【麹甘酒の作り方】便秘・下痢が改善して肌にも変化!大人気の料理教室の麹甘酒レシピを初公開

美容・ヘルスケア

甘酒を飲み始めると、便秘や下痢が改善する人も多く、腸から免疫力が上がっていきます。酵素や「美肌のビタミン」とも言われるビタミンB群も豊富で、シミを作る原因であるメラニンの生成を抑制するコウジ酸も含まれ、美白効果も期待できます。【解説・レシピ】清水紫織(神楽坂発酵美人堂主宰)

解説者のプロフィール

清水紫織(しみず・しおり)
神楽坂発酵美人堂主宰。みそ、醤(ひしお)、甘酒、ぬか床などの発酵食品の仕込み方、楽しみ方を伝えるワークショップを主宰。オリジナルのみそやしょうゆ、甘酒などのプロデュース、販売も行う。https://www.hakkobijin-jimdo.com/

腸から免疫力アップ!高血圧・糖尿病も改善

私は、東京・神楽坂で「発酵美人堂」という、みそや醤(豆こうじや麦こうじ、しょうゆと水で発酵させた調味料)、ぬか床など、発酵食品を仕込む料理教室を主宰しています。

発酵食品の中でも、最近は甘酒が脚光を浴びています。メディアでたくさん取り上げられ、肌がきれいな女優やタレントが、甘酒の効果に注目し、飲んでいるということも、ブームになった要因でしょう。

そんなブームも手伝ってか、甘酒作りのレッスンも行っていますが、いつもすぐに満席になり、キャンセル待ちが出るほどです。

「ブームだからって夏に甘酒?」と思う人もいるかもしれませんが、甘酒は「飲む点滴」と言われるほど栄養豊富で、夏バテで疲れた体にうってつけの飲み物として江戸時代から飲まれています。

善玉菌のエサとなるオリゴ糖食物繊維も豊富で、腸内環境を整える効果も絶大です。飲み始めると、便秘や下痢が改善する人も多く、腸から免疫力が上がっていきます。

その結果、体重が減ったり、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が改善したりする人が増えていることも、人気に拍車をかけているようです。

また、甘酒には、酵素や「美肌のビタミン」とも言われるビタミンB群が豊富です。シミを作る原因であるメラニンの生成を抑制するコウジ酸も含まれ、美白効果も期待できます。

米こうじに含まれている「グルコシルセラミド」や「N–アセチルグルコサミン」は、肌の保湿効果があるので、美肌効果が期待できます。

私自身は、毎日、コップ1杯の甘酒をフルーツのスムージーや、炭酸水に混ぜて飲んでいます。

甘酒を飲み始めてからというもの、便通がよくなり、肌のきめも細かく色も透き通るように白くなりました。おかげで高価な化粧品に頼ることはありません。

米こうじと水があれば一日で手作りできる

私が教室で作るのは、老若男女、どなたでもおいしく飲んでいただける、米こうじと水だけで作る甘酒(こうじ甘酒)です。

酒かすと水で作る甘酒もありますが、こちらは少量のアルコールと砂糖が含まれているため、アルコールが苦手な人や子どもには向きません。

こうじ甘酒の利点は、米こうじと水があれば一日で手作りができる点です(作り方は下項参照)。

こうじ甘酒は菌や酵素が生きているので、飲む以外にも、お肉やお魚を漬けるのもお勧めです。保存がきくようになりますし、たんぱく質を分解してくれるので素材が柔らかくなるため、甘みもうまみもアップします。

消化吸収が速やかになるため、胃腸の負担が少なくなり、子どもや高齢者でも食べやすくなるでしょう。

また、こうじ甘酒はお砂糖の代わりの調味料としても使えます。たとえば、ドレッシングや煮物などに使うお砂糖を甘酒に代えるなどすれば、砂糖なしで料理に甘みとうまみが加わります。

ただし、こうじ甘酒には糖分が含まれるのでとり過ぎはいけません。一日100gの摂取が目安となります。

手作りの甘酒からは、
こうじの甘いいい匂いがする

とり始めれば健康効果を即実感!

今でこそ、私は発酵食品を仕込む料理教室を主宰していますが、若い頃は食生活に無頓着でした。コンビニで買ったものを、夜中に食べるといったこともよくありました。

アレルギー体質だったこともあり、リンゴやモモ、豆腐や湯葉などを食べると、唇や口の中がかゆくなりましたが、それもあまり深く気に留めていませんでした。

しかし、結婚を機に子どもを持つと状況は変わります。子どもが私と同じようにアレルギー体質にならないように、その原因について勉強を始めました。

その結果、私のアレルギー体質は、腸内環境の悪化が原因だと気づいたのです。

腸内環境を整えるためには、食生活の改善が第一です。そこから、材料や製法にこだわった甘酒やみそ、しょうゆなどの発酵食品を毎日、意識的にとるようになりました。

すると、みるみるうちに、アレルギー体質が改善し、かゆみなども起こらなくなりました。発酵食品が持つ力のすごさに圧倒されたのです。

そのような発酵食品を食べていると、味覚も変化していきます。今では、添加物や加工品を含んだ食べ物をおいしいと思わなくなりました。

その後は、「発酵醸造料理人」を名乗る伏木暢顕さんの元で修業し、現在は東京農業大学醸造学科で発酵醸造学の学びを続けています。それと並行し、発酵食品を自分で仕込む料理教室をスタートさせたのです。

教室の生徒さんたちは、自分で作った発酵食品のおいしさと、美肌効果や便秘の改善効果などをはじめとする健康効果を実感し、発酵食品の深みにはまっていきます。

次項で、こうじ甘酒の作り方を紹介しています。ぜひ実際に作ってみて、体と心の変化を実感してください。

「こうじ甘酒」の作り方

【材料】できあがり量=約700ml
乾燥米こうじ 300g
お湯(60℃程度) 500ml

【用意するもの】
炊飯器
布巾
温度計
できた生甘酒を保存する容器

炊飯器に米こうじと60℃程度のお湯を入れ、よく混ぜる。炊飯器の蓋は閉めずに、保温スイッチをONにする

布巾などを炊飯器にかけ、温度を約60℃に保ちながら8時間保温する

※注意点
「70℃以上でこうじ菌が死滅し、55℃以下では発酵しない」

・温度計で60℃以上にならないようにチェックする(慣れないうちは1時間に1回程度)
・温度が60℃以上の場合は保温を切る。60℃以下の場合はふたをして温度を上げる
・保温し始めた最初の3時間は、1時間ごとにおたまで混ぜる

こうじが柔らかくなり、甘みが出ていたら炊飯器から取り出し、粗熱を取って完成

《失敗例》
・米こうじの芯が残っている
・酸っぱい
・甘味が足りない

【完成した甘酒の保存方法 】
できあがったら、ガラスかホウロウの容器に入れて冷蔵庫で保存する。
容器がない場合はタッパーやジッパー付きの保存袋に入れて保存も可能。
冷蔵庫なら1週間〜10日、冷凍庫なら1〜2カ月間、保存できる。
冷蔵保存中も発酵は進むので、保存容器に満杯状態では保存しない。
また、ガス抜きのため、1日1回は開閉すること。
冷蔵庫に入れずにしばらく放置するとアルコール発酵が始まり、飲めなくなる。

「こうじ甘酒」ドリンクレシピ

こうじ甘酒の水(お湯)割り

【材料】(1人分)
こうじ甘酒…60ml
水(またはお湯)…120ml
※こうじ甘酒1:水分2が基本。お湯の場合は飲める程度の温度にする

【作り方】
グラスにこうじ甘酒と水(お湯)を入れ、よく混ぜる。水の場合は氷を入れてもよい。好みで、黒ゴマや抹茶、きな粉などを少し振ってもおいしい

ジンジャー&ターメリック甘酒

【材料】(1人分)
こうじ甘酒…60ml
豆乳(または牛乳)…120ml
すりおろしショウガ (またはジンジャーパウダー)…少々
ターメリックパウダー…少々

【作り方】
グラスにすべての材料を入れてよく混ぜる

ラッシー甘酒

【材料】(1人分)
こうじ甘酒…45ml
水…90ml
無糖ヨーグルト…45ml
※お湯の場合は飲める程度の温度にする

【作り方】
グラスにすべての材料を入れ、よく混ぜる

フルーツ入りこうじ甘酒

※左はイチゴ、右はキウイフルーツ

【材料】(1人分)
こうじ甘酒…60ml
水…120ml
好きな果物…お好みの量
※お湯の場合は飲める程度の温度にする

【作り方】
グラスにこうじ甘酒と水を入れ、よく混ぜる。
好きな果物を5mm〜1cm程度の食べやすい大きさに切り、(1)に入れる

こうじ甘酒のレモン炭酸水割り

【材料】(1人分)
こうじ甘酒…60ml
炭酸水…120ml
レモン果汁…大さじ1

【作り方】
グラスにすべての材料を入れてよく混ぜる。レモン果汁は市販品でも代用可

シナモン甘酒

【材料】(1人分)
こうじ甘酒…60ml
豆乳(または牛乳)…120ml
シナモンパウダー…少々

【作り方】
グラスにこうじ甘酒と豆乳(または牛乳)を入れてよくかき混ぜ、シナモンパウダーを振る
※こうじ甘酒と豆乳(または牛乳)を、シナモンスティックで混ぜながら飲んでもよい

「こうじ甘酒」活用レシピ

サケのこうじ甘酒醸し焼き

【材料】(1人分)
サケ…1切
塩…少々
こうじ甘酒…大1〜1.5

【作り方】
水気を拭いたサケに塩を少々振り、キッチンペーパーでくるむ
(1)をポリ袋に入れる。ポリ袋に入れた状態で、スプーンですくったこうじ甘酒を、キッチンペーパー越しに両面塗る。これを冷蔵庫で8時間以上寝かせる
(2)のサケをポリ袋から取り出し、キッチンペーパーを外した後、グリルで両面を焼いて完成
*使うサケにより塩加減は調整してください

酵素たっぷりこうじ甘酒ドレッシング

【材料】(2人分)
こうじ甘酒…大1
塩…小1/3
コショウ…少々
米酢(リンゴ酢、バルサミコ酢などでも可)…小1
エクストラバージンオリーブオイル…大1

【作り方】
オリーブオイル以外の材料をすべて混ぜる
(1)にオリーブオイルを3分の1程度入れてよく混ぜる。これを3回繰り返し、乳化させる

醸し豚のショウガ焼き

【材料】(2人分)
ショウガ焼き用豚肉…500g
こうじ甘酒…大5
タマネギ(薄切り)…中1個
Ⓐしょうゆ…大1
こうじ甘酒…大2
酒…大1
すりおろしショウガ…大1
千切りキャベツ…適量

【作り方】
ポリ袋に豚肉とこうじ甘酒を入れ、よくもんで絡ませ、冷蔵庫で8時間以上寝かせる
フライパンでタマネギの薄切りを炒め、豚肉を加えて蓋をして中火で5〜8分程度、蒸し焼きにする
豚肉に火が通ったらⒶ加え、よく絡ませる
(3)を皿に盛り、お好みで千切りキャベツを添える

カブのこうじ漬け

【材料】(2人分)
カブ …1個
塩…2つまみ
こうじ甘酒…大2
米酢…小3/4
コンブ…1cm角
タカノツメ…1本

【作り方】
カブは薄くスライスしポリ袋に入れ、塩をもみ込んでおく
(1)に甘酒と酢を加え、更にもみ込んでなじませる
コンブとタカノツメを加えたら冷蔵庫で3時間以上寝かす
(3)を皿に盛ってできあがり

この記事は『ゆほびか』2019年9月号に掲載されています。

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