散らかった部屋に不便やストレスを感じたら片づけのチャンスです。まずは自分のタイプを知り、散らかる原因を突き止めます。「片づかない本当の原因を知ること」が片づけの第一歩です。【解説】村越克子・笠原恭子
著者のプロフィール
村越克子(むらこし・かつこ)
編集会社勤務を経てフリーライターとして生活情報誌を中心に家計・家事・家族関係などをテーマに執筆活動を続ける。主著に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』『いつのまにかお金がなくなる人のための今度こそ貯金ができる方法』(永岡書店)。
笠原恭子(かさはら・きょうこ)
出版社勤務を経てフリーランスに。面倒くさがり屋でもできる工夫生活の楽しさに目覚め、片づけ・収納ほか、さまざまな家事のアイデアについての記事を執筆。著書に『リメイクッキング』(しょういん)。
本稿は『汚い部屋から今度こそ絶対抜け出す本』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。
片づけられない…その原因とは?
▼散らかる原因を徹底追究しよう
「散らかしているつもりはないのに、なんとなく散らかる」とか「片づけても片づけても、気がつくと散らかっている」と感じることはありませんか? 思い当たるフシがある人は、散らかる原因、片づかない理由がわかっていないということ。「なんとなく」とか「気がつくと」散らかるのではなく、散らかりの原因は、自分の行動パターンや住環境、あるいは性格などに潜んでいます。
「片づけられない私」を卒業して、今度こそスッキリ居心地のいい部屋を手に入れたいと思うなら、まずは片づけられない原因を解明する必要があります。
時間がない
こんな人が当てはまります。
- 帰宅がたいてい夜10時を回る
- 休日は外出することが多い
- DMのチェックが後回しになりがち
- 片づけよりも優先してしなくては
ならないことがある
仕事や趣味、交友関係などに忙しくて、片づけに割く時間がないケースです。「今は時間がないから後で片づけよう」「片づけは時間に余裕のあるときにすればいい」と思っていませんか? でも、たとえどんなに忙しくても、1日のうちのわずかな時間を片づけに割くことはできるはず。「帰宅してすぐ」「入浴の前」「寝る前」など時間を決めて、1日5分でも10分でも“片づけタイム”を作るだけで、部屋は見違えるほどスッキリするものです。
面倒くさい
こんな人が当てはまります。
- 取り込んだ洗濯物を置きっぱなしにしがち
- 「また後で使うから」とモノを
元の場所に戻さない - モノの置き場所を特に決めず、
適当に置いている - 「片づけなくては」と思ってから
行動に移るまでに時間がかかる
典型的なズボラさんのケース。「見なかったことにしよう」「後でやろう」「どうせ、また使うから」が口癖になっていませんか? 面倒くさがりの性格が、現在の部屋の状況を招いたと言っていいでしょう。
人の性格はそう簡単には変わらないものですが、行動は意識すれば変えられます。まず手始めに、床の上にモノをじかに置かないということだけを注意してみましょう。
部屋のなかで広い面積を占める床の上にモノがないだけでも、部屋はスッキリ見えるもの。じかに置かないルールを作れば、カゴや箱などにひとまとめにする片づけ方を考えるようになるはずです。
実は、自分は面倒くさがり屋だと思っている人のなかには、几帳面すぎる性格の人がいます。完璧にやろうとして途中で面倒くさくなり、片づけを放棄してしまうパターンです。一度に全部やろうとせずに、たとえば「きょうは引き出し1つ分だけ」と限定して片づけましょう。少しずつでも「チリも積もれば山となる」で、部屋は少しずつきれいになっていくはずです。
やる気が出ない
こんな人が当てはまります。
- 家にいるときはテレビを見て
過ごす時間が多い - 休みの日は、1日中、ジャージや
スウェットを着ている - 来客の予定があるときは、気合いを入れて
2〜3日前から片づけ始める - 彼氏と会うときだけは、勝負服を着る
人から評価されないことに対しては無頓着なケース。「どうせ、誰に見られるわけじゃないし……」「いざとなったら片づければいいわ」と散らかっている状況を正当化していませんか? 片づけられない性格というわけではありませんが、面倒くさがりの性格もあいまって、片づけがズルズルと後回しになっているようです。人目があるとやる気はわいてくるもの。定期的に彼氏や友人を家に招くようにすると、片づいた部屋がキープできるはずです。
モノが捨てられない性格
こんな人が当てはまります。
- 使いかけのまま1年以上使っていない
口紅が3本以上ある - 5年間着ていない服をしまったまま
- 納豆についているカラシを取っておく
- DVDプレーヤーしか持っていないのに、
ビデオテープを保管している
捨てられない性格のせいでモノが増え続け、片づけが難しくなっているケース。「いつか使うかもしれない」「使えるモノを捨てるなんてもったいない」と考えていませんか? 捨てられないなら、せめて見た目よく取っておきましょう。また、これ以上モノを増やさないように、新しくモノを買うときには、本当に必要か、使うか、収納スペースがあるかなどを考えることも大切です。どうしてもモノが収納しきれない状況なら、「捨てる」ことにチャレンジしてみてはどうでしょうか?
家が狭い
こんな人が当てはまります。
- 押入れ、下駄箱、作りつけの
収納スペースがない、または狭い - 収納グッズを置くスペースがない
- クロゼットのなかに衣類が
ギューギューに詰まっている - ベッドが部屋を占領している
部屋が狭いせいで、収納スペースが確保できないケース。「置き場所がないから、出しっぱなしでもしょうがない」「部屋を片づけるには、もっと広い家に引っ越すしかない」と諦めていませんか?
確かに、家が狭いと収納が難しくなり、散らかりがちになるものです。だからこそ、今持っているモノを「本当に必要か」という視点で見直して、不用なモノを処分したり、場所を取らない効率的な収納法を考える必要があります。さあ、これを機会に、ただでさえ狭い部屋であふれるモノに囲まれて暮らす生活には、さよならしましょう。
まずは次のテストで、あなたの「片づけられない度」をチェックしてみてください。
あなたの「片づけられない度」チェックテスト
思い当たるものをチェックしてみましょう。
□ ソファやベッドの上にいつもモノが置いてある
□ まだ使えるモノは捨てない
□ 2日以上前に使ったモノが出しっぱなしになっていることがよくある
□ リモコンがよく行方不明になる
□ ここ1年間、人を家に呼んでいない
□ CDのケースと中身が違っていることがある
□ 本や雑誌を床に積み重ねる習慣がある
□ テーブルの上のモノを脇に寄せないと、食事ができない
□ クロゼットのなかがパンパンになっている
□ おまけがついているモノを買うのが好きだ
□ 日用品が特売になっているとつい買ってしまう
□ 無料のモノはとりあえずもらう
□ 冷蔵庫に、賞味期限切れの食品が3個以上入っている
□ 片づけをすると同じモノが2〜3個出てくる
□ ショッピングバッグ、包装紙、空き箱、空き缶、リボンなどを取っておく方だ
□ 硬くなったマニキュアが3個以上ある
□ 前に使っていた携帯電話の充電器がまだある
□ ビニール傘が3本以上ある
□ 着たい服が見つからないことがよくある
□ 1年以上前にもらった病院のクスリがある
▼チェック結果診断
0〜5個の人
あなたは片づけられる人。不用品の処分や片づけの習慣もあるようです。この本で、より効率的な片づけ方や収納法をぜひマスターしてください。
6〜10個の人
近ごろ、部屋が散らかりがちで悩んでいませんか? 本来あなたは片づけられる人なので、モノを減らす方法や生活パターンに合った収納法をマスターすれば、スッキリ暮らせるはずです。
11個以上
あなたは「片づけられない人」かもしれません。このまま放置しておくと、そのうちごみ屋敷になってしまうかも!? この本を手にしたのをきっかけに、苦手な片づけにトライして、きれいな部屋を手に入れましょう。
POINT
生活パターンや住環境、性格etc……。自分の片づかない本当の原因を知ることが片づけの第一歩。
なお、本稿は『汚い部屋から今度こそ絶対抜け出す本』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。