シグマ初のフルサイズ機で、従来のFOVEON(フォビオン)ではなく、一般的なベイヤーセンサーを搭載する。動画撮影に軸足を置くが、静止画も気軽に高画質が撮れるのがいい。実際に使ってみたところ、シグマらしい色乗りのよさも従来どおりだ。
解説者のプロフィール
大浦タケシ(フォトグラファー)
宮崎県都城市生まれ。EVF搭載のミラーレス一眼は今や手放せない。撮影時のほか、画像の閲覧やメニューの表示も可能で老眼持ちにはフレンドリーだからだ。
こんなカメラで撮ってみた!
シグマ SIGMA fp
動画撮影に軸足を置くが、静止画も気軽に高画質が撮れる!
実売価格例:22万円(ボディのみ)
シグマ初のフルサイズ機で、従来のFOVEON(フォビオン)ではなく、一般的なベイヤーセンサーを搭載する。
EVF(電子ビューファインダー)を省略したボディは、フルサイズとは思えぬほどコンパクト。グリップも備えておらず、ちょっとホールド感が乏しい。
撮影時のボタンやダイヤルの操作もしづらいが、別売のグリップHG-11(実売価格例6530円)かHG-21(同1万1000円)を装着すると、ホールド感、操作感とも飛躍的に向上する。
フルサイズ一眼カメラとしては極めてコンパクトなボディ
フルサイズセンサー搭載カメラとしては極めてコンパクト。EVFもメカニカルシャッターも搭載されない割り切りだ。「45mm F2.8 DG DN」のような小型・軽量の短焦点レンズがよく似合う。シャッターは電子シャッターのみのため、高速で動く被写体の場合、歪んで写るローリングシャッター現象が発生することがある。
背面
上面
生成される画像は、これまでのFOVEONセンサーに比べ、ダイナミックレンジが広く、階調豊か。ローパスフィルターレスのため解像感も高い。高感度に強いのも本機の特徴で、こちらも従来モデルを大きくしのぐ。しかも、画像処理が速くなり、メニュー表示もわかりやすくなったことで、撮影もこれまでになく快適だ。
動画撮影に軸足を置くカメラだが、静止画を撮っても楽しく、高画質が気軽に得られる一台である。
■シグマらしい色乗りのよさは従来どおり
フォーカスエリアの選択は画面へのタッチ操作で行うため、思った位置に素早くエリアが重ねやすい。FOVEONセンサーモデル同様、色乗りがよく、シグマらしい写りだ。
■ダイナミックレンジが広く、階調再現性も上々
微妙な色合いを正確に再現する。ダイナミックレンジも広く、上々の階調再現性だ。写真は焦点距離85ミリのレンズを使用したが、正確なピント位置を知るには、やはりEVFが欲しい。
まとめ
フルサイズミラーレス機ながら、軽量・コンパクトなのが売り。写りもフルサイズらしくスキがない。ただし、被写体としっかり対峙するには、EVFは必要。ぜひEVF搭載モデルも出してほしい。
Photo & Text/大浦タケシ