一口にSDカードといっても、容量によって規格が分かれています。普通のSDカードは2Gバイトまで、SDHCカードが32Gバイトまで、SDXCカードが2Tバイトまでとなっています。SDカードを挿入する機器側も、同じ規格に対応していないと、その容量のSDカードを読み書きすることができません。ここでは読者からの質問に専門家がわかりやすく解説する。
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超大容量SDカードはどの機器でも使える?
読者から質問
最近、SDカードの容量が大きくなっていますが、使用機器によって、容量制限はないのでしょうか? (K.Hさん 神奈川県 79歳)
専門家の回答
編集部:
この質問は、フリーライターの福多利夫さんに聞きます。
専門家:
「現在、SDカード製品の最大容量は1Tバイトですね。HDD並みの容量といっていいでしょう。これが、どの機器でも使えるかというと、そうではありません。
まず、一口にSDカードといっても、容量によって規格が分かれています。普通のSDカードは2Gバイトまで、SDHCカードが32Gバイトまで、SDXCカードが2Tバイトまでとなっています。
SDカードを挿入する機器側も、同じ規格に対応していないと、その容量のSDカードを読み書きすることができません。
例えば、1TバイトのSDカードを使うには、機器側がSDXCカードに対応していなければならないわけです」
編集部:
SDXC対応の機器なら、2Tバイトまで使えるんですね?
専門家:
「そうとも限らないので注意してください。多くの機器は、その機器が発売された時点で、最大容量だったSDカードまでしか対応していないのです。
例えば最大容量のSDXCカードが512Gバイトまでしか発売されていなかった時期のデジカメは、スペック表に『SDXCカード対応(512Gバイトまで)』のように記載されている場合が多いですね。
この場合、512Gバイトを超えるカード、例えば1Tバイトが使えるかどうかは不明です」
編集部:
「使えない」のではなく、「不明」なんですか?
専門家:
「そうなんです。機器のメーカーは、製品開発時に存在しなかった大容量SDカードをテストしていないので、使えるかどうかは機器メーカーにもわからないんです。
設計上、機器がSDXCの規格に厳密に対応していれば、未知のSDカードも使えるはずですが、テストしていないので、使えると断言できず、保証外となります。
良心的なメーカーであれば、製品発売後に登場した大容量SDカードについて追加でテストを行い、使えるかどうかをメーカーのサイトの製品ページに記載します。
また、製品購入時のままでは使えなくても、ファームウエアの書き替え(更新)によって、大容量のカードに対応できるという製品もあります。
一眼カメラなどのメーカーは、頻繁に対応情報を更新しているようです。
いずれにしろ、大容量のSDカードが新発売されたとしても、即座に購入するのではなく、自分が所有するデジタル機器で使えるか、メーカーサイトで調べてから購入しましょう」
編集部:
SDカードには、「スピードクラス」による種類の違いもありますよね。
カード購入の際は、そちらにも注意しましょう。
イラスト/はやし・ひろ