【ガス腹を改善する生活習慣】朝の過ごし方を見直そう!5分早く起き白湯を飲むと自律神経が整う

美容・ヘルスケア

ガス腹で悩む患者さんに必ずお勧めしているのが、朝の過ごし方です。特に、朝の「ゆっくり」が大事です。急いだり焦ったりすると、交感神経の働きが急に高まりがちになり、腸の働きにマイナスに作用するのです。【解説】相馬渉(さく病院胃腸内科医)

解説者のプロフィール

相馬渉(そうま・わたる)

さく病院胃腸内科医。2005年、大分大学医学部卒業。大学病院や関連施設にて数多くの消化器内視鏡検査・治療を経験。横浜のたまプラーザ南口胃腸内科クリニックにて「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」の技術を習得後、福岡天神内視鏡クリニックの院長就任。 2020年4月より現職。患者さんに優しい医療がモットー。
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研究分野と専門論文(CiNii)

自律神経の乱れがガス腹や腹痛を招く

食事に気をつけ、適度な運動も始めたけれど、なかなかガス腹が改善しないという人は、自律神経の乱れが影響している可能性があります。

自律神経は、体の細胞の働きを調整するために、全身にくまなく張りめぐらされている神経です。意志とは関係なく動き、体のさまざまな働きを維持してくれています。胃や腸が意識しないで消化・吸収を行ってくれるのも、自律神経の働きがあればこそです。

自律神経は活動時に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経からなり、この二つの強弱バランスによって臓器の働きも調整されています。

腸は、交感神経が優位になると働きが抑制され、副交感神経が優位になると活性化します。

忙しい現代人は、ストレスを受けやすく、それが長く続くと交感神経が過緊張状態になって、腸の動きが停滞し、腹痛やガス腹を招く原因になります。

過敏性腸症候群という腸の病気をご存じでしょうか。会議や通勤時など、緊張状態になると、急に便意を催すというやっかいな病気です。

この過敏性腸症候群にはガス型があり、緊張状態が続くと、おなかが張ったり、おならが頻繁に出たりします。この病気も、自律神経の乱れが大いに関係しています。

また、現代では仕事で遅くまで働いたあと、ストレス解消のためにスマホやゲームに夢中になって寝るのが遅くなるという人も少なくありません。そういう人は、朝はギリギリに起きて、慌てて家を出るような生活をしていると聞きます。

こうした生活をしていると、たちまち自律神経のバランスが乱れてきます。その影響で、ガス腹などの腸の不調を引き起こす可能性があるのです。

自律神経の切り替えを緩やかにすることが大事

腸の状態が悪いときは、交感神経が優位になっています。ですから、副交感神経を活性化させて自律神経のバランスを整える必要があります。

そこでまず、ガス腹で悩む患者さんに必ずお勧めしているのが、朝の過ごし方です。

いつもより15分早く起きる

朝は自律神経が切り替わる大事な時間帯です。夜の就寝中は副交感神経が優位ですが、朝になると交感神経に切り替わります。ただ、この切り替えが一気に行われると、腸が急に緊張するのでよくありません。

そこでいつもより15分早く起きて、ゆっくりできる時間をつくります。6時半に起きて、7時に慌てて家を出ていた人なら、6時15分に起きてください。15分早く起きると、朝食も洗面も、出勤などの準備もゆとりを持ってできるようになります。

この「ゆっくり」というのは、日常生活のなかでも、ぜひ意識してもらいたいことです。

急いだり焦ったりすると、交感神経の働きが急に高まりがちになります。これが、腸の働きにマイナスに作用するのです。

特に、朝の「ゆっくり」が大事です。

起床後1杯の白湯を飲む

起床後すぐにコップ1杯の白湯を飲むと、自律神経の切り替わりが緩やかになります。常温の水でもかまいません。

胃・結腸反射といって、白湯を飲んで胃が刺激されることで、同時に結腸(大腸)にも刺激が伝わります。すると、自律神経の切り替わりも緩やかに進み、腸の活動に無用な圧力がかかることもなくなるのです。

5分間瞑想する

時間が余れば、マインドフルネスのように目をつぶって、リラックスしましょう。

マインドフルネスとは、今この瞬間の自分のあり方にだけ意識を向けるという心理的メソッドです。脳を活性化させ、ストレスをためにくくする効果がある、瞑想の一方法とされています。

イスに座って目をつぶり、ただひたすらボーッとする。リラックスして頭に浮かぶことは、そのまま受け入れればいいのです。ほんの5分でかまいません。それだけでも、自律神経のバランスがよい状態に向かいます。

これまで朝はバタバタと忙しく出かけていたという人は、しばらくこうした朝の時間を過ごしてみてください。自律神経の正常な切り替わりができて、腸への負担も減るはずです。きっとおなかの調子も改善してくるでしょう。

自律神経のバランスを整えガス腹を改善する朝の過ごし方

いつもより15分早く起きる
ゆっくりできる時間をつくり、朝食、洗面、出勤準備など、ゆとりを持って行う。

5分間瞑想する
イスに座って目をつぶり、ボーッとする。頭に浮かぶことは、そのまま受け入れてよい。

起床後、1杯の白湯を飲む
常温の水でもよい。

ところで、腸脳相関といって、私たちの腸と脳はお互いに影響し合う関係にあります。

脳が強いストレスを受けると、神経を通して腸に伝わり、腸の働きを低下させます。さらに折り返し、この腸の不調が脳に伝えられ、腹痛やガス腹、あるいは不安やうつなどを引き起こすという悪循環に陥ります。

このように、腸は強いストレスが続くと、いとも簡単に不調になります。逆にいうと、自分の脳がゆったり構えてさえいれば、腸は必ず期待に応えてくれる臓器でもあるのです。

つまり、できるだけストレスを気にせず、「ガス腹は必ずよくなる」と信じることが、自律神経のバランスを整え、ガス腹を治すためにとても大事なことといえるでしょう。

この記事は『壮快』2020年5月号に掲載されています。

www.makino-g.jp

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