機種選びは、メモリーの搭載量、CPU、ディスプレイ、ストレージ、サイズなどのスペックをよく検討しよう。ここでは目的別のおすすめ機も紹介するので参考にしてほしい。
パソコンが買いたい。何に注目すればいい?
まずは、スペックに注目しよう。中でも、メモリーの搭載量が目安となる。8Gバイト以上あれば、CPUやストレージなどもそれに見合う構成となっていることが多く、極端な性能不足に悩まされることはないはずだ。
さらに、CPUはインテルの第10世代Core iかAMDのRyzenシリーズを選択。あとは用途に応じて、ディスプレイやストレージ、サイズなどをよく検討しよう。以下では、条件に合った目的別のおすすめ機を紹介していこう。
●主要スペックはここに注意
メモリー
快適な動作には8Gバイト以上が必須。4Gバイト以下は避けたい。メモリーが増設可能なパソコンなら、後から追加する手もある。
CPU
性能面を重視するならインテルのCore iシリーズが手堅い。AMDのRyzenシリーズも人気。価格優先ならCeleronになるが、性能は劣る。
ストレージ
特段の事情がない限り、高速アクセスを誇るSSD一択。録画重視など、大容量優先で速度はある程度妥協できるなら、HDDを選ぶのも手だ。
ディスプレイ
一般的な用途なら解像度はフルHDで十分。画質にこだわったり、クリエイティブな作業に使ったりするなら、4Kディスプレイも検討したい。
目的別おすすめ機種とにかくコスパ充実の万能ノートパソコン
日本HP
15-da2000
ベーシックプラスモデルG2
実売価格例:11万9680円
ノートPC
15-da2000
ちょうどいいA4スタンダードモデル
第10世代のCore i3プロセッサーを搭載した15.6型ノート。DVDドライブのほか、有線LAN端子や、全3基のUSB端子を備えるなど、機能面もソツがない。ストレージは256GバイトのSSDを搭載し、体感速度も良好だ。
CPU | Core i3-10110U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
ディスプレイ | 15.6型 1920ドット×1080ドット |
幅377mm×奥行き247mm×高さ23.0mm・2.0kg |
マウスコンピューター
mouse X4-B
実売価格例:11万1980円
ノートパソコン
mouse X4-B
CPU | Ryzen 5 3500U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
ディスプレイ | 14型 1920ドット×1080ドット |
幅320.2mm×奥行き214.5mm×高さ17.5mm・1.13kg |
マウスらしい高コスパモデル
第2世代のRyzen 5プロセッサー搭載の14型ノート。1.13キロの軽量筐体ながら、バッテリーのもちは最大9.4時間と健闘している。グラフィック機能に描画性能の高いRadeon Vega 8を採用している点も魅力だ。
目的別おすすめ機種家族も個人もしっかり使えるデスクトップ
日本HP
All-in-One 24-f0051jp
スタンダードモデルG2
実売価格例:14万6080円
液晶一体型 デスクトップパソコン
All-in-One 24
CPU | Core i5-9400T |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 128GB SSD + 2TB HDD |
ディスプレイ | 23.8型 1920ドット×1080ドット |
幅540mm×奥行き201mm×高さ419mm・5.92kg |
デザインも性能も二重丸な優等生
奥行き20.1センチのスリム筐体を実現したオールインワンデスクトップ。ディスプレイにはタッチスクリーン対応の23.8型IPSパネルを採用。DVDドライブや全4基のUSB端子を備えるなど、機能面も申し分ない。
レノボ
ideaCentre A540
(F0EM000CJP)
実売価格例:10万914円
オールインワンパソコン
ideaCentre A540
CPU | Ryzen 5 3400GE |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | 23.8型 1920ドット×1080ドット |
幅541mm×奥行き185mm×高さ433mm・7.3kg |
非対称のスタンドが秀逸
「ヒノキの木」をイメージしたデザインを採用した23.8型オールインワン。奥行きはわずか18.5センチとスリムさも際立っている。さらに、JBLスピーカーとウーハーを備え、高品質サウンドを満喫することができる。
目的別おすすめ機種趣味でも仕事でもバリバリ使えるスリムノート
デル
New XPS 13プラチナ
実売価格例:17万4222円
ノートパソコン
New XPS 13
CPU | Core i7-1065G7 |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | 13.4型 1920ドット×1200ドット |
幅296mm×奥行き199mm×高さ14.8mm・1.2kg |
超狭額縁のスタイリッシュノート
4辺フレームレスの狭額縁ディスプレイを採用した13.4型ノート。第10世代のCore i7、16Gバイトのメモリーを備えるなど、スペック面も盤石だ。さらに、指紋と顔の二つの生体認証に対応する点も、使い勝手がいい。
ASUS
X545FA-BQ140T
実売価格例:10万9800円
ノートパソコン
X545FA-BQ140T
CPU | Core i7-10510U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | 15.6型 1920ドット×1080ドット |
幅360.2mm×奥行き234.8mm×高さ23.0mm・1.9kg |
性能&機能ともにスキのない一台
広視野角のフルHDディスプレイを採用したA4ノート。第10世代のCore i7を筆頭に、8Gバイトのメモリー、512GバイトのSSDなど、性能面も文句なし。DVDドライブや指紋認証機能を備える点も便利だ。
目的別おすすめ機種外出先でもサクサク動くハイスペックモバイル
NEC
LAVIE Note Mobile
NM750/RA
実売価格例:17万5780円
LAVIE Note Mobile
NM750/RA
CPU | Core i7-10510Y |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | 12.5型 1920ドット×1080ドット |
幅289mm×奥行き192mm×高さ18.0mm・953g |
あらゆるニーズにこたえる高性能
重量953グラム、厚さ18ミリの軽量スリム筐体を誇る12.5型ノート。第10世代のCore i7プロセッサーを搭載するなど、十分なハイスペックを実現しつつ、バッテリーのもちも最大11時間と、モバイル性能も上々だ。
マイクロソフト
Surface Pro X
実売価格例:16万4780円
2in1端末
Surface Pro X
CPU | Microsoft SQ1 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
ディスプレイ | 13.0型 2880ドット×1920ドット |
幅287mm×奥行き208mm×高さ7.3mm・774g(本体のみ) |
独自CPU<E搭載の新世代2in1
2880ドット×1920ドットの高精細な13型ディスプレイを搭載した2in1端末。CPUには独自の「Microsoft SQ1」を採用し、最大13時間のバッテリー持続時間を実現している。LTE機能を標準搭載している点も魅力だ。
目的別おすすめ機種写真や動画編集もラクラクこなす高性能ノート
NEC
LAVIE VEGA
LV650/RA
実売価格例:19万7780円
LAVIE VEGA
LV650/RAL
CPU | Ryzen 7 3750H |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | 15.6型 1920ドット×1080ドット |
幅359.8mm×奥行き243.8mm×高さ17.9mm・1.9kg |
クリエイターにも最適な高性能!
高負荷なクリエイティブ作業もソツなくこなす15.6型ハイエンドノート。広視野角フルHDディスプレイを採用し、高画質を実現。音声操作やヤマハ製スピーカーを備えるなど、機能面も贅を尽くしている。
ASUS
ZenBook 14 UX434FLC
実売価格例:14万8630円
ZenBook 14
UX434FLC
CPU | Core i5-10210U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | 14.0型 1920ドット×1080ドット |
幅319mm×奥行き199mm×高さ16.9mm・1.3kg |
オンリーワンの液晶タッチパッド搭載!
第10世代のCore i5プロセッサーを搭載した14型ノートで、最大の特徴は液晶ディスプレイ一体型のタッチパッド。各種ショートカットを登録したり、手書き入力で利用したりなど、多彩な用途で活用できる。
Macが気になる。Windowsから乗り替えても大丈夫?
Macも、できること自体はWindowsとさほど変わらない。「Office」も使えるし、フォトレタッチや動画編集なども問題なくこなせる。
ただし、操作性については、共通点も少なくないが、微妙に異なる点も多い。
例えば、システム終了は画面右上のりんごマークから、アプリの起動も画面下部の「ドック」や「アプリケーションフォルダ」を利用するなど、かなり使い勝手が異なる。Windowsにどっぷり浸かっていた人ほど、何かと面食らうだろう。
さらに、当然のことだが、Windows向けアプリはMacでは動作しない。手持ちの周辺機器も使えない場合もあるので、本体だけではない部分にも、くれぐれも注意してほしい。
●MacBookはキーボードの操作も独自
最上段のTouchBarには、標準で各種機能が割り振られている。ファンクションとして使うには「Fn」キーと組み合わせる必要がある。
●デスクトップのデザインも異なる
Macではアプリの起動は、画面下部の「ドック」や「アプリケーションフォルダ」を用いる。Windowsのようなスタートメニューは用意されていない。
パソコンの端子の違いがよくわからない……
パソコンの各端子には大まかな役割があるので、種類別に覚えてしまおう。
最も重要なのは「USB」で、プリンター、HDDなどさまざまな機器がつながる汎用タイプだ。「2.0」「3.0」「3.1」などの通信速度規格と、「Type-A」「Type-C」などのコネクター規格の組み合わせで示される。
かつては、パソコン側がType-A、周辺機器側がType-Bなどの区別があったが、Type-Cでは統一された。
映像出力は「HDMI」のほか、「DisplayPort」や「DVI」などがある。
ネットワークにつなぐ際に利用するのが、「有線LAN端子」。最大通信速度により規格が分かれ、最も多いのが最大速度1Gbpsのタイプだ。
●汎用性が高いUSB端子がポイント
▼ダイナブック・dynabook C8の左側面
❶USB3.1端子(Type-C)
最大通信速度は10Gbpsで、Type-Cは差す向きを選ばない。なお、より速い3.2規格もある。
❷USB3.0端子(Type-A)
Type-AのUSB3.0以上は端子が青いので、USB2.0と判別できる。最大通信速度は5Gbps。
❸HDMI端子
パソコンの映像を出力するための端子。外部ディスプレイと接続する際に利用する。
❹LAN端子
パソコンをネットワークに接続するための端子。規格によって最大通信速度が異なる。
▼ダイナブック・dynabook C8の右側面
❺SDカードスロット
SDメモリーカードのデータをパソコンで読み書きするためのスロット。
ノートパソコンの標準的な端子構成は上のとおり。さまざまな機器の接続に利用され、端子の形状や規格が複雑なUSBの違いを押さえよう。
ディスプレイが欲しいんだけど、選び方を教えて!
周辺機器として人気ジャンルのディスプレイ。選ぶ際にはスペックをしっかり把握するのが肝要だ。
まず、「サイズ」は画面の大きさを示す数値で、今は24型前後が主流だが、大きくなるほど設置スペースを考慮する必要がある。
「解像度」は、1920ドット×1080ドットの「フルHD」以上が必須。高精細にこだわるなら、フルHDの4倍の解像度を誇る「4K」を選ぶのもアリだ。
そのほか、「パネル」の種類も注目したいところ。視野角の広い「IPS」方式、応答速度の速い「TN」方式などの違いがある。
端子は、「HDMI」が備わっていれば、パソコンとの接続で問題になることはまずないが、2基以上あると、複数のパソコンやゲーム機器を同時につなげられるので便利だ。
●ディスプレイの主なスペック
サイズ
ディスプレイの広さを示す数値。テレビと異なり、あまり大きすぎると作業性を損なう。
解像度
画面の精細さを示す数値。フルHD(1920ドット×1080ドット)以上を選びたい。
パネル
液晶パネルは、大別するとTNとVA、IPSの3種類がある。一部で有機ELも登場している。
端子
パソコンやレコーダー、ゲーム機などと接続するための映像入力端子。主流はHDMI。
●手ごろになってきた4Kディスプレイ
アイ・オー・データ
LCD-M4K321XVB
実売価格例:5万8910円
液晶ディスプレイ
LCD-M4K321XVB
31.5型の4Kディスプレイ。液晶パネルはVA方式だが、上下左右178度の広視野角を実現するほか、コントラストや発色も上々だ。
ストレージはSSDが人気だが、HDDとどこが違う?
パソコンのストレージには、「SSD」と「HDD」があるが、最大の違いはアクセス速度。パソコン環境によって違いはあるが、SSDのアクセス速度はHDDより約2~3倍速いとされる。
アクセス速度の差は、OSの起動時間やアプリの動作など、パソコンの体感速度に直結する。CPU性能やメモリー搭載量の強化よりも、HDDからSSDへの換装のほうが、パソコンのパフォーマンス向上に効果があるといわれるほどだ。
それに、SSDは静音性も高く、耐衝撃性能にも優れるというアドバンテージもある。
したがって、価格以外で目立つデメリットのないSSDを選ぶのが原則となる。速度はある程度犠牲にしてもいいから、手ごろな価格でとにかく大容量が欲しいというなら、HDDになる。
●SSDとHDDの特徴の違い
SSD | HDD | |
---|---|---|
高速 | 速度 | SSDよりは遅い |
静か | 静音性 | 作動音がある |
強い | 耐衝撃性 | 弱い |
少ない | 消費電力 | 多い |
小容量中心 | 容量 | 大容量も用意 |
やや高価 | 価格 | 安価 |
速度や耐衝撃性能など、価格以外、ほぼすべての要素においてSSDがHDDを上回る。寿命も、最近のSSDならHDDと大差ない。
●持ち運びに便利なポータブルSSD
バッファロー
SSD-PG120U3-BA
実売価格例:3300円
ポータブルSSD
SSD-PG120U3-BA
米軍仕様の耐衝撃性能を備えたポータブルSSD。USB3.1に対応し、HDDを凌駕する高速アクセスを実現。容量は120Gバイトから。
■解説/篠原義夫(ガジェットライター)
※価格は記事作成時のものです。