【内臓脂肪の落とし方】脂肪を燃やす食事のコツと断食「味噌汁ファスティング」のやり方

美容・ヘルスケア

私はこれまで栄養療法を専門として、内臓脂肪の多い糖尿病の患者さんなどの治療にあたってきましたが、内臓脂肪を減らすには毎日の食事を見直すしかありません。そこで考えたのが、「21days体質改善チャレンジ」と「3daysみそ汁ファスティング」でした。【解説】関由佳(内科医)

解説者のプロフィール

関由佳(せき・ゆか)
内科医。味噌ソムリエ、野菜ソムリエ、メディカルフード研究家。専門は予防医学、栄養療法。アメリカのZONEダイエットに出会い、食事で血糖値をコントロールする方法をダイエット外来や糖尿病治療に応用。オンラインで「21days体質改善チャレンジ」、「3days味噌汁ファスティング」を指導している。NYの料理専門学校でChef’s Trainingディプロマを取得するなど活動は多岐にわたる。

女性は閉経すると内臓脂肪が増える

ポッコリおなかの正体「内臓脂肪」はどこにある?

皮膚と筋肉の間につくのが皮下脂肪。内臓の周囲につくのが内臓脂肪。内臓脂肪が増えて起こる内臓脂肪型肥満は、男性や閉経後の女性に多い

おなかにつく脂肪は、大きく分けて内臓脂肪皮下脂肪があります(上の図参照)。

皮下脂肪は、皮膚と筋肉の間に蓄えられ、手でつかむことができます。下腹部やお尻、太ももなどにつきやすく、暑さや寒さ、外部の衝撃から体を守ってくれ、男性よりも女性の方がつきやすい脂肪です。

一方、内臓脂肪は文字どおり、腸管など内臓の周りにつきます。

おなかがポッコリ出るのは、この内臓脂肪が原因で、体が食べたものを代謝しきれず、余ったエネルギーが内臓脂肪となって蓄積されてしまうからです。

年齢とともに筋肉量と代謝量が減るため、若い頃と食べる量が変わらなければ、消費カロリーが少なくなって、内臓脂肪はどんどん増えてしまいます。

また、女性は閉経すると、内臓脂肪が増えることがわかっているので、注意が必要です。

毎日の食事を見直すしかない

内臓脂肪が怖いのは、命に関わる病気と関わりがあるからです。

内臓脂肪が増えると、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが増加します。また、インスリンの働きが低下して、ますます血液中に糖分が増えていきます。これが血糖値が上がる原因になってしまいます。さらに、血管が硬くなって、血圧の上昇を招きます。

このように内臓脂肪の悪影響により、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病が起こるのです。

そして、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞といった病気にもなりやすくなります。また、内臓脂肪の蓄積がガンや認知症のリスクを上昇させることもわかっています。内臓が胃腸を圧迫するため、便秘や逆流性食道炎にもなりやすいでしょう。

内臓脂肪が増えて病気になりやすい状態をメタボリックシンドロームと言いますが、40歳からメタボ検診を行うのは、こういった病気を予防するためなのです。

自分がメタボかどうかは、腹囲をチェックして診断します。男性で85cm以上、女性で90cm以上あれば、食事や運動などの生活習慣を見直す必要があります。

また、肝臓の周りに内臓脂肪がつくと脂肪肝となり、肝機能が低下するため、肝機能の数値もメタボのチェックに使われます。

私はこれまで栄養療法を専門として、内臓脂肪の多い糖尿病の患者さんなどの治療にあたってきましたが、内臓脂肪を減らすには毎日の食事を見直すしかありません

「内臓脂肪」が増えるとさまざまな「生活習慣病」を招く

内臓脂肪型肥満かどうかの目安は、おへその高さで腹囲を測るといい。男性は85cm以上、女性は90cm以上で該当する

なかでも脂肪として蓄積される糖質(炭水化物)を減らし、血糖値の上昇を抑えることが改善のポイントとなります。

とはいえ、つらい食事制限は長続きしないですし、食べるという人生の楽しみもなくなってしまいます。

そこで考えたのが、「21days体質改善チャレンジ」と「3daysみそ汁ファスティング」でした。

糖質の量と質をらくらくコントロール

21days体質改善チャレンジ」では、糖質の量と質をコントロールする食事を提案しています。

無理なく実践でき、内臓脂肪や体重を確実に落とすことができます。実践した結果、「腹囲が9.5cmも減って、脂肪肝がなくなった!」という人もいらっしゃいました。

食事の方法はシンプルで、割合はご飯(炭水化物)1、肉・魚類(たんぱく質)2、野菜を3にします。

食事の量は、野菜が両手に乗る程度、肉・魚が片手に乗る程度、ご飯がこぶし1個分が目安。食べる順番は、野菜→肉・魚→ご飯にすると、血糖血の上昇を防ぐことができるでしょう。

また、白米よりも玄米、小麦粉よりも全粒粉を選ぶほうが、血糖値の上昇が緩やかになります。

そして、「21days体質改善チャレンジ」の前に、「3daysみそ汁ファスティング」を行うと、消化器官が休息でき、たまった毒素や老廃物の排出を促してくれます。

みそ汁ファスティングで脂肪が燃焼しやすい体に

みそ汁ファスティングとは、1日の食事を具なしのみそ汁に置き換えて断食することです。

3daysといっても、断食は2日目の1日間だけ。1日目は準備でバランスのよい食事を腹八分目で取ります。3日目は回復食で、おかゆや野菜スープ、みそ汁など、胃に負担にならない食事を心がけます。

みそ汁は、必須アミノ酸9種類がすべて含まれ、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素も豊富です。

ファスティングによって、動き続けている内臓が休息できれば、脂肪を燃焼するエネルギーが増え、次の21日間の食事療法の効果がより出やすくなるでしょう。

内臓脂肪を蓄えないためには、毎食、糖質を控えめにし、血糖値をコントロールすることがポイントとなります。継続して行うことで、おなかポッコリを解消し、健康な体を手に入れてください。

「いつもの食事」で内臓脂肪を落とす方法

◎最初の3日間
「みそ汁ファスティング」を行う

●1日目:準備期間 バランスのよい食事を腹八分目で取る

●2日目:ファスティング 1日の食事を具なしのみそ汁だけにする

●3日目:回復食 おかゆや野菜スープ、みそ汁など、胃に負担にならない食事にする

◎次の3週間
「体質改善10箇条」に沿った食事で体の声に耳を傾ける

【 何をどれだけ食べるか? 】

食べる割合と量の目安
・ご飯(炭水化物)…1【こぶし1個分】
・肉・魚類(たんぱく質)…2【片手分】
・野菜…3【両手分】

1日1杯のみそ汁
調理に合わせてオイルを選ぶ
おやつで食材バランスを補う
水分摂取を欠かさない
量より質が体を作る

【 どのように食べるか? 】

汁物→野菜→たんぱく質→炭水化物の順

もぐもぐかんで腹八分目

【 どんな心持ちで食べるか? 】

食事を楽しむ
体のために体と話す

この記事は『ゆほびか』2019年10月号に掲載されています。

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