レモンの果肉、果皮、酢の有効成分を丸ごと摂取できるレモン酢。水や炭酸水で割って飲める他、料理にも調味料として使用できるので、おいしく味わえる上に健康になれると大人気です。ここでは、レモン酢の基本的な作り方と飲み方をご紹介します。【監修】村上祥子(料理研究家・管理栄養士)
監修者のプロフィール
村上祥子(むらかみ・さちこ)
料理研究家・管理栄養士。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部客員教授。「ちゃんと食べてちゃんと生きる」をモットーに、日本国内のほか、ヨーロッパやアメリカ、中国などで実践的食育指導を行う「空飛ぶ料理研究家」。電子レンジ調理の第一人者として活躍するほか、弊誌にて、レモン酢をはじめ、ミカン酢、バナナ酢などのレシピ考案も行っている。
「レモン酢」の基本的な作り方
【用意するもの】(出来上がり約800ml分)
※あくまでも目安。保存瓶の大きさや、好みに合わせて増減可能。
・酢……400ml(米酢、玄米酢、黒酢などの穀物酢を使用する。リンゴ酢などの果実酒を使用してもよい)
・レモン……180g(1個半~小2個くらい)
・氷砂糖……180g(黒砂糖、上白糖、きび砂糖などを使用してもよい。その場合は、沈殿しやすいので、こまめによくかき混ぜること)
・保存瓶……1本(電子レンジ対応の耐熱ガラス瓶を用意する)
※電子レンジ対応の保存瓶がない場合は、どんぶりなどの対応容器でレンジにかけてから、通常のガラスの保存瓶に移せばよい(作り方参照)。
【作り方】
❶レモンは、お湯をかけながら、表面をタワシでゴシゴシ洗い、ペーパータオルで水分を取る。
❷レモンを幅0.5~1cmの輪切りにする(レモンの厚さはお好みで)。
❸保存瓶に、レモンと氷砂糖を入れ、酢を注ぐ。
❹瓶にふたはせず、電子レンジにかける。500Wなら1分20秒程度、600Wなら50秒程度。この時点で氷砂糖が溶けることはない。
❺電子レンジから瓶を取り出し、ふたをする。常温で12時間置いたら飲み始められる。氷砂糖が多少溶け残っていても構わない。
【電子レンジ対応の保存瓶がない場合】
電子レンジ対応の別の容器(ボウル、どんぶりなど)に材料を入れ、レンジにかけてから、通常のガラスの保存瓶に移す。
■電子レンジを使わなくても作れる!
保存瓶に材料を全て入れてふたをし、常温で2週間以上置いたら出来上がり。電子レンジにかけるのは、レモンの細胞を軟化させて出来上がりを早くするためなので、出来上がる時間の違いだけで、味や効果は変わらない。
■漬けたレモンは1度だけ再利用できる。2度目は酢と氷砂糖を半量に。
最初に漬けてから1ヵ月後ぐらいまでをめどに引き上げたレモンに、氷砂糖90g、酢200mlを加えると、もう一度レモン酢を作ることができる。ただし、レモンの再利用は1度が限度。それ以上くり返し作っても、レモンの有効成分が抜けてしまっているので、効果が期待できない。
【1日にとる量の目安】
レモン酢は、1日に大さじ1~3杯(15~45ml)程度が目安。それ以上の量をとっても、効果が高まるわけではない。糖分が含まれているので、とり過ぎには注意する。一度にたくさん飲むよりも、毎日適量を飲み続けることが大切。
【保存方法と注意点】
・レモン酢は常温で1年間保存ができる。
・直射日光が当たる、暑い場所に置くことは避ける。
・漬けたレモンは、空気が触れない状態を保つ(下の写真参照)。
【飲み方】
水や牛乳などで割って飲む
レモン酢大さじ1~2杯を100~150mlの水やお湯で薄めて飲む(濃度はお好みで)。その他、無糖の炭酸水で割ればレモンスカッシュのような味わいに、牛乳で割れば飲むヨーグルトのような味わいになる。いろいろなドリンクで割り、好みの組み合わせを見つけるのもよい。
【食べ方】
漬けたレモンも食べよう!
漬けたレモンにも、まだ栄養成分が残っているので、無駄なく活用しよう。
レモンの皮の苦味が減り、とても食べやすくなっているので、お茶請けなどに、そのまま食べてもおいしい。細かく刻んでヨーグルトのトッピングにしたり、サラダのドレッシングに加えたりと、工夫次第でいろいろな料理に活用できる。
50年の歴史がレモン酢の効果を実証
私が「レモン酢」を考案してから、もう50年になります。
きっかけは、3人の子どもたちの健康のため。わが家の子どもたちは、皆3歳から水泳を始めました。疲れがすぐに回復するようにという思いから、レモン酢は誕生しました。
私は今年で77歳になります。この50年間レモン酢を飲み続け、自著や講演、料理教室を通じて、大変多くの方にお勧めしてきました。
私がこれまで考案したフルーツ酢は、約20種類。その中で一番人気があり、飲み続けている人が多いのが、レモン酢です。
77歳の今も全国を飛び夢のテレビ番組にも出演
私もレモン酢を飲んでいるおかげで、77歳の今も元気に仕事をしています。
雑誌や新聞の連載を複数抱える上、年に数冊レシピ本を出版。料理教室を主宰しながら、大学では36年間も教えています。
午後、東京行きの飛行機に乗り、夜まで取材や講演を複数こなし、最終便で福岡へ戻ります。そして翌朝、秋田へ飛ぶというように、24時間の中で3回飛行機に乗るスケジュールをこなすことも珍しくありません。
航空会社から「同じお名前ですが、お間違いではないでしょうか?」と問い合わせが来たほど、各地を飛び回っています。
そんな生活は、今もほとんど変わりがありません。ですが、疲れたり、くたびれたりということがないのです。
今年の7月には『徹子の部屋』に出演しました。実はこの出演は、私の方から熱烈なラブコールを送り実現しました。
私は、黒柳徹子さんの大ファン。前向きで明るくてエネルギッシュ、品格あふれる徹子さんは、私にとって常に一歩先をゆく憧れの女性でした。ぜひ一度お目にかかりたいと、長年思い続けていたのです。
機が熟したと感じた私は、自ら番組のプロデューサーに連絡。自分の本数冊に履歴書とお手紙を添え、徹子さんへの思いを語ったのです。程なくして、出演が決まりました。
「新人のようなことを⁉」と、周りの人は驚きます。しかし、私にとってはなんの不思議もありません。夢の実現に、年齢は関係ないのです。
このチャレンジ精神にも、レモン酢は絶対に影響していると思います。つい先日も、深夜2時から大学で使用するテキスト作りをしていました。
私は、電子レンジ調理を50年間研究しています。電磁波が調理に及ぼす影響を科学的に解説し、調理学の実習書を作成するという「人生初の試み」にチャレンジしているのです。
今の若い生徒さんには、どのようにすれば最も伝わりやすいかなと、工夫を凝らしながら楽しく仕事をしています。
たった2週間で血圧が正常化した人も
《レモン酢の効果》
●免疫力アップ ●血流がよくなる ●代謝が活発になる ●疲労が早く回復する ●血圧や血糖値を下げる ●シミが消える ●肥満予防、ダイエット効果 ●高脂血症の改善 ●メタボリックシンドロームの改善
「心身ともに健康で」とはよく言われますが、これは本当に大事です。どちらかが落ちると両方落ちてしまいます。
レモン酢は、この心と体の両方によい影響を与えることは間違いありません。適切に働くと、体内の代謝(物質の利用と排出)が活発になります。そうすると、疲労が早く回復し、肥満の予防にもつながります。
実際、1日大さじ2杯のレモン酢をとっただけで、1ヵ月で自然と2~3kgやせた方は、たくさんいます。
代謝がよくなると、血流が改善し、免疫力(病気に対する抵抗力)もアップします。50年レモン酢を続けている私は、今も血液検査で異常な項目は一つもありません。
また、周りの人に「先生は薄着ですね」とよく言われます。真冬はコートを着ますが、その中は薄いブラウス1枚で大丈夫なのです。血流がよいからでしょう。足の指先までポカポカしていて、冷え症とは無縁です。
元気なのは私だけではありません。私の周りでは、たった2週間レモン酢を飲んだだけで、180mmHgあった血圧が正常値になった方(正常値は最大血圧が140mmHg未満)や、1年ほどで高脂血症(血液中にコレステロールや中性脂肪が増え過ぎた状態)とメタボを克服したといった効果を話してくださる方がたくさんいます。
食事制限や運動をしても全く下がらなかった血糖値が、1年で170mg/dlから99mg/dlと余裕の正常値になった(正常値は110mg/dl未満)方もいました。最近では、60代の女性が、ご主人に顔のシミが消えたと指摘され、とても喜んでいました。
「これ、いいかも!」と思ったタイミングが始めどき。作り方も飲み方も簡単なので、記事上を見て作ってみてください。人生100年時代に突入しました。健康と心の体力を与えてくれるレモン酢は、小さいお子さんからシニア世代まで、自信を持ってお勧めします。