「だし酢」は、塩分や糖分が入っていないので、減塩や糖質制限にも向きます。さまざまな料理に合うので、毎日料理に使っていると、2年ほどのうちにアトピー肌がすっかり改善。また、二十年来のひどい花粉症も劇的によくなりました。【体験談】AYA(Aya'sKitchen主宰)

プロフィール

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AYA(あや)

Aya's Kitchen主宰。KOMBUCHA/紅茶キノコ料理研究家。自身のアトピー改善のため、主に発酵食品、高たんぱく、ビタミン強化レシピを研究し実践。「だし酢」をはじめ、酢を使った簡単でおいしい料理に定評がある。独自メソッドで作る発酵食品「紅茶キノコ」は、料理にも活用できるのが特長。週末限定の株分けレッスンが、健康意識の高い主婦層に人気を博している。

ステロイド薬をやめたら症状が急激に悪化した

私は、主に発酵食品を手作りして活用する料理教室を、主宰しています。今回ご紹介する、市販のだしパックを酢に漬ける自家製調味料「だし酢」も、レッスンで生徒さんにお教えしているレシピの一つです。

発酵食品に着目したきっかけは、自身のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)の改善です。私は幼いころからアトピーで、特に夏場に、首や手などに症状が出やすいタイプでした。

10年以上前から、洗濯には過炭酸ナトリウムを使うなど、肌を刺激しないよう気をつけてきました。けれども、7年前にステロイド薬をやめたところ、症状が急激に悪化。肌がジュクジュクしてただれ、強いかゆみで夜も眠れません。

肌への刺激を減らそうとシャンプーやリンス、化粧もいっさい、やめました。

私はかつて和菓子職人をしていた経験があり、甘い物も好きなので、糖質をとり過ぎる傾向があると自覚していました。

そこで、医師が中心になっている糖質制限食のSNSグループに参加。食事を低糖質・高たんぱく質の糖質制限食にして、本を読んだり、分子栄養学のセミナーに通ったりしました。

二十年来のひどい花粉症も激的に改善!

アトピーの症状は、一度は治まったかのように見えても、またすぐにぶり返しました。独学で得た知識と血液検査の結果を照らすうちにわかったことは、「私の場合、たんぱく質をしっかりとることが重要。その吸収をよくするためには、鉄分が肝心で、酢をいっしょにとるとよい」ということです。

栄養分の吸収には、腸内環境をよくすることも大切なはず。発酵食品である酢には、整腸作用もあります。こうしたわけで発酵食品や酢を、5年前から積極的に取るようになりました。

酢と同時に、注目していたのが、和食の「だし」です。だしには微量ながらたんぱく質が含まれているので、毎日とれば、わずかずつでも摂取できます。

加えて、だしの材料であるカツオ節、シイタケ、コンブ、煮干しなどには旨み成分が豊富。酢と合わせれば、ツンとした酸味がまろやかになり、酢をますます料理に使いやすくなる、と考えたのです。

ただ、だしを酢と合わせて、しょうゆや砂糖で調味した三杯酢や土佐酢では、塩分や糖分が加わってしまいます。

それなら、だしの原料が入った市販のだしパックを、酢の中に直接ドボンと漬ければいいのでは。そう思いつき、だし酢を作ってみたところ、ガツンとした濃い旨みに、驚きました。

さまざまな料理に合うので、毎日料理に使っていると、2年ほどのうちにアトピー肌がすっかり改善しました。

画像: (左)首周りにアトピーの症状が出ていた (右)痕も残らずキレイに治った!

(左)首周りにアトピーの症状が出ていた
(右)痕も残らずキレイに治った!

今でも化粧はせずに、常にスッピンで過ごしていますが、肌がキレイだとほめられます。かき痕も残っていないので、料理教室の生徒さんから「アトピーだったとは想像できない」といわれるほどです。

また、二十年来のひどい花粉症も劇的によくなりました。以前は、花粉の飛ぶ春と秋になると鼻水が止まらず、薬を飲んでも改善しませんでした。けれども近年は、薬に頼らなくても、目の周りにほんの少しかゆみを感じる程度です。

お通じは、もともと悪いほうではありませんでしたが、さらに快調になりました。

だし酢をはじめとした発酵食品を積極的に取り入れたことで、腸内環境がよくなり、結果として、アトピーや花粉症の改善につながったのではないかとうれしく思っています。

「だし酢」は、塩分や糖分が入っていないので、減塩糖質制限にも向きます。味つけの自由度が高く、料理への応用が自在。その結果、飽きずに長く続けられるというわけです。

下項では、さまざまなだし酢のアレンジを紹介します。


腸内環境に好影響を与え免疫力向上に働く(よこはま土田メディカルクリニック院長 土田 隆)

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下と、免疫の過剰反応が原因とされている、アレルギー性疾患の一つです。

全身の免疫細胞の大部分が存在する腸は、「人体最大の免疫器官」です。酢の酢酸の刺激やだしの材料に含まれる成分は、腸内環境に好影響を与え、免疫力の向上に作用します。

AYAさんは、だし酢をはじめとした発酵食品を積極的に取り入れたとのこと。個人差はありますが、AYAさんの場合、これが症状の改善に効果を発揮した可能性があります。

減塩や糖質制限の心強い助っ人!

私の提案している「だし酢」は、だしを取るときに使う食材を、酢にひと晩ほど漬けた物です。漬ける材料により旨みが異なるので、ふだんから、数種類のだし酢を作りおき、料理に応じて使い分けています。

最も手軽で汎用性が高いのが市販のだしパックを、そのままドボンと酢に漬けた物。別記事で「基本のだし酢」として紹介しています。

スーパーなどで売られているだしパックはたいてい、不織布の小さな袋の中に、カツオ節、シイタケ、コンブ、煮干しなどが入っています。本来は煮出し用ですが、これを酢に漬けておくだけで、旨みの濃い手前調味料になるのです。

水で取っただしは、冷蔵庫に入れても日もちしませんが、酢には防腐作用があるので、2週間は保存がきくのも、メリットです。

ちなみに酢は、決まってリンゴ酢を使います。もちろん、穀物酢や米酢も使えますが、リンゴ酢はほのかにフルーティーで酢のツンとした刺激が少ないのです。ほかの酢よりもまろやかに仕上がるので、お勧めです。

だしパックがない場合は、カツオ節やコンブをそのまま酢に漬けても、もちろんOKです。「カツオ節酢」「コンブ酢」は、アレンジだし酢として、先述の別記事でも紹介しています。

だし酢には濃い旨みが出ているので、そのまま料理にかけたり、つけだれにしたりといった使い方ができます。減塩や糖質制限に取り組んでいる人には、心強い助っ人になるはずです。

料理教室の生徒さんからは、「酢が苦手だったけれど、これならおいしくとれる」という声も多く聞かれます。苦手な場合は、炒め物を作るときの最後にだし酢をざっと回しかけてください。強火で水分を飛ばせば、旨みだけが残り、酢の酸味はほとんど気になりません。

もちろん、ほかの調味料と合わせて使えば、おいしさも料理のレパートリーも、さらにアップ。ここでは、私のお気に入りの使い方を紹介しましょう。

三杯酢風
だし酢に、しょうゆと砂糖を少量ずつ加えます。キュウリとワカメを和えれば、定番の酢の物に。生モズクを和えれば、自家製モズク酢になります。

ゴマ和えの素
だし酢1に対して、みそ4、練りゴマ2、砂糖1をよく混ぜます。黒練りゴマで作れば、インゲンのゴマ和えなどにピッタリ。白練りゴマで作り、蒸した鶏肉に添えれば、和風バンバンジーの完成です。コクがあるので、油を少量加えてよく混ぜ、マヨネーズのように使っても。

韓国風だれ
だし酢と砂糖、市販のキムチの素を、同量ずつ混ぜます。鶏の唐揚げに絡めたり、炒め物の味つけに使ったりするといいでしょう。

中華風だれ
だし酢2に対してゴマ油1、塩を少々加え、よく混ぜます。ゆでたホウレンソウを和えると一風変わったお浸しに。刻んだネギを加えれば、中華料理全般に向くネギだれになります。

この中華だれは、漬け材料にホタテの干し貝柱を使った「ホタテ酢」(下記参照)で作ると、よりおいしくて、お勧めです。ホタテ酢は、ひと晩漬けたあとミキサーにかけて貝柱を粉砕すると、使い勝手がよくなります。

アレンジだし酢3種の作り方

画像: ゆずコンブ酢 ・ 塩コンブ酢 ・ ホタテ酢

ゆずコンブ酢塩コンブ酢ホタテ酢

ゆずコンブ酢
【材料】 ゆずの皮(乾)…2g、コンブ…10g
しょうゆを少量加えれば、さわやかな風味の即席ポン酢に。
塩コンブ酢
【材料】 塩コンブ(市販品)…10g 
味の調整が不要なので、より手軽。和え物などに。
ホタテ酢
【材料】 ホタテ貝柱(乾)…10g
動物性の旨みが強く、料理の味がワンランクアップ。

料理に使うだけで効果を実感する人が多数!

お勧めのアレンジだし酢は、ほかにもあります(上記参照)。

乾燥したゆずの皮をコンブ酢に加えた「ゆずコンブ酢」があれば、自家製ポン酢が簡単にできて、便利です。冬の鍋物に重宝するのはもちろん、市販されている乾燥ゆずの皮を利用すれば、一年中、さわやかな風味が楽しめます。

だし取り用のコンブではなく市販の塩コンブをそのまま酢に漬けた「塩コンブ酢」は、「味を調えるのすらめんどう!」という人にお勧めです。

塩が吹いたように見える塩コンブは、しょうゆやみりんで味を含めてあるので、あらためて調味する必要がありません。酢に漬けてひと晩おいたら、そのまま、旨みの濃い酢じょうゆとして、多彩な料理に使えます。

健康のためには、毎日、大さじ1杯程度の酢をとるといいといわれています。そのため、酢を水などで薄めて飲む人もいるようですが、私も料理教室の生徒さんも、だし酢を飲むことはありません。

それでも、料理に使うだけで「便秘が解消した」「美肌になった」といった効果を実感している人が多くいらっしゃいます。

だし酢は、毎日飽きずに、少しずつでも酢を摂取するのに好適な方法です。ぜひ今日から、取り入れてみてください。

■この記事は『壮快』2020年7月号に掲載されています。

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