【地方都市から新提案】遺伝子解析サービス→アドバイス→アクションで発症リスクを低減

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2020年度の日本政府の予算案で、医療予算は12兆2674億円。公共事業 6兆8571億円、文教科学 5兆5055億円、防衛費 5兆3133億円ですから、圧倒的な額です。高齢化社会なので分からないわけではないのですが、それにしてもスゴい。

遺伝子解析サービスとは?

とにかく、この額を縮小するには、健康でいることです。しかし実際はストレスが多く、食事も乱れがちの上、睡眠も満足に取れないのが現実。サラリーマンはある意味、自分の健康を切り売りしているようなところがあります。この状態は「未病」。病院は、健康診断、もしくは自覚症状がある人以外、面倒を見ません。というより、どちらかというと病人が多すぎて、医者の手が回らない状態ですから、面倒が見られないといった方がより正確です。

そんな中、健康に生きる一つの道を示したプロジェクトがあります。けいじゅヘルスケアシステムジェノプランジャパンNOTOA フィットネスクラブから提案された「遺伝子解析サービスの導入」です。

古来から「血筋」は尊ばれてきました。「スゴい人の子孫はスゴい」という考え方です。才能、能力が遺伝するという考え方です。これは割りとありますね。病気もそうです。私の母方は癌の家系です。母も、伯父も癌でなくなっています。私は、まだ癌の告知を受けていませんが、なる可能性はあるだろうと腹をくくってはいます。

逆のことも言われます。典型的なのが「生活習慣病」。原因は「生活習慣」にあるとする考え方です。こうなると、ある本数タバコを吸った人は肺癌にならなければいけないのですが、完全には追い込めてはいません。

病気の発症は、この遺伝要因と環境要因、双方とも関係しているというのが、現在の考え方です。

発病に対する「環境要因」と「体質」の概念図。自分の発病理由など、しなければならないことも分かる。ジョリーさんの場合は、単一遺伝子疾患にあたるたり、彼女は乳房切除で対処した。

2003年、ヒトゲノムが解析されて以降、医学はどんな遺伝子を持っていると、どんな病気が、どの程度の割合で発症するのかを研究してきました。癌を中心に一つ一つです。そして、遺伝子と発症リスクを特定すことができるようになりました。

この例で、有名なのは女優 アンジェリーナ・ジョリーさんの例でしょう。ジョリーさんの場合、母方が、癌の家系。遺伝子検査をしたところ、癌の原因となる遺伝子があり、将来乳がんになる可能性は87%、卵巣がんは50%以上とされ、乳房切除をしたわけでしょう。

これは遺伝子の方から見た場合ですが、実際は、遺伝子要因:30〜50%、環境要因:50〜70%のバランスで関わり、発症リスク(あくまでもリスク)がはじき出されます。

遺伝子解析の結果で、「肺がん」を発病リスクを算出した場合。遺伝的要因が0.79倍、環境的要因が1.55倍、トータル1.22倍とある。この倍率は、同年代の日本人のその病気に対する発病率を1倍として算出してある。

こちらは肺がん発症の絶対値。こちらだと10%を切る。これからすると、ジョリーンさんの発症率は非常に高く、癌の発症、手術は避けられい、それならリスクを最小限に抑える健康で体力がある内に対応したという予想が付く。

遺伝子解析の費用は?

この遺伝子解析ですが、人のDNAは、約30億の塩基対を持ちます。それを特定する作業が始まったのが、1985年頃から。当初は各国バラバラですし、重複作業も多い。このため非営利の国際協力の団体が作られます。これが1988年。終了が2003年です。掛かった費用は、27億ドル(3000億円)と言われており、塩基1つあたり、約100円で特定してきたわけです。

これでは広く使えないと、1000ドルで解析できるように進められます。1000ドルですから、約10万円。切羽詰まったら出せる金額です。ここで一挙に拡がります。拡がるということは、研究もドンドン進んでいくということです。どの遺伝子が、発病のきっかけになるのかは、データが増えれば増えるほど、確からしさが増します。要するに、検査費用は安くなった方がいいのです。

遺伝子解析サービスの受け方

今回のジェノプランジャパンを例に、遺伝子解析を具体的に見て見ましょう。

まず、申し込むと、遺伝子サンプリングキットと同社ホームページ内にマイページが開設されます。サンプリングキットは、唾液を2ml程度サンプリングして同社に郵送します。並行して、マイページの40個ある質問に回答します。この質問で、環境要因を見極めていきます。

DNA採取キット。中央の容器に唾液を2ml採取(赤線部分まで)するだけ。針を使わない、安全な方法。

結果、遺伝子からみた発病リスク、環境要因からみた発病リスク、総合的な発病リスクが、病気一つ一つに対し、解説付きで提示されます。

昔から病は「四百四病」と言われ、404種類あることになっていますが、この中には、恋煩いなども入っています。で、現時点でチェックできる病気は、癌:32種類、一般疾患:302種類、体質:127種類。それらの発病リスク、顕著になるリスクがユーザーにはもたらされるというわけです。癌の場合は、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、急性白血病など部位毎に全部分かれてだされます。一般疾患は2型糖尿病、肥満、高血圧、心筋梗塞、認知症、うつ病など、幅広く網羅されています。体質は、内臓脂肪、色素沈着、心肺持久力、不眠症、アルコール代謝などです。

ここまで分かると、健康診断でもリスクが高い病気と組み合わせながら、チェックしていくことができます。また、遺伝要因が強いモノに対しては、検診回数を増やし、早期発見に努める、環境要因に対しては、食事、睡眠、運動他、生活をリスクを下げるようにしていきます。単に運動すればいいとかではなく、どんな運動が最もよいのかなど、その人に合った方向を指し示すことができます。

ちなみに、今回の「ジェノプラン」の分析の定価は、2万9千円。サンプル受取後、10営業日で結果報告してもらえるということで、更にとっかかり易くなっています。

分析の「確かさ」は?

ネットを調べると、「A社とB社で同じ遺伝子分析を受けたのだけれど、発症リスクが全然違う結果だった」と書かれていくことがよくあります。それは、今、全ての事がそうなのですが、まだ真理まで辿り着いていないためです。そう、今ある全ての事は、最新の学説の積み上げなのです。

この発症リスクも、最新の「最も確からしいと考えられる学説」から採られています。例えば、胃がんの場合、データから遺伝子のどんな因子が関わっているのかが示されます。そしてその因子をクリックすると、根拠になる学術論文、レポートが示されます。その根拠レポートが違うと、発症リスクの数字が変わるわけです。

ユーザーに提示される遺伝子情報。13個の部分をクリックすると、遺伝子型の一覧表が表示される。その型をクリックするとそれを良くないと判断している学会論文が表示される。

今回の場合、発表時にもそのことに触れ、新しいレポートが出る度に、結果フィードバックすると言ってくれました。ペーパーだと、その最新の結果をフィードバックするのは大変ですが、ホームページ上のデジタルデータへのフィードバックは、すぐにでもフィードバックが可能です。

さて、遺伝子解析が終わり、発症リスクがわかり、基本的なアドバイスまでもらったわけです。ここで問題なのは、その結果を、どう上手く生活にフィードバックしていくかです。例えば、「新陳代謝を高めた方がいい」とアドバイスを受けたとします。それは、温泉に行き湯治をしろということでしょうか?それとも毎日町内を散歩すればいいのでしょうか?それとも長距離を走るレベル、東京マラソンで20km完走するレベルがいいのでしょうか?

ここから先は、本当に個人個人置かれている状況により異なります。また分析結果の解釈も、取り違えている場合もあります。

けいじゅヘルスケアシステム、とNOTOA フィットネスクラブは、ここのサポートをしてくれます。ただ、こちらは、どんな形にするべきなのか、まだ手探りの状況の様ですが、ちゃんとした知識で、誠意ある対応は約束してくれました。

地方医療のあり方

自分のことをよく知り、それに基づき生涯健康プランを作る。お金だと、金融機関が結構提案してくるサービスが、この様に通した形でなされていないのは、どうしてでしょうか?

まず一つあげられるのは、遺伝子解析は、医療行為と直接的には結びついていないということです。理由は簡単で、病院は病人の病気を治すところだからです。そして「未病」は「病気の状態ではないので、医療行為の対象ではない」からなのです。このため、合理的なこの流れを病院は扱うことはできません。

また、食事、睡眠、運動も、その分野毎のプロはいます。しかし、それの総合アドバイスとなると、今とは違った観点が必要になります。ということで、今回のプログラムは頭の中では分かっていても、非常に実行しにくいのが現実です。

では、なぜ今回、石川県七尾市の人は、このプロジェクトに踏み切ったのでしょうか。理由は、今後の「地方医療」のあり方を考えたためだといいます。

今、東京に人口が集中しています。一方、地方はどんどん高年齢化が進んでいます。これはある意味、人口数=患者数ですから、地方病院にとっては死活問題です。例えば、「けいじゅヘルスケアシステム」の母体である「恵寿創業病院」は、病床数:462床、職員数:800名の大病院です。七尾市の総人口は52,102人(2019年10月1日の推計人口、出典:ウィキペディア)です。

恵寿創業病院を入口から撮影。大きいと維持するのが大変だが、小さいと対応できる分野が限られる。

この状況を打破するためには、新しいことを取り入れていくことが必要です。そして今回、医療行為ではない「未病」分野に着目したわけです。人生100年が叫ばれる今、誰かがしなければならないことともいえます。

クラウドファンディングの反響

最近、このような新しいプロジェクトの是非を問うとき、よく使われるのが、クラウドファンディングです。今回も「makuake」(マクアケ)が使われました。お値段は、ジェノプランが出している
定価30,000円(税込)の40%OFF、18,000円(税込)の支援他のプランです。

結果は、12時間で、目標金額 100万円の倍以上を集めることができました。ユーザーコメントも、「新しい自分が分かる」というニュアンスが多く、先行き不安な将来に対して、プラスのイメージであることが分かります。

まとめ

人生100年時代と言われますが、それは健康であってこそ。今までとっつきにくかった、遺伝子解析を基軸に、プロの生活アドバイザーが、それをサポートし、「未病」=健康に生きるというのは、あるべき姿といえます。

まだ、完全に認知されておらず、社会の一システムとして根付くかどうかは未知ですが、個人的には、是非、普及して欲しいシステムといえます。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散策とラーメンの食べ歩き。

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