家電メーカーのシャープがマスクの生産を開始したことで話題になっています。マスク不足の昨今、一枚でも多い方がいいことは自明です。ところで、このシャープのマスクはいつ頃から店頭に並ぶのでしょうか?そしてお値段はいくらで売られるのでしょうか?家電メーカーのマスクに関するちょっとしたレポートです。(2020年4月23日更新)

マスク生産にシャープが参入

2月頭から企画は始まった

シャープの親会社のホンハイ。台湾メーカーです。このコロナ禍の中、見事な初期防御で被害を最小に食い止めている台湾。マスクの重要性は承知。いろいろな企業にマスク増産を打診したそうです。

そのためでしょうか、ホンハイは2月よりマスクの生産を開始したようです。

マスクが必要なのは、日本も同じ。日本政府もマスク増産に補助金を出します。また、新たな参入メーカーも求めました。新規生産に名乗りを上げたがシャープでした。

シャープ内で、マスク生産をすることが決まったのは、2月28日だったそうです。

画像: 2月頭から企画は始まった

なぜマスクの生産ができるのか

余剰クリーンルームがあった

この決定ができたのは、シャープに余剰クリーンルームがあったからです。クリーンルームとは空気中に漂うちいさなホコリを制御した部屋です。例えば半導体。これはナノオーダーで回路を組み立てます。そこへ、ミクロンオーダーのホコリがあると、これは道路を太い樹で塞がれたようなもので、使えない回路がでてきます。すなわち不良品を山ほど作ることになります。そして、それが目に見えない。分かるのは最終検査の時となると、棒大なロスがでます。

ならば、そんなことのない部屋で作業すればいいじゃないかと、作られるのがクリーンルームです。防塵服に身を固め、エアシャワーを浴び、チリひとつない状態にして入りことが許されるクリーンルームは精密機器の生産で欠かせないものになっています。

工場は、大きな倉庫の中にいろいろな設備を並べたようなものです。このため建屋自体は、そんなにお金がかかっていません。ところがクリーンルームは別。空気を入れるダクトも、外からホコリを入れない特殊なものを使いますし、モノ、人の出入りによるクリーン度低下も避けなければなりません。要するに、作るとすごーく高い部屋なのです。

シャープは三重県に亀山工場と多気工場を持ちます。双方とも液晶パネルを作っていたので、クリーンルームを持ちます。が、ご存知の通り、国内の液晶パネル生産は、ドンドン規模が縮小しています。当然クリーンルームも余るわけです。今回は多気工場のクリーンルームが使用されました。

建物に手を加えないで済む。今回、生産決定した大きな理由ですし、短納期での理由でもあります。

画像: 余剰クリーンルームがあった

ビジネスプランはあるのか?

販売は自社のECサイトから

2月頭から末のリサーチで、シャープはマスク生産決定のしたわけですが、シャープへ質問した中であやふやなところが2点あります。それは、原材料の供給と販路です。

原材料は、火急の時であり、協力してもらっているそうですが、火急はあくまで火急時。正常時どうなるのかは不明です。実際原材料(不織布など)は世界的に供給がタイトになっています。某スーパーがマスクを並べた時、10枚で3980円の値段で販売する時、原材料高騰とコメントした位です。火急の時は需要と供給のバランスで、悪どいことを考えなくても値が上がりがちです。

また、販路もそうです。シャープが強いのは、家電系であり、医薬系ではありません。確かに、ヨドバシ、ビックはマスクを扱っていますが、ドラッグストア、コンビニ、スーパーなどにはほとんどルートがありません。このためでしょうか、国への納入の他、決まっているのは、自社のECサイト「SHARP COCORO LIFE」での販売だけです。

これらは、ビジネス企画時に目処を立てて、上役承認の上、交渉にあたるのですが、ビッグメーカーでも、おいそれとはことは進みません。先方も、承認作業などが必要だからです。このためビジネス企画というのは、予備調査がなければひと月で出来るようなものではありません。

今回のシャープの短納期は、これらをすっ飛ばした感じがあります。

気になるのはマスクの「値段」

価格を勝手に予想してみた!

実際、まだ販売価格も決まっていない状態だそうです。

まずは、国がサポートしなければならない医療関係者に渡す分を生産しますので、この完全供給不足の状態で、どこまで作っても全部、国が買い上げるという状態があるかも知れませんが、終息したらどうするのでしょうか?

で、ここからは、御座興です。遊びでシャープのマスクに値を付けてみましょう。
1枚10円? 1枚100円? 1枚500円?

某スーパーは、1枚398円で非難されたわけですが、多分ないよりはということで買ったのだと思います。
毎日使って、30枚/月。1万1940円。確かにかなりの金額になります。ではどの位が上限か?

おそらく、110円から130円。要するにペットボトル1本分の飲料と同等だと思います。これ位だと生活に圧迫感がない。コロナ禍が長引きそうな今、安価に対応できることが必要です。

国も枚数確保すれば値は落ちつくと考えているようですが、商品券で無駄な中間経費を発生させるなら、その分生活必需品の緊急価格補填にするなど、積極対応してほしいと思います。

ネット販売開始

4月21日はサーバーダウン。22日は中止。抽選販売は27日から。

3月末、シャープは政府への出荷を開始、それが終わり次第、シャープECを使ってネット販売するとしてきました。
そして4月20日、シャープより販売しますと言うメッセージが送られてきました。

販売は、4月21日の午前10時から。
数量は当初 3,000箱/日(15万枚/日)。以降今進めている増産に伴い、10,000箱/日(50万枚/日)まで伸ばすそうです。当然、売り方は、一人一箱。

気になる価格は、税抜き、送料抜きで2980円/箱。一枚あたり約60円です。友達に中国北京でマスクを買い付け、日本に送ってくれる人がいるのですが、不織布マスクのの相場は、中国でも60円/枚だそうで、普段よりは高めですが、材料が値あがっている今、妥当な値段と言えそうです。

ただ、家電メーカーとしてはかなり特別な扱いになっており、支払はクレジットカードのみ。送料は660円(税込、全国一律)で、宅配便(佐川急便)のみ。日本国内向け商品のため、海外への発送は承っておりません。

そして、4月21日を迎えたわけですが、結果はご承知の通り。アクセス数が多すぎて対応できない状態。私もアクセスしてみましたが、画面真っ白で、これは何だと思いました。早い者勝ちというのは、有りですが、サーバーが使えなくなるとは…。
その上、シャープのIoT家電も同じサーバーアクセスする様にしていましたので、こちらも大変な状況になりました。AIoT(AI + IoT。シャープの造語)家電で頑張りたいシャープとしては、手痛いミスをしたものです。

このような状態の中、翌日22日の販売は中止。そして23日の夕方、お詫び状とアクセス集中を緩和するため、販売方法を抽選方式に変更するとのメッサージが届きました。以下、シャープの抽選方式による販売です。

第1回抽選販売について

  • 応募期間:2020年4月27日(月) 0:00~23:59
    (期間中、いつお申し込みいただいても当選確率は同じです)
  • 抽選日:4月28日(火)
  • 販売数量:30,000箱
    (50枚入/お一人様1箱限り)
  • 販売価格:2,980円/箱
    (税抜、送料別)

(抽選販売の詳細は下記をご覧ください)

応募にはメールアドレスが必要です。
※応募時に「COCORO MEMBERS」への会員登録は不要です。
当選後のご購入時に会員登録を行っていただきます。

第2回以降の抽選販売については、別途、当サイトにてお知らせいたします。また、通常販売を再開する場合は、改めて本サイトにて案内するとのことです。

最後に

シャープの今回のアクションは、生活危機に対して、日本メーカーとして出来ることをしてくれたことは、心から感謝したいです。良い結果が残せるのかどうかは、これからわかること。生活を圧迫しない生活必需品としての値付けを期待しています。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

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