スパイス料理研究家の印度カリー子さんが提案するスパイスカレーは、家庭で簡単に作ることができ、美味しくて体にいい。毎日食べても飽きないおすすめメニューです。今回は、食物繊維が豊富な旬食材を使った「秋の味覚ごろごろトッピング&きのこカレー」を紹介します。
秋の味覚は食物繊維がたっぷり!
サツマイモや里芋、栗、きのこ類…秋の味覚は食物繊維がとっても豊富。便秘解消やコレステロールの低下などの効果が期待でき、体の内側からキレイにしてくれる女性に嬉しい食材です。
「いも・くり・なんきん」をダイエットの味方に!
女性が好きな秋の味覚「いも・くり・なんきん」は、炭水化物(糖質)たっぷりなので、ダイエット中は我慢している人も多いと思います。たしかにバターや砂糖、生クリームをたっぷり使ったスイーツは、食べ過ぎると体重増加の原因になりますが、調理法を工夫したり、食べる量を抑えればダイエットの強い味方に。その点でもおすすめしたいのがスパイスカレーとの組み合わせです。
秋の味覚の栄養成分と特徴
今回、スパイスカレーに使うのは「サツマイモ、里芋、栗、きのこ類」。すべて低カロリーで食物繊維以外にも美容と健康に嬉しい栄養成分が豊富に含まれています。
参考文献:『からだにおいしい野菜便利帳』板木利隆監修/高橋書店
◎サツマイモ
カロリーは米や小麦粉の1/3
スイートポテトや大学イモ、プリンや焼菓子といったスイーツのイメージが強くてダイエットの敵と思われがちですが、カロリーは100g当たり132kcalと米や小麦粉の1/3。コラーゲンの生成に働きかけるビタミンCが豊富で、血管や筋肉、皮膚などを丈夫にしてくれます。
◎里芋
ぬめり成分が脳活性&免疫力を高める
イモ類の中でカリウムが一番多く、高血圧予防に効果的。たんぱく質やビタミンB群・Cなどを含み、栄養価が高いことが特徴です。また、ぬめり成分のひとつであるガラクタンは、脳細胞を活性化させ、免疫力を高める効果があると言われています。100g当たり58kcalと低カロリーである点も見逃せません。
◎栗
むくみの軽減や血圧の改善の効果に期待
ビタミンCやカリウムが豊富な栗。ビタミンCは血管や筋肉、皮膚などを丈夫にし、カリウムは過剰になったナトリウム(塩分)を排出し、むくみの軽減や血圧の改善に効果があると言われています。
◎きのこ類
ビタミンB群が美肌づくりをサポート
ビタミンB群がバランスよく含まれているきのこ類は、筋肉づくりや疲労回復、美肌をサポート。糖質代謝に欠かせないビタミンB1は、不足すると糖質をエネルギーにかえられず、体脂肪にしてしまいます。また、目や皮膚、口の中の粘膜を正常に保つ働きをするビタミンB2が不足すると口内炎や肌荒れになることもあります。
秋の味覚ごろごろトッピング&きのこカレーを作ろう!
スパイス料理研究家の印度カリー子さんが提案するスパイスカレーは、家庭で簡単に作ることができ、美味しくて体にいい。毎日食べても飽きないおすすめメニューです。今回は、秋の味覚であるサツマイモや里芋、栗などをトッピングしたきのこカレーの作り方を紹介します。
STEP1サツマイモ、里芋、栗を下処理
栗は下処理が面倒な代表格。敬遠する人も多いかもしれませんが、圧力釜を使えば短時間で簡単に皮が剥けます。
サツマイモ、里芋はオーブンでおいしく!
よく洗って泥を落としてから、水で湿らせたキッチンペーパーでくるみ、その上からアルミホールでしっかりと包む。200℃に熱したオーブン入れてサツマイモは1時間、里芋は20分。冷めてから取り出して里芋の皮を剥く(サツマイモは皮を剥かずに使用)。
※オーブンの加熱時間は食材の大きさによって調整。里芋の皮は手でつるんと剥け、ホクホクでねっとり、コクのある味わいになる。
栗は圧力鍋を使うと皮剥きが簡単!
栗のとがった部分に十字の切り込みを入れる。圧力鍋に栗と水を入れ(栗がかぶるくらいの量)、蓋をして強火で火にかけ、沸騰したら高圧8~10分。火を止めて自然冷却をした後に皮を剥く。
STEP2きのこカレーを作る
印度カリー子さん推奨のスパイスカレーの材料・レシピできのこカレーを作ります。写真付きの詳しい作り方は、下記の記事を参照ください。
▼レシピは超簡単 スパイスカレーの作り方 印度カリー子さんの本を参考にヨーグルト入りカレーを作ってみた!
材料(2人前)
◎スパイス3種(クミン・ターメリック・コリアンダー)…各小さじ1
◎塩…小さじ1
◎玉ねぎ…1個
◎トマト…1個(トマト缶1/2でもOK)
◎しょうが・にんにく…1かけ(チューブでもOK)
◎水…100ml
◎ヨーグルト…100g
◎油(サラダ油・オリーブオイルなど)…適量
◎きのこ類(しめじ、マイタケ、エリンギ、マッシュルームなど)
作り方
(1)油をひき、みじん切りをした玉ねぎ、しょうが、にんにくを強火で約10分間炒める。
(2)玉ねぎを炒めている間に、きのこの石づきを切り、適当な大きさにカット。
(3)玉ねぎが飴色になったら、カットしたトマト(orトマト缶)を入れて約2分間炒める。
(4)弱火にして3種のスパイスと塩を入れて約1分間炒める。
(5)中火にして水とヨーグルト、きのこ類を入れる。
(6)10分程度煮込み、塩・こしょうで味を調える。
きのこ類の下処理ポイント
きのこ類は水で洗うと風味や旨みが逃げてしまうので、キッチンペーパーなどで汚れを拭き取る程度に。どうしても気になる場合、その部分だけ軽く水洗いしましょう。また、マッシュルームは食感を楽しむために丸ごと使用し、大きいものはハーフカットにしました。
STEP3盛り付けて完成!
イモ類は適当な大きさにカットしてお皿に盛りつけます。肉の代わりにソーセージ、彩りをよくするためにピーマンとパプリカも炒めて加えました。食べ盛りの息子にはご飯を盛り、私はルーのみ。好きな具材をカレーにトッピングしていただきまーす。
食べた感想
きのこカレーはそれだけでも十分においしい。特にマッシュルームは弾力があり、噛んだ瞬間にカレーの味が口の中にじゅわっと広がる感覚がやみつきになります。
秋の味覚とスパイスカレーを一緒に食べてみると…栗やサツマイモの甘さとカレーの辛さの相性はぴったり。甘みのある食材を使う場合、よりスパイシーにカレーを仕上げるといいかもしれません。そして意外にはまったのは里芋。シンプルな味で自己主張はしないものの、ホクホクとしたねっとり食感がカレーを濃厚でコクのある味わいに引き立てます。まさに名脇役!
いろんな食材を試してみて、あなたのオリジナル秋のスパイスカレーを作ってみてください。ちなみに余ったイモ類はマッシュにしてポテトサラダ風orコロッケにしてもおいしいですよ。
◆藤田美佐子(編集ライター)
京都市在住。フリーランスの編集兼ライターとして観光、食、求人、医療、ブライダルなど幅広い取材・執筆活動を行う。1児の母。趣味はマラソン、美味しいものを食べたり、つくることが大好きな食いしん坊。