【助産院の食事】入院食の新たなメニューに「ミキ」を追加 ミキグルトで私は冷えが解消し肌ツヤもよくなって乳液が不要

美容・ヘルスケア

助産院で皆さんに提供する食事はとても重要です。消化がよく滋養があり、体力のつく内容となるよう工夫を重ねています。そんな入院食に、この夏から新たに取り入れたメニューがあります。それが砂糖を使わない「ミキ」です。【解説】たつのゆりこ(Be born助産院代表・助産師・鍼灸師・看護師)

解説者のプロフィール

たつのゆりこ

Be born助産院代表。助産師、鍼灸師、看護師。1960年、鹿児島県生まれ。北里大学病院(産科新生児室)、日大板橋病院(産科/ICU・CCU)、 山西助産院などでの勤務を経て、97年に治療室Be bornを開設。2001年にBe born助産院として移転・開院。幅広い経験を生かし、お産の介助、出産前後の女性の心身のケア、ベビーマッサージ指導、東洋医学を中心としたホリスティックな健康管理指導などを行う。
▼Be born助産院(公式サイト)

お通じがよくなり腸に効いていると実感!

私の助産院では、お産の介助をはじめ、産前・産後の女性に向けた健康指導を行っています。お産のための入院はもちろんのこと、産後の養生を目的とした入院も受け入れています。

入院されている皆さんに提供する食事は、とても重要です。消化がよく滋養があり、体力のつく内容となるよう、工夫を重ねています。

そんな入院食に、この夏から新たに取り入れたメニューがあります。それが、砂糖を使わない「ミキ」です。

私がミキの存在を知ったのは自然料理家でミキ伝道師を名のる田町まさよさんとの出会いがきっかけです。

田町さんからミキについて話を聞き、実際にミキを飲ませてもらったところ、かすかな甘みとほどよい酸味が、とてもおいしく感じられました。

その後、何度か田町さんからミキを送ってもらい、そのまま飲んだり、それに豆乳を加えて発酵させ「ミキグルト」にしたり(作り方は下記参照)と、大いに活用しました。毎日飲むうちにお通じがよくなり、腸に効いていると実感できました。

ミキは、自分でも簡単に作れるとのこと。そこで、今年の6月に私の助産院で手作り講座を開いてもらったところ、大変好評だったため、入院食として、導入することにしたのです。

それからは、スタッフに作ってもらったミキやミキグルトを、入院されている妊産婦さんはもちろん、助産院のみんなで飲んでいます。

退院されるかたに、ボトルに詰めたミキを1Lほど、作り方のメモといっしょにお渡しすることもしばしばです。体を冷やさないため、常温に戻してから飲むように勧めています。

ミキグルトの作り方(考案=田町まさよさん)

【材料】(出来上がり目安量=400ml)
・ミキ…100ml(作り方は「砂糖不使用の「ミキ」大活躍レシピ→]参照)
・豆乳…300ml(豆腐が作れる濃いタイプ)

【作り方】
材料をよく混ぜ、ふたつきの容器に、7分目くらいまで入れる。ふたをして、常温で半日からひと晩おいて発酵させる。
とろりと固まったら冷蔵庫で保存。1週間程度は日もちする。
※量が減ったら豆乳を足してよく混ぜ、(1)の手順で発酵させるとくり返し同様に作れる。固まりにくくなったら、ミキを足す。

美顔パックのやり方

洗顔後、ミキまたはミキグルトを適量手に取り、目と口の周りを避けて、顔に塗り伸ばす。数分放置して乾いたら、ぬるま湯で洗い流し、化粧水など通常のお手入れをする。

★必ずパッチテストをしてから行う。
ミキやミキグルトを肌に塗る際は、必ずパッチテストをしてください。少量を塗ってしばらく時間をおき、様子を見て、赤みやかゆみなどの異常が現れたら、直ちに中止してください。

栄養価が高く腹もちがいいのも利点!

私は若いころから、頑固な冷え症で、一年中、レッグウォーマーが欠かせませんでした。けれども、ミキやミキグルトを毎日飲んで、冷えが解消。今年の夏は、レッグウォーマーなしで過ごすことができました。

発酵食品が腸にいいのは、皆さんご存じだと思います。腸は健康の要です。腸の働きが整うと全身の血流がよくなり、体温が上がります。

冷えは万病の元です。体温が上がれば、免疫力も向上。ミキやミキグルトは全身の健康づくりに、大いに役立ちます。

実際に私自身、ミキを飲むたびに、気(東洋医学でいう一種の生命エネルギー)の巡りがよくなるのを実感しています。更年期の冷えや、それによる不眠にも効果的だと思います。

助産院にいらした妊婦さんで印象的なケースがありました。40歳前後で、常に体が冷えていて血色が悪く、毎回の妊婦健診ではいつも疲れていました。

この女性にミキを勧めて飲んでもらったとたん、みるみる顔色がよくなったのです。お帰りになるころには、すっかり元気になったと喜んでいました。

ミキやミキグルトを飲むと、体の内側から巡りがよくなり、肌にもその影響が現れます。実際に私も、以前に比べて、明らかに肌ツヤがよくなったことを実感しています。

顔を洗ったあとに、肌が突っ張ったり、かさつくこともありません。おかげでこれまで使っていた乳液が、不要になりました。

また、ミキやミキグルトを、外側から塗布(パック)することでも、美肌効果が期待できます。米のアミノ酸や、豆乳のたんぱく質、それらが発酵して生じた乳酸菌などが、肌にいい作用をもたらすのでしょう。

ミキは栄養価が高く、腹もちがいいのも利点だと思います。

私は主に、ミキグルトを愛飲していますが、朝、コップに1杯飲むと、それだけでおなかが満たされます。食べる暇がないほど忙しい日には、お昼もミキグルトで済ませることがありますが、かえって体が軽やかで、よく動けるほどです。

ミキやミキグルトを飲むと、おなかがすかないうえ、疲れにくくなるので、甘い物に手が伸びなくなりました。市販のミキを飲んだこともありますが、甘さが気になります。砂糖を入れずに作れるのが、手作りのいいところです。

皆さんもぜひ、ご自分でミキを作ってみてください。

この記事は『壮快』2019年12月号に掲載されています。

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