昇華型プリンターというと、一般向けではあまり見かけなくなったが、耐候性や退色性に強く、階調再現性に優れるといった特徴を持つ。本機は、プリント部に昇華型を採用したインスタントカメラで、本体背面に1.77型液晶モニターを備え、撮影後に即プリントが楽しめる仕様だ。
解説者のプロフィール
大浦タケシ(フォトグラファー)
宮崎県都城市生まれ。わが家のA3ノビ対応インクジェットプリンターは、高価なインクをノズルクリーニングであっという間に使い切るマネーイーターだ。
こんなカメラで撮ってみた!
コダック C210
鮮やかなコダックイエローのボディにプリンターを内蔵!
ボディの中央、盛り上がったところにカメラ部を内蔵。有効画素数は1000万画素、自撮りが手軽に楽しめるよう広角単焦点レンズとミラーを搭載する。レンズ用のキャップやバリアなどはない。ボディカラーは、コダック伝統のイエローのほか、ホワイトを用意。そのほか、カメラのないプリンター単体モデルなどもラインアップされている。
●実売価格例:1万5510円
用紙は通常タイプとシールタイプから選べる(20枚入り通常タイプは実売価格例1490円)。
5枚まで一度にプリントでき、フル充電からプリントできる枚数は20枚。
プリントサイズは54ミリ×86ミリ。
背面には1.77型液晶モニターを搭載。
高精細ではないものの、画像を確認するには十分。
上部にはシャッターボタンと電源スイッチを備え、操作は誰でもわかりやすい。
昇華型プリンターというと、一般向けではあまり見かけなくなったが、耐候性や退色性に強く、階調再現性に優れるといった特徴を持つ。本機は、プリント部に昇華型を採用したインスタントカメラで、25.4ミリ相当(35ミリ判換算)の単焦点レンズと、本体背面に1.77型液晶モニターを備え、撮影後に即プリントが楽しめる。しかも、撮影からプリントまでの操作はシンプルで、撮影したらプリント開始ボタンを押すだけ。カメラ初心者でも迷うようなことはないはずだ。プリントにかかる時間は、1枚めで1分15秒ほど。
昇華型のため、プリント中はイエロー、マゼンタ、シアン、オーバーコートの計4色分、転写のたびに本体から用紙が出入りするが、この様子は見ていて飽きることがない。内蔵メモリーは画像一枚分しかなく、保存することもできないため、お気に入りの写真が撮れたら即プリントしておくしかない。その点は、従来のインスタントカメラに似た使い勝手といえるだろう。
■発色や階調再現など不足を感じさせない仕上がり
インスタントカメラの中には、色が沈んでしまい、お世辞にもプリントがきれいといえないモデルもあるが、本機のプリントは発色や階調再現性など不足を感じさせないものである。耐候性に優れているのも魅力だ。
■セピアやモノクロ写真も楽しめる
フィルター機能の一つ「セピア」で撮影。そのほか「スケッチ」「アクア1」「アクア2」を搭載し、モノクロプリントも可能。フィルターの種類は少ないものの、いつもとはちょっと違った仕上がりが楽しめる。
まとめ
さまざまな仕上がりが楽しめるフィルター機能のほか、ブルートゥースを搭載し、スマホと連係して、ミニプリンターとしても活用が可能。昇華型のため、退色などに強く、色再現性も優れている。
※上の作例は、パソコンおよびスマホ用アプリで撮影画像の一部を切り出したものです。
※執筆時が2019年9月のため、製品の「実売価格例」は、消費税8%込みの額を表記しています。ご了承ください。
Photo & Text/大浦タケシ