頭をほぐすことは、こりをほぐして全身の疲れを取り、自律神経を整える、体と心の両面からのアプローチです。頭をもんで頭や首の筋膜のよじれが解消されると、筋膜がつながっている体の後ろ側の部分もほぐれ、全身に波及して体が楽になるのです。【解説】長田夏哉(田園調布長田整形外科院長)

解説者のプロフィール

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長田夏哉(おさだ・なつや)
田園調布長田整形外科院長。日本医科大学卒業。慶應義塾大学病院、済生会神奈川県病院、川崎市立川崎病院などを経て、2005年、田園調布長田整形外科を開院。体、心、意識へアプローチした自発的治癒力を高めるための医療を実践する。『整形外科医が教える特効メソッド 中指を回すとすべての痛みが消える』(マキノ出版)など、著書多数。
田園調布長田整形外科:http://www.osada-seikei.com/

頑張り屋さんは頭皮がカチカチ

実は頭には、心の状態が現れます。真面目で責任感が強い人、ストレスを感じている人ほど、頭がカチカチに硬いことが多いのです。

私は少しでも毎日を心穏やかに過ごしてもらいたいと思い、クリニックで頭皮セラピーを行っています。頭皮セラピーはヘッドマッサージのように頭へ強い圧をかけるのではなく、優しい圧をかけてほぐすものです。

頭をほぐすと、次のような効果が期待できます。

①眼精疲労の緩和
頭部・目の周囲の血流がよくなり、自律神経のバランスも整うことで眼精疲労の原因である脳疲労が改善する。

②不眠や不安感の軽減
後頭部や首、おでこの血行を促すことで安心感が得られる

③リフトアップ、小顔、美肌(ハリとツヤ)、むくみ解消
頭部の筋肉をもみほぐし、血行促進させることで、表情筋がゆるむ

④考えをまとめる力がアップ
前頭葉の血行促進により、集中力を高める

⑤首・肩・背中のこり、腰のだるさの緩和
こりをほぐすことで老廃物を排出しやすくする

⑥毛髪に力をよみがえらせる
髪の毛乳頭への血行促進が促される

頭皮セラピーを受けた患者さんからは、「視界が明るくなった」「頭がスッキリした」「むくみがとれた」といった感想をいただいています。

呼吸を合わせた頭皮もみを私も実践

画像: グレーのところが筋膜。頭から足裏までつながっているのがわかる。

グレーのところが筋膜。頭から足裏までつながっているのがわかる。

私は毎日、自分で頭ほぐしを行うのはもちろん、月に1度はヘッドスパに通う生活を十数年間、続けています。

頭をほぐすと、頭の周りだけでなく、全身にいい影響があります。

図のように、人間の体はおでこから後頭部、首、背中、腰、足の後ろ側、かかとまで筋膜でつながっています。

筋膜とは筋肉を包んでいる膜で、体全体にはりめぐらされています。筋肉だけでなく内臓や神経などとも連結していて“ボディスーツ”のように全身を覆っています。

姿勢の悪さや、ストレスによる緊張などで筋膜によじれが生じると、それが全身の痛みやこりにつながってしまいます。

ですから、頭をもんで頭や首の筋膜のよじれが解消されると、筋膜がつながっている体の後ろ側の部分もほぐれ、全身に波及して体が楽になるのです。

例えば、かかとが痛い人に頭もみを行うと、痛みが軽減されることがよくあります。このように、頭をほぐすことは全身のセルフケアにもなるのです。 

 

自律神経を整えてリラックスできる

頭ほぐしはまた、自律神経を整えることも期待できます。

ポイントとなるのは呼吸です。息を吸ったあと、手のひらで頭を押しながら吐くといいでしょう。頭を押すことと呼吸を合わせて行えば、リラックス効果が高まり、自律神経も整いやすくなります。

自律神経が安定すると、表情筋が豊かになるので、顔のむくみがとれ、リフトアップや目元がパッチリします。頭にはりめぐらされた神経を刺激することで、思考や感情がスムーズになることもあります。

このように、頭ほぐしは心の安定にもつながるので、ストレスや不安感が強いかたにもお勧めです。

頭ほぐしを行うタイミングですが、患者さんには、好きなときにやってもらうようにお伝えしています。私は朝、昼、夜と1日3回行っています。

頭ほぐしを行う際は、常にそのときの自分の体の状態に合わせて時間を調整してください。

疲れているときは時間をかけて丁寧に行いましょう。感情的に乱れていると思ったら、心を整えるために頭ほぐしを行うのもいいでしょう。毎日行っていると、「今日はこっているな」など、体の変化に気づきやすくなります。

こりがひどいのは、何かを我慢していて筋膜がよじれ、筋肉がスムーズに働かなくなった結果かもしれません。頭ほぐしでそんな心の状態にも気づくことができれば、ライフスタイルを変えるきっかけにもなります。

頭をほぐすことは、こりをほぐして全身の疲れを取り、自律神経を整える、体と心の両面からのアプローチです。ぜひやってみてください。

画像: この記事は『ゆほびか』2019年11月号に掲載されています。

この記事は『ゆほびか』2019年11月号に掲載されています。

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