万円以下の製品で十分楽しい

トイドローンは、高価なものになると10万円近い価格のものもある。しかし、最初からそのクラスを購入する必要はない。操縦が上手になるまでドローンは飛ばすたびに壊れるものであるし、補修するにも低価格なドローンのほうが部品が安い。高価な機種のほうが操縦安定性は高いものだが、低価格の製品が特段操縦しにくいわけでもない。つまり、ドローンの操縦が上手になるまでは、1万円以下の製品でも十分楽しむことができるわけだ。

では、記者が見つけたトイドローン7機種を紹介していく。

1万以下で買える「トイドローン」のおすすめ7機種はコレだ!

おすすめ(1) GForce「moova」

実売価格例:9391円

PFV対応で専用操縦機付属、スマホとの連携もできるかなり高度なモデル。1ボタン操作で離着陸できる機能や、気圧センサーによる高度維持機能など、操縦を補助する機能も多数搭載されている。機体全長約105ミリ

moova【G-FORCE】

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GForce(ジーフォース)は、国内のトイドローン販売ではトップブランドである。トイドローンだけでなく、R/Cボビー製品も多く手がけている。そのためか、操縦機はモード1の製品が多い。

この「moova」は、プロペラアーム部分を折り畳むことで、コンパクトに持ち運べる機種。離陸・着陸もボタン1つで行える。また気圧センサーによる高度維持機能も搭載しており、かなり高度なモデルだ。カメラはFVP対応で、スマホ専用操縦機にはスマホホルダーも付属している。スマホ上で飛行ルートを手書き入力すると、それをドローンが通銃する機能も搭載している。機体の向きに関わらず、操縦者から見た向きで操作するヘッドレス機能(同社ではオリエンテーションモードという)も搭載されている。

GForceには、ハイレベルなトイドローンが多く揃っているので、予算を2万円台まで上げると、より本格的なモデルを購入することができる。上位モデルの操縦機はモード1とモード2が切り替えられるようになっている。

おすすめ(2) Hitec Multiplex Japan「mano」

実売価格例:8460円

ジェスチャーコントロール機能を搭載、ジェスチャーコントロール専用の操縦機も付属したフル機能モデル。スマホ連携のFPVにも対応してきる。機体の進行方向に関わらず、操縦者から見た向きに進む「ヘッドレス機能」も搭載している。機体全長約190ミリ

ジェスチャーコントロールフォールディングドローン mano[ マノ ]

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Hitec Multiplex Japanも、トイドローンを多く販売しているメーカーで、このmanoはウィークエンダーというブランドの製品となっている。

この機種のメダマ機能は、なんといっても「ハンドジェスチャーフライング」だ。これは手に装着する専用操縦機を前後・左右・上下に動かすと、ドローンもそれと同じ動きをするというもの。操縦機のレバーを倒すより、直感的にドローンを操縦することができる。スマホとの連携も可能で、スマホによる操縦も可能。FPV対応、高度センサー/1キー離着陸、ヘッドレス機能、プロペラアームの折り畳みなど、フル機能の機種である。

おすすめ(3) JOZEN「ジャイロマスター G10CAM」

実売価格例:6030円

SDカードに撮影映像を保存するタイプのカメラ搭載ドローン。操縦補助関連の機能はフル装備なので、初心者でも十分に楽しめる。スマホ連携機能はない。機体全長約170ミリ

G10CAM PVmonitor

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ジョーゼンは、おもちゃ寄りのトイドローンを販売するメーカーであり、G4(ジーフォー)とG10(ジーテン)という二つのドローンシリーズを展開している。

G4とG10は機体のサイズが違い、G10のほうが大きい機種となる。そのG10にカメラが搭載されているのがG10CAM(ジーテン・カム)だ。飛行補助としては、気圧センサーによる高度維持機能(オートホバリング)、ヘッドレス機能、自動着陸、といった機能を搭載。画像記録用のマイクロSDカード(別売)を装填すれば、飛行中に静止画・動画を撮影することができる。操縦は付属の専用操縦機で行う。

おすすめ(4) CCP「リアルライブテトラル フルガード」

実売価格例:6980円

手のひらサイズの小型ドローンながらPFVに対応し、付属の専用操縦機にはスマホホルダーも装備されている。機体全体がガードされており、天井や壁へ接触しても機体が損傷する可能性は低い。機体全長約70ミリ。

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リアルライブテトラルフルガードPV 【公式】

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CCPは、トイR/Cのトップブランドで、陸・水・空のトイR/Cを数多くリリースしている。現在の空モノは、当然トイドローンがメインとなっており、ラインナップされている機種も多い。この機種は、手のひらに乗るサイズの小型ドローンで、機体の全面をガードで覆っている。そのため、天井や壁にぶつかっても、機体が損傷しにくく、墜落しにくい。専用操縦機が付属しており、スマホ連携も可能。スマホホルダーも付属している。FPV対応なので、ドローンから送られてくる映像を見ながらの操縦も可能。気圧センサーの高度維持機能もあり、ボタン1つで離陸/ホバリングが可能となっている。

おすすめ(5) 童友社「エアフォーカス MODE2」

実売価格例:8220円

100万画素のカメラを搭載し、撮影した映像を機体に装填したマイクロSDカード(別売)に記録するタイプのドローン。操縦補助機能としてカンバック機能を搭載している機種は、この価格帯では珍しい。機体全長約140ミリ

童友社は模型やトイR/Cを販売する老舗メーカー。おもちゃ寄りのトイドローンを数多くラインナップしている。このエアフォーカスは100万画素のカメラを搭載した小型ドローン。FPVには対応しておらずSDカードに静止画/動画を記録する。付属する専用操縦機はモード2。オートホバリング機能、へッドレス機能、ボタン1つで離陸した地点に戻ってくるカムバック機能などを搭載している。スペアとしてグリーンカラーのボディが付属。PCでSDカードを読み取るSDカードリーダーも付属している。

おすすめ(6) 京商「NIKKO Air LIVE STYLE Type-180」

実売価格例6790円

R/Cに強いメーカーの最新機種だけあって、この価格帯でFPV対応のフル機能モデルとなっている。スマホ連携は映像受信だけでなく、自動飛行にも対応している。機体全長約105ミリ

京商は、ホビーR/Cで有名な総合模型メーカーであり、近年はトイドローンにも力を入れている。ラインナップのなかで、リアルタイムの映像モニタリング(FPV)に対応した「LIVE STYLE」シリーズの最新版が「Type-180」となる。モード2の専用操縦機が付属したうえ、スマホとの連携が可能でFPVに対応。またスマホのみでも操縦ができる。スマホで空中の任意ポイントを指定すれば、ドローンがそこを自動飛行する「ウェイポイント機能」も搭載している。レッドレス機能、自動離着陸・オートホバリングといった、操縦補助機能もフル装備している。

おすすめ(7) FUGU INNOVATIONS「SMAO S5」

実売価格例:5370円

FPV対応、200万画素カメラ搭載のモデルとしては、驚異的な低価格モデル。この価格帯としては大型の機体で、機体デザインも産業用のドローンに似ている。専用操縦機はモード1。機体全長約275ミリ

SMAO│S5ドローン PV

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SMAO R/C HOBBYブランドのドローン。全長275ミリと、この価格帯としては大型の機体。カメラはFPV対応の200万画素なので、かなりお買い得のスペックとなっている。1タッチ離着陸、ヘッドレス機能、ワンキーリターン(カムバック)機能と、一通りの操縦補助機能が搭載されている。専用操縦機はモード1で、スマホホルダーも付属する。スマホ連携は、カメラ映像のリアルタイム受信だけでなく、スマホのみでの操縦も可能である。

まとめ

トイドローンなら気軽に楽しめる!

かつて、ラジオコントロール模型では、ヘリコプターの操縦が一番難しいといわれていた。
趣味としてはじめるためにかかる必要も何十万円クラスであり、だれでも手が出せるものではなかった。

しかし、トイドローンの時代になり、その常識は完全に覆っている。1万円以下の商品で、空を飛ぶラジオコントロール模型をはじめることができ、昔とは比べ物にならないほど簡単に操縦できるようになった。難しい時代を知っている記者は、トイドローンを触るたびに、昔を思い出して感無量になる。だれでもトイドローンを体験できるすばらしい時代になったのだから、皆、この楽しさを体験してほしい。

◆福多利夫(フリーライター)
デジタル家電関連の記事を得意とする、モノ系ホビー系のフリーライター。一般財団法人家電製品協会認定の家電総合アドバイザーでもある。長年にわたり月刊『特選街』の制作に携わり、パソコン関連の著書も多い。元R/C専門誌スタッフ。

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